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妊娠初期に付加すべき栄養素は何か

看護師国家試験 第104回 午後 第78問 / 母性看護学 / 妊娠期の看護

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第78問

Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠11週である。身長160cm、体重52kg(非妊時体重50kg)である。現在は身体活動レベルⅠ(非妊時は身体活動レベルⅡ)で妊娠経過は順調である。 現時点で非妊時と比べて食事に付加することが望ましいのはどれか。

  1. 1.糖質
  2. 2.葉酸
  3. 3.蛋白質
  4. 4.カリウム
  5. 5.カルシウム

対話形式の解説

博士 博士

今日はAさん28歳、妊娠11週の初産婦じゃ。何を食事に付加するかな?

アユム アユム

妊娠初期ですから葉酸が思い浮かびます。

博士 博士

おお、よい着眼じゃ。なぜ葉酸が大切か言えるかの?

アユム アユム

胎児の神経管閉鎖障害を予防するためです。

博士 博士

その通り。神経管は妊娠初期に形成されるからのう。

アユム アユム

推奨量はどれくらいですか。

博士 博士

通常の食事に加えサプリで400μg/日が目安じゃ。

アユム アユム

糖質はどうですか。

博士 博士

Aさんは活動レベルが下がり体重もすでに2kg増。糖質付加は不要、むしろ過剰になりかねぬ。

アユム アユム

蛋白質はどうでしょう。

博士 博士

初期の付加量はほぼなしじゃ。中期以降から少しずつ増えるのじゃ。

アユム アユム

カリウムやカルシウムは?

博士 博士

どちらも非妊時と同量でよい。カルシウムは吸収率が上がるからのう。

アユム アユム

鉄はどうですか。

博士 博士

鉄も中期以降に大きく付加が必要になる。

アユム アユム

初期はとにかく葉酸ですね。

博士 博士

そうじゃ、選択肢2が正解じゃよ。

アユム アユム

妊娠1か月前からの摂取が望ましいんですね。

POINT

妊娠初期は胎児の神経管形成期にあたり、葉酸の十分な摂取が二分脊椎などの神経管閉鎖障害予防に不可欠です。日本人の食事摂取基準では通常食に加えサプリメントで400μg/日の付加を推奨しています。糖質や蛋白質、カリウム、カルシウムはこの時期の付加対象ではなく、通常の食事で対応します。妊娠週数に応じた栄養指導が大切です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠11週である。身長160cm、体重52kg(非妊時体重50kg)である。現在は身体活動レベルⅠ(非妊時は身体活動レベルⅡ)で妊娠経過は順調である。 現時点で非妊時と比べて食事に付加することが望ましいのはどれか。

解説:正解は2です。妊娠初期は胎児の神経管が形成される時期で、葉酸不足は神経管閉鎖障害(二分脊椎・無脳症など)のリスクを高めます。妊娠1か月以上前から妊娠3か月までは通常の食事に加え400μg/日の葉酸付加が推奨されています。

選択肢考察

  1. × 1.  糖質

    Aさんは非妊時BMI約19.5で標準範囲内、活動レベルも低下しています。糖質付加はかえって過剰摂取となり、妊娠糖尿病のリスクを高めかねません。

  2. 2.  葉酸

    妊娠初期は胎児の神経管形成期であり葉酸の付加が必須です。食事による摂取に加え400μg/日のサプリメント利用が厚生労働省により推奨されています。

  3. × 3.  蛋白質

    妊娠中期以降は蛋白質付加が推奨されますが、初期にはほとんど付加量が設定されておらず、通常の食事で十分です。

  4. × 4.  カリウム

    カリウムは妊娠中も非妊時と同量で十分とされ、付加は不要です。通常の食事で必要量を満たせます。

  5. × 5.  カルシウム

    妊娠中はカルシウムの吸収率が上昇するため、推奨量は非妊時と同じで付加の必要はありません。日常的に十分摂ることは大切です。

日本人の食事摂取基準では妊婦の付加量を、葉酸(妊娠初期から240μg/日)、鉄、ビタミンA、エネルギー、蛋白質などで定めています。葉酸はモノグルタミン酸型でのサプリメント400μg/日が神経管閉鎖障害予防のため特に重要視されます。

妊娠初期に特に重要な栄養素と日本人の食事摂取基準における妊婦の付加量を理解しているかを問う問題です。