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分娩経過のアセスメント基本

看護師国家試験 第105回 午前 第108問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第108問

次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8℃、脈拍64/分、血圧126/70mmHgであった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。 この時点でのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

  1. 1.胎児頻脈
  2. 2.前期破水
  3. 3.分娩第1期
  4. 4.妊娠高血圧症候群(pregnancy-induced hypertension)

対話形式の解説

博士 博士

今回は36歳経産婦Aさんの分娩経過じゃ。妊娠40週0日、午前9時に陣痛で入院、午後2時に破水し子宮口7cm開大となったぞ。

アユム アユム

この時点のアセスメントとして正しいのはどれですか?

博士 博士

正解は3の『分娩第1期』じゃ。分娩第1期は規則的な陣痛開始から子宮口全開大(10cm)までを指すんじゃ。

アユム アユム

分娩期の区分をおさらいしたいです。

博士 博士

第1期は陣痛開始〜全開大、第2期は全開大〜胎児娩出、第3期は胎児娩出〜胎盤娩出じゃ。さらに第4期として分娩後2時間を含める考え方もあるぞ。

アユム アユム

第1期の中でも潜伏期と活動期があるんですよね?

博士 博士

うむ、子宮口0〜約4cmが潜伏期、4〜10cmが活動期じゃ。7cmなら活動期の後半、分娩は着実に進行しておるな。

アユム アユム

選択肢1の『胎児頻脈』はどうして違うんですか?

博士 博士

胎児心拍数基線の正常範囲は110〜160bpm、160bpmを超えると頻脈、110bpm未満を徐脈という。本例は140bpmで完全に正常域じゃ。

アユム アユム

2の『前期破水』と『早期破水』の違いがあいまいです。

博士 博士

良い質問じゃ。陣痛発来『前』に破水するのが前期破水(premature rupture of membranes, PROM)、陣痛開始後・子宮口全開大前の破水は早期破水、全開大時が適時破水、胎児娩出後に羊膜が破れないのが遅滞破水じゃ。

アユム アユム

本例では陣痛が始まって入院した後の破水ですから、『早期破水』ですね。

博士 博士

そのとおり、選択肢にないから選べんが、アセスメントとしては早期破水に該当する。前期破水を選ばせる引っかけじゃな。

アユム アユム

4の『妊娠高血圧症候群』はどうですか?

博士 博士

診断基準は収縮期140mmHg以上または拡張期90mmHg以上じゃ。Aさんは126/70mmHgで正常域、除外できる。

アユム アユム

経産婦というのは分娩経過にどう影響しますか?

博士 博士

経産婦は産道が開きやすく、初産婦より分娩所要時間が短い傾向がある。平均は初産婦で11〜15時間、経産婦で6〜8時間ほどじゃ。

アユム アユム

破水後に注意すべき観察項目は?

博士 博士

羊水の性状(清明か混濁・血性か)、色・量・臭い、臍帯脱出の有無、発熱や感染徴候、胎児心拍数じゃ。特に臍帯脱出は緊急事態じゃから要注意じゃ。

アユム アユム

分娩監視装置の読み方も大事ですよね?

博士 博士

そうじゃ。基線・基線細変動・一過性頻脈・一過性徐脈の4要素で評価する。一過性徐脈は早発・遅発・変動の種類でアセスメントが変わるぞ。

アユム アユム

分娩期・破水・胎児心拍・血圧、全部を統合してみる目が大切なんですね。

博士 博士

うむ、母児の安全を守る看護の基本じゃ。定義を正確に押さえておくことが国試でもカギになるぞ。

POINT

分娩40週0日の経産婦で、陣痛開始後・子宮口7cm・破水・心拍140bpm・血圧126/70mmHgという情報から、最も適切なアセスメントは『分娩第1期』です。胎児心拍・血圧は正常域、破水は早期破水であり前期破水ではありません。分娩期・破水の種類・胎児心拍の正常範囲を統合的に判断する力を問う問題です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8℃、脈拍64/分、血圧126/70mmHgであった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。 この時点でのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。分娩第1期は規則的な陣痛開始から子宮口全開大(10cm)までを指します。本例は陣痛開始で午前9時に入院、午後2時の時点で子宮口7cm開大であり、分娩第1期(活動期)に該当します。胎児心拍数基線140bpm(正常範囲110〜160bpm)、血圧126/70mmHg(140/90未満)はいずれも正常域であり、破水は分娩進行中の早期破水にあたります。

選択肢考察

  1. × 1.  胎児頻脈

    胎児心拍数基線の正常範囲は110〜160bpmで、160bpm超が頻脈です。本例は140bpmで正常です。

  2. × 2.  前期破水

    前期破水は陣痛発来前の破水で、陣痛開始後・子宮口全開大前の破水は『早期破水』と呼びます。

  3. 3.  分娩第1期

    陣痛開始から子宮口全開大までが分娩第1期で、子宮口7cm開大の本例は活動期に該当します。

  4. × 4.  妊娠高血圧症候群(pregnancy-induced hypertension)

    診断基準は収縮期140mmHg以上または拡張期90mmHg以上で、本例の126/70mmHgは正常血圧です。

分娩第1期は潜伏期(子宮口0〜約4cm)と活動期(約4〜10cm)に分けられ、子宮口7cmは活動期後半です。破水の分類は、陣痛前=前期破水、陣痛後・全開大前=早期破水、全開大時=適時破水、娩出後=遅滞破水。胎児心拍は110〜160bpmが正常域、160超=頻脈、110未満=徐脈と覚えます。

分娩進行度、胎児心拍、破水の定義、血圧の正常域を統合して正しくアセスメントする問題です。