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妊娠24週の妊婦さんに最優先で伝えるべきこと

看護師国家試験 第106回 午後 第100問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第100問

Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。 Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。 このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。

  1. 1.保育所の選択
  2. 2.乳房の手入れ
  3. 3.側臥位での睡眠
  4. 4.妊婦健康診査の受診頻度

対話形式の解説

博士 博士

Aさんは妊娠23週に結婚・転居し、24週の健診に来たところじゃ。妊娠経過は順調で『これから新しい環境に慣れていきたい』と話しておる。

アユム アユム

結婚も妊娠も引っ越しも同時、すごい忙しさですね。

博士 博士

うむ、大きなライフイベントが重なっておる。だからこそ必要な情報を絞って伝える必要がある。

アユム アユム

選択肢は保育所の選択、乳房の手入れ、側臥位での睡眠、妊婦健診の受診頻度。答えは4ですか?

博士 博士

その通り。24週は妊婦健診の頻度が切り替わる節目じゃ。

アユム アユム

健診の間隔を復習しましょう。

博士 博士

【~23週】4週に1回、【24~35週】2週に1回、【36週~分娩】1週に1回。合計14回ほどの公費健診じゃ。

アユム アユム

24週から2週間に1回に変わるんですね。

博士 博士

そうじゃ。Aさんにとっては『前回から4週空いたけど、次回は2週後ですよ』と明確に伝えることが最優先。

アユム アユム

なぜ中期から頻度が増えるんですか?

博士 博士

妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病・切迫早産・胎児発育異常などが顕在化しやすい時期じゃからじゃ。血圧・尿蛋白・尿糖・子宮底長・胎児心音を密にチェックする。

アユム アユム

選択肢1の保育所選択はなぜダメ?

博士 博士

保育所の検討は出産後~職場復帰準備期の話じゃ。まだ妊娠24週の段階で最優先ではない。

アユム アユム

選択肢2の乳房の手入れは?

博士 博士

乳頭マッサージなど乳房の手入れは通常28週頃から段階的に始める。24週ではまだ早い。

アユム アユム

早すぎるとまずいんですか?

博士 博士

乳頭刺激はオキシトシン分泌を誘発し子宮収縮を起こしうるから、切迫早産傾向がある人には特に注意じゃ。

アユム アユム

選択肢3の側臥位睡眠は?

博士 博士

仰臥位低血圧症候群は、増大した子宮が下大静脈を圧迫して静脈還流が減り、低血圧・めまい・胎児循環悪化を起こす状態じゃ。左側臥位が推奨される。

アユム アユム

これは後期に重要なんですね。

博士 博士

その通り。子宮が十分大きくなる30週前後から特に意識する。24週ではまだ最優先ではない。

アユム アユム

結婚・転居に伴って他に気をつけることは?

博士 博士

母子健康手帳の住所変更、妊婦健診受診券の転居先自治体への切り替え、パートナーの会社保険への扶養加入手続きなど事務的な事項も多い。

アユム アユム

母子保健制度的にも時期ごとの動きが違うんですね。

博士 博士

うむ。妊婦健診は母子保健法で市町村が公費負担している制度じゃ。転居時は自治体をまたぐ手続きが要るからの。

アユム アユム

24週以降の健診で看護師が特に注意して観察することは?

博士 博士

体重増加、血圧、浮腫、尿蛋白・尿糖、子宮底長、胎児心音。妊娠高血圧症候群・糖尿病・切迫早産を早期発見することが目的じゃ。

アユム アユム

妊娠週数に応じて優先順位が変わる、というのがこの問題のポイントですね。

博士 博士

その通り。看護師は『今、この妊婦さんに一番必要な情報は何か』を週数・生活背景から総合的に判断する目を養うのじゃ。

POINT

妊娠24週は妊婦健康診査の頻度が『4週に1回』から『2週に1回』へ切り替わる重要な節目です。結婚・転居で生活が大きく変化したAさんには、次回受診が2週後であることを明確に伝え、母子健康手帳の住所変更や助成券の切り替え手続きも併せて説明することが最優先となります。保育所選択・乳房の手入れ・側臥位睡眠はそれぞれ重要ですが、最優先となる時期は出産後や妊娠後期にずれます。週数に応じて妊婦に必要な情報の優先度が変わる、この判断力こそ母性看護の核心であり、状況設定問題で頻繁に問われるポイントです。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。 Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。 このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。

解説:正解は 4 です。妊婦健康診査の間隔は、妊娠23週までが4週に1回、24~35週が2週に1回、36週以降が1週に1回と変化する。Aさんは現在24週で、ちょうど『4週→2週ごと』に切り替わる節目の時期。結婚・転居で生活環境が変わった直後でもあり、次回以降の受診頻度変更を確実に伝えることが最優先となる。

選択肢考察

  1. × 1.  保育所の選択

    保育所の選択・申込は出産後~職場復帰準備期に検討する事項。妊娠24週時点で最優先ではない。

  2. × 2.  乳房の手入れ

    乳房の手入れ(乳頭マッサージなど)は妊娠28週頃から徐々に開始することが多い。早期の乳頭刺激は子宮収縮を誘発する懸念もあるため、24週時点では最優先ではない。

  3. × 3.  側臥位での睡眠

    仰臥位低血圧症候群予防のため側臥位(特に左側臥位)が推奨されるが、症状が出やすくなるのは子宮がさらに大きくなる妊娠後期。24週ではまだ最優先ではない。

  4. 4.  妊婦健康診査の受診頻度

    24週は受診頻度が4週→2週に変わる切り替え時点。結婚・転居で生活リズムが変化した直後でもあり、次回受診を2週間後に予定する旨を確実に伝えることが最優先。

妊婦健康診査は『母子保健法』に基づき市町村が公費負担で実施する。推奨頻度は【~23週】4週に1回、【24~35週】2週に1回、【36週~分娩】1週に1回、合計14回程度。内容は体重・血圧・尿検査・腹囲/子宮底測定・胎児心音・浮腫の観察等が基本で、時期に応じて血液検査・GBS検査・胎児エコーを加える。妊娠中期は流早産・妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病が顕在化する時期で、2週ごとの観察が必要となる。転居した場合は母子健康手帳の住所変更、助成券の転居先自治体への切り替え手続きも指導する。

妊婦健診の受診間隔が週数で変化することを、生活の節目にある妊婦への指導に結びつけて問う問題。時期に応じた優先順位付けがキー。