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抗コリン薬の禁忌を理解しよう

看護師国家試験 第104回 午後 第84問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 疾病に対する医療

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第84問

抗コリン薬の投与が禁忌の疾患はどれか。2つ選べ。

  1. 1.疥癬(scabies)
  2. 2.緑内障(glaucoma)
  3. 3.大腿骨骨折(femoral fracture)
  4. 4.前立腺肥大症(prostatic hyperplasia)
  5. 5.前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)

対話形式の解説

博士 博士

今日は抗コリン薬の禁忌を学ぶぞ。まず作用機序を言えるか

アユム アユム

アセチルコリンの作用を遮断して副交感神経を抑える薬です

博士 博士

その通り。すると瞳孔や膀胱はどうなる

アユム アユム

散瞳して、膀胱排尿筋は弛緩します

博士 博士

ではその副作用を踏まえて選択肢を見ていこう。疥癬はどうじゃ

アユム アユム

ヒゼンダニ感染症ですから自律神経とは関係ないですね

博士 博士

そうじゃ。緑内障はどうじゃ

アユム アユム

散瞳で隅角が狭くなり眼圧が上がるので禁忌です

博士 博士

閉塞隅角緑内障では急性発作が起きるから特に危険じゃ

アユム アユム

大腿骨骨折はどうですか

博士 博士

外傷性の問題で薬理作用と無関係じゃ

アユム アユム

前立腺肥大症は

博士 博士

膀胱排尿筋が弛緩して尿閉を悪化させるから禁忌じゃ

アユム アユム

前頭側頭型認知症は禁忌ですか

博士 博士

直接の禁忌ではないが、認知機能低下を招きやすいので高齢者では注意が必要じゃ

アユム アユム

では正解は2と4ですね

博士 博士

正解じゃ。抗コリン薬の副作用は「あいうえお」で覚えると国試対策に役立つぞ

POINT

抗コリン薬は副交感神経のアセチルコリン作用を遮断する薬で、緑内障では眼圧上昇、前立腺肥大症では尿閉を悪化させるため禁忌です。誤答の疥癬や大腿骨骨折は機序的に無関係で、前頭側頭型認知症も直接の禁忌ではありません。臨床では高齢者への処方時に口渇、便秘、認知機能低下、転倒リスクなどに注意しながら観察を続けることが大切です。

解答・解説

正解は 2 4 です

問題文:抗コリン薬の投与が禁忌の疾患はどれか。2つ選べ。

解説:正解は2と4です。抗コリン薬は副交感神経のアセチルコリン作用を遮断するため、瞳孔散大による眼圧上昇と膀胱排尿筋の弛緩による尿閉を起こします。そのため眼圧が高くなりやすい緑内障と排尿障害のある前立腺肥大症は禁忌となります。

選択肢考察

  1. × 1.  疥癬(scabies)

    疥癬はヒゼンダニの皮膚寄生による感染症で、治療は駆虫薬の外用や内服が中心です。抗コリン薬の作用機序とは関連がなく、禁忌には該当しません。

  2. 2.  緑内障(glaucoma)

    抗コリン薬は瞳孔括約筋を弛緩させて散瞳を起こし、隅角を狭めることで房水流出を妨げ眼圧を上昇させます。閉塞隅角緑内障では急性発作を誘発するため禁忌です。

  3. × 3.  大腿骨骨折(femoral fracture)

    大腿骨骨折は外傷性の機械的損傷であり、自律神経系の薬剤作用と直接関係しません。抗コリン薬は禁忌ではありません。

  4. 4.  前立腺肥大症(prostatic hyperplasia)

    抗コリン薬は膀胱排尿筋を弛緩させて尿の排出を抑制します。前立腺肥大症ではもともと尿道が狭まり排尿障害があるため、尿閉を悪化させる可能性があり禁忌となります。

  5. × 5.  前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)

    前頭側頭型認知症は前頭葉・側頭葉の萎縮による人格変化や行動異常が特徴の疾患で、抗コリン薬使用に関する直接の禁忌はありません。ただし高齢者全般では認知機能低下に注意が必要です。

抗コリン薬の代表的副作用は「あいうえお」で覚えると便利です。あ:汗が出ない、い:イレウス、う:鬱血(口渇)、え:延期される排尿(尿閉)、お:お腹がすかない、さらに散瞳・頻脈・霧視も。高齢者では認知機能低下を招くため、ベンゾジアゼピンと並んで処方適正化の対象となっています。

抗コリン薬の薬理作用を理解し、緑内障や前立腺肥大症が禁忌となる理由を説明できるかを問います。