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生体の代謝を利用する画像検査はどれか

看護師国家試験 第105回 午前 第30問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 疾病に対する医療

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第30問

腹部の検査の画像を以下に示す。 生体の代謝を利用した検査はどれか。

腹部の検査の画像を以下に示す。 生体の代謝を利用した検査はどれか。
  1. 1.
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.

対話形式の解説

博士 博士

今日は画像検査の原理を整理しよう。

アユム アユム

画像といってもレントゲンやCT、MRI、エコー、PETと種類が多いです。

博士 博士

大きく分けると形態検査と機能検査だ。形態検査は構造を見る、機能検査は生理機能や代謝を見る。

アユム アユム

レントゲンやCTは形態検査ですね。

博士 博士

そう。①の単純X線は体を透過するX線の吸収差を白黒で表す形態検査。②のCTは多方向からのX線を再構成して断面像を作る形態検査。どちらも代謝は映さない。

アユム アユム

MRIはどうですか?

博士 博士

MRIは強磁場と電磁波で水素原子の核磁気共鳴を利用する形態検査だ。造影剤なしでも軟部組織のコントラストが高い。

アユム アユム

エコーは?

博士 博士

④の超音波検査は超音波の反射を画像化する形態検査。カラードプラでは血流の速度と向きを色で示すが、代謝情報ではない。

アユム アユム

では代謝を利用するのは?

博士 博士

③のPET検査だ。FDGというブドウ糖類似物質に放射性同位元素フッ素18を付け、静脈注射する。代謝の盛んな細胞、特にがん細胞がFDGを取り込み、陽電子を放出する。それを検出して画像化する。

アユム アユム

がん細胞は糖代謝が亢進しているのですね。

博士 博士

ワールブルグ効果と呼ばれ、がん細胞は解糖系を優位に使いブドウ糖取り込みが正常細胞より高い。これを利用した検査だ。

アユム アユム

具体的にどんな場面で使うのでしょう?

博士 博士

がんの診断、病期決定、再発診断、治療効果判定に広く使われる。最近はPET-CTやPET-MRIが標準で、代謝と形態を同時に評価できる。

アユム アユム

検査前の注意点は?

博士 博士

6時間以上の絶食で血糖を下げておく。血糖が高いとFDGが筋肉などに奪われ、がんへの集積が低下して偽陰性になるためだ。糖尿病患者はとくに事前の血糖管理が重要。

アユム アユム

放射線被ばくはありますか?

博士 博士

FDGとCTを合わせて数〜十数mSv程度。診断上の利益と比較して許容範囲とされる。

アユム アユム

脳や心筋も集積するのはなぜですか?

博士 博士

脳はブドウ糖が主要エネルギー源、心筋も代謝活性が高いため生理的集積がある。判読時はこの生理的分布を知っておくことが重要だ。

アユム アユム

形態と機能の違いで整理するとすっきりしますね。

博士 博士

その通り。画像検査は原理と得意分野を理解して使い分けるのが臨床のポイントだよ。

POINT

生体の代謝を利用する画像検査はPET(陽電子放出断層撮影)です。FDGというブドウ糖類似物質の細胞内取り込みを画像化し、糖代謝亢進を示すがん細胞などを検出します。レントゲン・CT・超音波は形態検査であり代謝情報は得られません。PETはがんの診断・病期決定・治療効果判定で重要な機能検査であり、検査前の絶食や血糖管理が正確な評価に欠かせません。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:腹部の検査の画像を以下に示す。 生体の代謝を利用した検査はどれか。

解説:正解は3です。③はPET(陽電子放出断層撮影;Positron Emission Tomography)検査画像で、がん細胞がブドウ糖を取り込み代謝する性質を利用した検査です。フッ素18で標識したブドウ糖類似物質(FDG;フルオロデオキシグルコース)を静脈注射すると、代謝の盛んな組織(多くのがん、脳、心筋、炎症など)に集積し、放出された陽電子を検出して画像化します。これにより代謝活性の高い病変を全身から検出でき、がんの診断・病期診断・治療効果判定に有用です。

選択肢考察

  1. × 1.  ①

    ①は単純X線撮影(レントゲン)画像です。X線の体内透過度の差を白黒濃淡で画像化する形態検査で、代謝は利用しません。

  2. × 2.  ②

    ②はCT(コンピュータ断層撮影)画像です。多方向からX線を照射し断面像を再構成する形態検査で、代謝情報は得られません。

  3. 3.  ③

    ③はPET画像で、FDGの細胞内取り込み=糖代謝を画像化する機能検査です。がん細胞の代謝亢進を利用して病変を検出します。

  4. × 4.  ④

    ④は超音波(エコー)検査画像で、超音波の反射を画像化します。カラードプラでは血流速度と向きを色で表示しますが、代謝を利用する検査ではありません。

画像検査は形態検査と機能検査に大別されます。形態検査には単純X線、CT、MRI、超音波があり、解剖学的な構造変化を描出します。機能検査にはPET、SPECT、シンチグラフィなどの核医学検査があり、代謝や血流、受容体結合などの生理機能を可視化します。最近はPET-CTやPET-MRIのように形態と機能を融合させた装置が普及し、病変の位置と代謝活性を同時に評価できます。FDG-PET検査前は6時間以上の絶食で血糖を下げ、FDGの取り込みを最適化します。糖尿病で血糖高値の場合は集積が低下し偽陰性の原因となるため、検査前の血糖管理が重要です。

代表的な画像検査の原理を区別し、代謝を利用する機能検査であるPETを識別できるかを問う問題です。