前立腺癌のホルモン療法を理解しよう
看護師国家試験 第104回 午後 第34問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 疾病に対する医療
国試問題にチャレンジ
前立腺癌(prostate cancer)の治療薬はどれか。
- 1.インターフェロン
- 2.α交感神経遮断薬
- 3.抗アンドロゲン薬
- 4.抗エストロゲン薬
対話形式の解説
博士
学生さん、前立腺癌はホルモン依存性が強い癌じゃが、何ホルモンに依存しとる?
アユム
男性ホルモン、つまりアンドロゲンです。
博士
その通り。だから治療薬も男性ホルモン作用を抑える薬が中心になるんじゃ。
アユム
それが抗アンドロゲン薬ですね。
博士
ビカルタミドやエンザルタミドが代表じゃ。アンドロゲン受容体への結合を阻害する。
アユム
LH-RHアゴニストとはどう違うのですか?
博士
LH-RHアゴニストは下垂体に作用してテストステロン産生そのものを抑える。両者を併用する治療をMAB療法と呼ぶんじゃ。
アユム
フレアアップ現象って聞いたことがあります。
博士
LH-RHアゴニストは投与初期に一過性にテストステロンが上昇するんじゃ。それを防ぐため抗アンドロゲン薬を先行併用する。
アユム
インターフェロンは違うのですね。
博士
あれは肝炎や一部の癌に使う免疫調整薬じゃ。前立腺癌の標準治療ではない。
アユム
α遮断薬は前立腺肥大の方ですね。
博士
タムスロシンが代表じゃ。排尿障害を改善するが癌は治せない。
アユム
抗エストロゲン薬は乳癌ですよね。
博士
タモキシフェンじゃ。男性ホルモンと女性ホルモンを区別して覚えよう。
アユム
副作用として骨粗鬆症やほてりも出ると教わりました。
博士
性腺機能を抑える治療じゃから、長期投与では骨密度低下や心血管リスクの管理も看護の役割じゃ。
POINT
前立腺癌はアンドロゲン依存性腫瘍であり、抗アンドロゲン薬とLH-RHアゴニスト/アンタゴニストを組み合わせるMAB療法が標準的なホルモン療法です。インターフェロンは肝炎や腎癌、α遮断薬は前立腺肥大、抗エストロゲン薬は乳癌に用いられ、適応疾患を明確に区別する必要があります。長期投与に伴うほてりや骨粗鬆症の管理も看護の重要な視点となります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:前立腺癌(prostate cancer)の治療薬はどれか。
解説:正解は 3 です。前立腺癌はアンドロゲン依存性に増殖する腫瘍であり、男性ホルモンの作用を遮断する内分泌療法(ホルモン療法)が標準治療の柱です。抗アンドロゲン薬は前立腺細胞内のアンドロゲン受容体への結合を阻害し、腫瘍増殖を抑制します。
選択肢考察
-
× 1. インターフェロン
インターフェロンはサイトカイン製剤で、慢性肝炎(B型・C型)や腎細胞癌、悪性黒色腫、多発性骨髄腫などに用いられます。前立腺癌の標準治療には含まれません。
-
× 2. α交感神経遮断薬
α1遮断薬は前立腺平滑筋と尿道のα1受容体を遮断して尿道抵抗を下げ、前立腺肥大症の排尿障害改善に用いられます。タムスロシンやシロドシンが代表で、癌そのものの治療薬ではありません。
-
○ 3. 抗アンドロゲン薬
ビカルタミドやフルタミド、エンザルタミドなどが代表薬で、ジヒドロテストステロンとアンドロゲン受容体の結合を阻害します。LH-RHアゴニスト/アンタゴニストと併用するMAB療法が広く行われています。
-
× 4. 抗エストロゲン薬
タモキシフェンに代表される抗エストロゲン薬は、エストロゲン受容体陽性の乳癌の内分泌療法に使用されます。前立腺癌の治療には用いません。
前立腺癌のホルモン療法はLH-RHアゴニスト(リュープロレリン、ゴセレリン)やLH-RHアンタゴニスト(デガレリクス)でテストステロン産生を抑え、抗アンドロゲン薬で受容体レベルでも遮断するMAB(最大アンドロゲン遮断療法)が一般的です。フレアアップ現象の予防として、LH-RHアゴニスト開始前後に抗アンドロゲン薬を併用します。
ホルモン依存性腫瘍と治療薬の対応関係を整理し、前立腺癌に対する抗アンドロゲン療法の位置付けを問う問題です。
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