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就労妊婦の保護―労働基準法と男女雇用機会均等法

看護師国家試験 第105回 午前 第54問 / 母性看護学 / 妊娠期の看護

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第54問

就労している妊婦に適用される措置と根拠法令との組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.時差出勤 ―――――― 母子保健法
  2. 2.産前産後の休業 ――― 児童福祉法
  3. 3.軽易業務への転換 ―― 母体保護法
  4. 4.危険有害業務の制限 ― 労働基準法

対話形式の解説

博士 博士

今回は働く妊婦さんを守る法律の問題じゃ。母性保護は主に労働基準法と男女雇用機会均等法の2本柱で規定されておる。

アユム アユム

2つの法律はどう役割分担しているんですか?

博士 博士

労働基準法は労働条件の最低基準を定める法律で、産前産後休業、軽易業務への転換、危険有害業務の就業制限、時間外・深夜業の制限などを規定しておる。男女雇用機会均等法は母性健康管理措置、つまり妊婦健診のための通勤緩和(時差出勤)や休憩時間延長などを事業主に義務付けておるのじゃ。

アユム アユム

なるほど、「休業・業務制限」は労働基準法、「通勤・健診配慮」は均等法なんですね。正解は何番ですか?

博士 博士

正解は選択肢4「危険有害業務の制限―労働基準法」じゃ。労働基準法第64条の3で、妊産婦を重量物取扱いや有害ガス発生場所などの危険有害業務に就かせてはならないと規定されておる。

アユム アユム

選択肢1の「時差出勤―母子保健法」はなぜ誤りですか?

博士 博士

時差出勤は男女雇用機会均等法第13条の母性健康管理措置じゃよ。母子保健法は母子健康手帳の交付や妊産婦・乳幼児の健康診査を定めた法律で、労働条件には触れておらんのじゃ。

アユム アユム

選択肢2の「産前産後の休業―児童福祉法」は?

博士 博士

産前産後休業は労働基準法第65条じゃ。産前6週間(多胎なら14週間)は本人請求で、産後8週間は強制的に就業禁止。児童福祉法は児童の福祉全般を定める法律で、労働条件とは無関係じゃ。

アユム アユム

選択肢3の「軽易業務への転換―母体保護法」は?

博士 博士

軽易業務への転換も労働基準法第65条第3項で、妊婦の請求があれば軽易業務に転換させなければならん。母体保護法は不妊手術や人工妊娠中絶、受胎調節を規定する法律で、労働とは別物じゃ。

アユム アユム

労働基準法で覚えるべき母性保護条文は他にありますか?

博士 博士

第66条の時間外・休日・深夜業の制限、第67条の育児時間(1日2回各30分以上)も重要じゃ。また、医師の指導を事業主に伝える「母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)」も均等法の関連ツールとして覚えておくとよいぞ。

アユム アユム

法律の守備範囲を整理して覚えます。

POINT

本問は就労妊婦に対する措置とその根拠法令の組合せを問う問題です。労働基準法は産前産後休業・軽易業務転換・危険有害業務の就業制限・時間外深夜業制限を規定し、男女雇用機会均等法は通勤緩和(時差出勤)や健診時間確保などの母性健康管理措置を定めています。母子保健法や母体保護法は別の守備範囲を持つため混同に注意が必要です。正しい組合せは「危険有害業務の制限―労働基準法」となります。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:就労している妊婦に適用される措置と根拠法令との組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。就労中の妊婦の保護に関わる法令は「労働基準法」と「男女雇用機会均等法」の2つが中心となります。労働基準法は労働条件の最低基準を定める法律で、妊産婦の産前産後休業(第65条、産前6週・多胎は14週、産後8週)、軽易業務への転換(第65条第3項)、危険有害業務の就業制限(第64条の3)、時間外・休日・深夜業の制限(第66条)などを規定しています。一方、男女雇用機会均等法は第12条・13条で母性健康管理措置を定め、妊婦健診のための通勤緩和(時差出勤)や休憩時間の延長など、医師の指導事項を守れる措置を事業主に義務付けています。

選択肢考察

  1. × 1.  時差出勤 ―――――― 母子保健法

    時差出勤を含む通勤緩和措置は男女雇用機会均等法第13条の母性健康管理措置に基づくものです。母子保健法は妊婦・乳幼児の健康管理を定める法律で、労働条件とは直接関係しません。

  2. × 2.  産前産後の休業 ――― 児童福祉法

    産前産後休業は労働基準法第65条で規定されています。産前6週間(多胎14週間)は本人請求により、産後8週間は強制的に就業させてはなりません。児童福祉法は児童の福祉を定める法律で関連しません。

  3. × 3.  軽易業務への転換 ―― 母体保護法

    軽易業務への転換は労働基準法第65条第3項に規定されています。母体保護法は不妊手術や人工妊娠中絶、受胎調節などを定める法律であり、労働条件の規定はありません。

  4. 4.  危険有害業務の制限 ― 労働基準法

    労働基準法第64条の3で、妊産婦等の危険有害業務(重量物取扱い、有害ガス発生場所など)への就業制限が規定されています。正しい組合せです。

労働基準法の母性保護関連条文は覚えておくと有用です。第64条の3(危険有害業務の就業制限)、第65条(産前産後休業・軽易業務転換)、第66条(時間外・休日・深夜業の制限)、第67条(育児時間、1日2回各30分以上)。男女雇用機会均等法では第12条で保健指導・健康診査時間の確保、第13条で医師の指導事項を守るための措置(通勤緩和、休憩の特例、症状対応)を規定しています。母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)は、医師の指導内容を事業主に伝える書面です。

妊婦の就労に関する母性保護規定が、労働基準法と男女雇用機会均等法のどちらに規定されているかを正確に識別できるかを問う問題です。