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光線療法中の授乳は続ける?新生児黄疸ケアの要点

看護師国家試験 第106回 午前 第108問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第108問

在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。 生後3日、児の体重は3,000gになった。バイタルサインに異常はみられない。 手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。血清ビリルビン値18.5mg/dL。母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。 児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。

  1. 1.「体温は低下します」
  2. 2.「便の回数は減ります」
  3. 3.「おむつは外して行います」
  4. 4.「直接授乳は続けましょう」

対話形式の解説

博士 博士

今回は新生児黄疸に対する光線療法の問題じゃ。生後3日、ビリルビン18.5mg/dLで光線療法を開始する場面じゃよ。

アユム アユム

新生児黄疸ってそもそもなぜ起こるんですか?

博士 博士

新生児は胎児期の赤血球(寿命が短い)が一気に崩壊してビリルビンが大量に産生される。一方で肝臓のグルクロン酸抱合能が未熟じゃから、間接ビリルビンが血中に溜まりやすいのじゃ。

アユム アユム

黄疸はいつ現れるんですか?

博士 博士

生理的黄疸は生後2〜3日でピーク、生後1週間で消退する。ビリルビン値が一定を超えると光線療法が必要になる。

アユム アユム

光線療法ってどういう仕組みなんですか?

博士 博士

約460nmの青色光がビリルビンを光異性化・光分解して、肝臓を介さずに胆汁・尿中に排泄可能な形に変える。だから直接ビリルビンを下げられるのじゃ。

アユム アユム

なぜ授乳を続けるのが正解なんですか?

博士 博士

光線照射下では不感蒸泄(皮膚からの水分喪失)が増え、児は脱水になりやすい。水分と栄養を補うために授乳は積極的に継続するのじゃ。

アユム アユム

母児同室で光線療法ができる装置があるんですか?

博士 博士

ビリベッドやビリブランケットという装置じゃ。コットに設置でき、母親のそばで治療できるから授乳もスムーズじゃな。

アユム アユム

体温はどうなるんですか?

博士 博士

照射熱と児の代謝亢進で体温は上昇傾向になる。うつ熱にならないよう30分〜1時間ごとに測定する。

アユム アユム

便の回数は?

博士 博士

光分解産物が腸管に排出されるから便は増える。緑色〜褐色の軟便になるのが特徴じゃ。脱水防止のため尿量・体重も観察する。

アユム アユム

おむつは外すんですか?

博士 博士

外さん。生殖腺を保護するためにおむつは装着したままじゃ。逆に眼はアイマスクで遮光する。網膜障害を防ぐためじゃ。

アユム アユム

眼を保護するのは大事ですね。

博士 博士

その通り。アイマスクがずれていないか、皮膚の発赤や皮疹がないか、定期的にチェックする必要がある。

アユム アユム

核黄疸って怖い合併症があるんですよね?

博士 博士

ビリルビンが脳に沈着して起こるビリルビン脳症じゃ。不可逆的な脳障害につながるから、光線療法の最終目的は核黄疸の予防なのじゃ。

アユム アユム

光線療法の適応はどう判断するんですか?

博士 博士

在胎週数・日齢・体重別のビリルビン値基準(中村の基準)で判断する。出生後時間経過とともに治療閾値が変わるのじゃ。

アユム アユム

光線療法って単純そうでケアのポイントが多いんですね。

博士 博士

うむ。「眼を守る・性腺を守る・体温を観察・授乳を続ける・便と尿を観察・体位変換」が鉄則じゃ。これをセットで覚えておくとよい。

POINT

新生児光線療法は約460nmの青色光でビリルビンを光分解・排泄する治療で、核黄疸予防が最終目的です。照射中は不感蒸泄が増え脱水傾向となるため、授乳の継続が水分補給として重要です。他のケアポイントとして、体温は上昇傾向で定期測定、便は頻回・軟便になり観察、眼はアイマスクで遮光、性腺はおむつで保護、体位変換で照射面積を確保する、が挙げられます。母児同室型装置(ビリベッド等)では治療と母子相互作用を両立でき、母親の安心にもつながります。光線療法のケアは新生児黄疸看護の中核で、核黄疸という重篤な後遺症を防ぐために確実に押さえたい技術です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。 生後3日、児の体重は3,000gになった。バイタルサインに異常はみられない。 手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。血清ビリルビン値18.5mg/dL。母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。 児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。

解説:正解は 4 です。新生児高ビリルビン血症に対する光線療法では、波長約460nmの青色光によりビリルビンが光異性化・分解され、胆汁や尿中に排泄されやすい形に変化する。光線照射下では不感蒸泄が増加し脱水傾向になるため、水分補給を兼ねて直接授乳を継続することが最も重要である。母児同室型の光線療法器はこのような授乳継続を可能にする設計で、授乳を止める必要はない。

選択肢考察

  1. × 1.  「体温は低下します」

    光線療法中は照射による発熱と児自身の代謝亢進で体温が上昇する傾向がある。むしろうつ熱に注意し、30分〜1時間ごとの体温測定を行う。

  2. × 2.  「便の回数は減ります」

    ビリルビンの光分解産物は腸管から排泄されるため便の回数は増え、性状も緑色〜褐色の軟便になる。脱水にも注意が必要。

  3. × 3.  「おむつは外して行います」

    おむつは生殖腺保護のため装着したまま行う。眼は遮光アイマスクで保護し、全身皮膚を露出して照射面積を最大化する。

  4. 4.  「直接授乳は続けましょう」

    光線療法で不感蒸泄が増加し脱水リスクがあるため、授乳を頻回に継続することが重要。母児同室型の装置はこれを可能にする設計。

光線療法(phototherapy)の基本:(1)波長約460nmの青色光がビリルビンを光異性化・光分解し、胆汁・尿中に排泄可能な形に変える。(2)副作用として体温上昇、脱水、便性変化(頻回・軟便)、皮疹、ブロンズベビー症候群(直接ビリルビン高値児での褐色皮膚変色)、網膜障害などがある。(3)ケアの要点:アイマスクで眼を保護、おむつで性腺を保護、体温30分〜1時間毎測定、体位変換で照射面積確保、水分補給(授乳継続)、皮膚観察。(4)母児同室型(ビリベッド等)では治療と授乳の両立が可能。(5)核黄疸(ビリルビン脳症)予防が最終目的で、在胎週数・日齢・体重別の治療適応基準(中村の基準など)で判断する。

新生児光線療法中の看護のポイントを問う問題。体温上昇・便増加・性腺保護・授乳継続という4つのキーケアを覚えておく。