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小児ギプス固定中の退院指導

看護師国家試験 第110回 午前 第105問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

110回 午前 第105問

A君( 7歳、男児)は、サッカークラブに所属している。本日、練習中に転倒して右腕を地面についた後、肘周囲に腫れと強い痛みが生じたため、父親と救急外来を受診した。エックス線撮影の結果、右側の上腕骨顆上骨折( supracondylar fracture of humerus )と診断され、非観血的整復とギプス固定が行われることになった。A君は不安な表情で父親と処置室の前で待っている。 退院時、A君は「明日から学校に行けるかな」と看護師に質問した。看護師は、学校には行けることを伝えた後、学校生活における注意点を説明することにした。A君への説明で適切なのはどれか。

  1. 1.「右手の指は使わないでね」
  2. 2.「ギプスは濡れても大丈夫だよ」
  3. 3.「ギプスをぶつけないようにしてね」
  4. 4.「体育の授業は休まなくてもいいよ」

対話形式の解説

博士 博士

A君は退院して学校に戻るぞ。7歳の男の子、しかもサッカークラブじゃ。何に気をつけたらよいかのう?

サクラ サクラ

活発に動きたい年頃ですから、ぶつけたり転んだりが心配です。

博士 博士

そうじゃ。ギプスは強そうに見えても強打すると破損する。そして骨折部が再転位することもあるのじゃ。

サクラ サクラ

だから選択肢3の『ギプスをぶつけないように』が適切なのですね。

博士 博士

その通り。短くわかりやすい言葉が学童期の子には効果的じゃ。

サクラ サクラ

選択肢1の『指を使わない』はどうでしょう。

博士 博士

逆じゃな。指を動かさないと浮腫や関節拘縮が起こる。積極的に動かすことが大事じゃ。

サクラ サクラ

選択肢2の濡れてもよいは?

博士 博士

石膏ギプスは水に弱く脆くなるし、内部が濡れると皮膚トラブルの原因じゃ。

サクラ サクラ

入浴時はビニールで覆う指導が必要ですね。

博士 博士

うむ。選択肢4の体育授業はどうじゃ?

サクラ サクラ

走る、跳ぶ、ボール運動は危険なので見学や制限が必要です。

博士 博士

その通り。完全に休まなくてもよいが、活動は制限が基本じゃな。

サクラ サクラ

痒くなったとき棒を差し込まないようにとも伝えます。

博士 博士

大事じゃな。皮膚を傷つけて感染源になるのじゃ。

サクラ サクラ

異常があったらすぐ大人に言う約束も必要ですね。

博士 博士

良いぞ、指のしびれや色の変化は見逃せないサインじゃ。

POINT

本問は小児のギプス固定中の学校生活指導を問う問題です。正解は3で、ぶつけないという具体的で理解しやすい表現が学童期には適切です。指は動かす、ギプスは濡らさない、体育は制限するのが原則で、本人が守れる実践的な注意点を伝えることが大切です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:A君( 7歳、男児)は、サッカークラブに所属している。本日、練習中に転倒して右腕を地面についた後、肘周囲に腫れと強い痛みが生じたため、父親と救急外来を受診した。エックス線撮影の結果、右側の上腕骨顆上骨折( supracondylar fracture of humerus )と診断され、非観血的整復とギプス固定が行われることになった。A君は不安な表情で父親と処置室の前で待っている。 退院時、A君は「明日から学校に行けるかな」と看護師に質問した。看護師は、学校には行けることを伝えた後、学校生活における注意点を説明することにした。A君への説明で適切なのはどれか。

解説:正解は3です。ギプスは衝撃を受けると破損して固定力が失われたり、内部で骨片が転位する恐れがあります。活動的な学童期ではぶつけないよう意識させる指導が最も重要で、本人が理解しやすい具体的な表現で伝えることが適切です。

選択肢考察

  1. × 1.  「右手の指は使わないでね」

    指は固定範囲外であり、筋萎縮や関節拘縮・浮腫を予防するため積極的に動かすよう指導します。使わない指示は逆効果です。

  2. × 2.  「ギプスは濡れても大丈夫だよ」

    石膏ギプスは水で脆くなり、グラスファイバーギプスでも内部のパッドが乾きにくく皮膚トラブルの原因になります。濡らさないよう指導します。

  3. 3.  「ギプスをぶつけないようにしてね」

    活発な子どもではギプスをぶつけて破損させたり骨片を転位させる危険があります。『ぶつけない』という分かりやすい表現で注意喚起することは適切です。

  4. × 4.  「体育の授業は休まなくてもいいよ」

    走る・球技・跳び箱などはギプス破損や再骨折のリスクが高く、患部の安静のため体育は見学または制限が基本です。休まなくてよいという指導は不適切です。

学校生活での指導では、安静保持と活動維持のバランスを取ります。指先の運動と肩関節の動きは維持するよう促し、入浴時はビニールで覆う、寝る時は枕で挙上して腫脹軽減を図ります。痒みがあっても棒などをギプス内に差し込まないことも伝え、異常(痛みの増強、指のしびれ、色の変化)時は保護者に知らせるよう本人にも説明します。

小児ギプス固定中の学校生活で、本人に伝えるべき具体的な注意点を問う問題です。