白血病維持療法中の学校生活について
看護師国家試験 第104回 午後 第104問 / 小児看護学 / 状況設定問題
国試問題にチャレンジ
次の文を読み、問いに答えよ。 Aちゃん(10歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb7.5g/dL、白血球75,000/nL、血小板4万/nLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia)と診断された。医師が両親とAちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。 入院後4か月。Aちゃんは治療が順調に進み、退院して外来で維持療法を行うことになった。 今後、学校に通学する際のAちゃんと母親に対する説明で適切なのはどれか。
- 1.「体育は見学してください」
- 2.「授業中はお母さんが付き添いましょう」
- 3.「給食はみんなと同じものを食べてよいです」
- 4.「日焼け止めクリームを塗って登校してください」
- 5.「体育館での全校集会は参加しない方がよいです」
対話形式の解説
博士
学生さん、4か月の入院を経て維持療法に入ったAちゃんが学校に戻るぞ。どう指導する?
アユム
維持療法というと寛解状態ですよね。学校生活の制限は気になります。
博士
ふむ。寛解状態の意味は分かるかの?
アユム
白血病細胞が検査で確認できないレベルまで減った状態です。
博士
その通り。だから過度な制限は不要なのじゃ。
アユム
では体育も参加できますね。
博士
さよう。一律に見学にするのは行きすぎじゃ。体調を見ながら参加すればよい。
アユム
授業中の母親付き添いは?
博士
10歳の子に付き添いは必要ないじゃろ。むしろ自立や友達関係を妨げてしまう。
アユム
給食はどうですか?治療中は加熱食でしたが…
博士
維持療法期は通常食でよい。みんなと同じものを食べる経験は心理的にも大事じゃ。
アユム
日焼け止めは必須ですか?
博士
白血病の維持療法では特別な光線過敏はないからの。一律の指導は不要じゃ。
アユム
全校集会はどうでしょう?
博士
参加してよい。感染流行期はマスクや手洗いで対応するんじゃ。
アユム
感染対策は教えておきます。発熱時の連絡体制も大事ですね。
博士
学校・家族・医療者の三者連携で支えていくのじゃ。
POINT
急性リンパ性白血病の維持療法期は寛解状態にあり、通常の学校生活を送ることが推奨されます。給食を他児と同じ内容で摂取してよいという指導が最も適切で、体育・集会・授業も基本的に参加可能です。過度な制限は心理社会的発達を阻害するため、感染症流行時の対策や発熱時の連絡体制など必要な点に絞って指導することが大切です。学校生活への復帰は復学支援の重要な目標となります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aちゃん(10歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb7.5g/dL、白血球75,000/nL、血小板4万/nLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia)と診断された。医師が両親とAちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。 入院後4か月。Aちゃんは治療が順調に進み、退院して外来で維持療法を行うことになった。 今後、学校に通学する際のAちゃんと母親に対する説明で適切なのはどれか。
解説:正解は3です。急性リンパ性白血病の維持療法期は寛解状態にあり、過度な制限は不要で通常の学校生活を送ることが推奨されます。給食もみんなと同じものを食べてよく、体育や集会への参加も可能です。心理社会的発達のためにも、学校という同年代との集団生活を継続することが大切です。
選択肢考察
-
× 1. 「体育は見学してください」
維持療法期の寛解状態では体調が良ければ体育に参加して問題ありません。一律に見学とすることは過度な制限となり、Aちゃんの心身の発達を阻害する可能性があります。
-
× 2. 「授業中はお母さんが付き添いましょう」
Aちゃんは10歳で寛解状態にあり、授業中の付き添いは必要ありません。母親の付き添いはむしろAちゃんの自立や友人関係の構築を妨げる可能性があります。
-
○ 3. 「給食はみんなと同じものを食べてよいです」
維持療法期では治療中のような加熱食制限は不要であり、通常の給食を他児と同様に摂取して問題ありません。仲間と同じ食事を共にすることは心理社会的にも大切です。
-
× 4. 「日焼け止めクリームを塗って登校してください」
急性リンパ性白血病の維持療法では一般的に日光暴露を制限する必要はなく、日焼け止めクリームを必須とする指導は不要です。皮膚症状を起こす薬剤の使用時など個別的に対応します。
-
× 5. 「体育館での全校集会は参加しない方がよいです」
維持療法期では集団生活への参加は基本的に可能で、全校集会も参加してよいです。感染症流行期にはマスク着用や手洗いで対応し、不参加とする必要はありません。
急性リンパ性白血病の維持療法は2〜3年程度継続され、6-MPやMTXなどの内服を中心に外来通院で行われます。好中球数が減少する時期には感染対策として手洗い、うがい、マスク着用を指導します。体調を崩したときや学校での感染流行時は速やかに連絡できる体制を整え、復学支援には学校・家族・医療者の連携が不可欠です。
白血病の維持療法期に学校生活で過度な制限を行わないことを理解しているかを問う問題です。
「状況設定問題」の関連記事
-
学童期肥満度の計算!A君は何%?式を覚えて即答できる方法
学童期肥満度の計算式と判定区分を問う問題。式に値を当てはめて算出する基本問題で、学校保健で用いられる指標とし…
114回
-
学童期の脂質は20〜30%!0%にしてはいけないワケ
学童期の脂質エネルギー比率の目標量と、保護者の誤った認識を是正する栄養指導を問う問題。極端な制限は成長期では…
114回
-
朝日が体内時計をリセット!夜更かし学童の生活リズム改善の第一歩
学童期の生活リズム改善の第一歩として、最も実行しやすく効果的な指導を選ぶ問題。体内時計と光刺激の関係を理解し…
114回
-
待合室の4人、誰から診る?小児救急トリアージの判断軸
小児救急の複数患児トリアージで、意識・神経症状を伴うけいれん後傾眠の重症度を最優先と判断できるかを問う問題。
114回
-
できることから少しずつ!5歳児の自己導尿、自立へのスモールステップ
幼児後期の発達段階を踏まえ、医療的ケアの自立支援をどう進めるかを問う問題。スモールステップでの成功体験の積み…
114回