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味覚障害の原因—味蕾を支える微量元素を見抜く

看護師国家試験 第103午前31

国試問題にチャレンジ

103午前31

味覚障害の原因となるのはどれか。

  1. 1.亜鉛欠乏
  2. 2.リン欠乏
  3. 3.カリウム欠乏
  4. 4.マグネシウム欠乏

対話形式の解説

博士博士
今日は味覚障害の原因を考えてみよう。舌の表面には味蕾という構造があって、その中の味細胞は約10日でどんどん入れ替わっているんじゃ。
サクラサクラ
そんなに早く新しくなるんですね。じゃあ細胞をつくる材料が足りないと味がわからなくなるってことですか?
博士博士
その通り。新陳代謝が盛んな細胞ほど、DNA合成や酵素反応に欠かせない補因子が必要になるんじゃ。
サクラサクラ
博士、選択肢ではどれが正解になりますか?
博士博士
正解は 1 の亜鉛欠乏じゃ。亜鉛は味細胞の再生に必須で、欠乏すると味覚減退や異味覚が出現する。
サクラサクラ
2のリン欠乏はどうなんでしょう?
博士博士
リンは骨や歯、ATPの材料として大切じゃが、欠乏では骨軟化や筋力低下が中心で、味覚障害の主因にはならない。
サクラサクラ
3のカリウム欠乏は?
博士博士
カリウムは膜電位や筋収縮に関わり、欠乏では脱力や不整脈が出るが、味覚障害は典型ではないんじゃ。
サクラサクラ
4のマグネシウム欠乏も違うんですね。
博士博士
マグネシウム欠乏は神経筋興奮性の亢進やテタニーが特徴で、味覚との直接の関連は弱い。
サクラサクラ
亜鉛が偏食や薬剤で減ることもあると聞いたのですが本当ですか?
博士博士
よい指摘じゃ。降圧薬や抗リウマチ薬のキレート作用、長期の経静脈栄養、肝腎疾患などでも亜鉛欠乏が起こり得るので、服薬歴と食事内容の聴取が看護でも重要なんじゃ。

POINT

味覚を担う味蕾の味細胞が短期間で更新される事実と、その再生に必要な微量元素を結びつけて理解できているかを問う設問です。

解答・解説

正解は1です

問題文:味覚障害の原因となるのはどれか。

解説:正解は 1 です。味覚は舌や軟口蓋などにある味蕾(味細胞の集合体)で受容されます。味細胞は新陳代謝が非常に速く、約10日前後で入れ替わるとされ、その細胞分裂や再生に必須の補因子となるのが亜鉛です。亜鉛が不足するとDNA合成や核酸代謝が滞り、味細胞の更新が追いつかず、味覚減退・自発性異常味覚・解離性味覚障害などが生じます。原因としては偏食、加工食品中心の食生活、長期の経静脈栄養、降圧薬や抗リウマチ薬などによるキレート作用や吸収阻害、肝疾患・腎疾患などが挙げられます。

選択肢考察

  1. 1.  亜鉛欠乏

    亜鉛は味蕾の味細胞のターンオーバーに不可欠な微量元素であり、欠乏すると味細胞の再生が障害され味覚障害を引き起こす代表的な原因となります。

  2. ×2.  リン欠乏

    リンは骨や歯、ATP、リン脂質、核酸の構成成分として重要ですが、欠乏症状は筋力低下、骨軟化、溶血などであり、味覚障害の主因にはなりません。

  3. ×3.  カリウム欠乏

    カリウムは細胞内主要陽イオンとして膜電位や筋収縮、心筋の興奮に関与しますが、欠乏で生じるのは脱力・不整脈・腸蠕動低下などで、味覚障害は典型症状ではありません。

  4. ×4.  マグネシウム欠乏

    マグネシウムは多数の酵素反応の補因子で、欠乏すると神経筋興奮性亢進や不整脈などをきたしますが、味覚障害との直接的な関連は乏しいとされます。

味覚障害患者には食事内容の聴取、服薬歴の確認、血清亜鉛値の測定が基本です。基準値の下限を割り込むと潜在性亜鉛欠乏が疑われ、ポラプレジンクなどの亜鉛補充療法が行われます。亜鉛を多く含む食品は牡蠣、レバー、赤身肉、ナッツ類などです。高齢者や慢性疾患患者では食事量低下に伴う潜在性欠乏が多く、看護では食事摂取状況や口腔内乾燥の有無を観察することが重要です。

味覚を担う味蕾の味細胞が短期間で更新される事実と、その再生に必要な微量元素を結びつけて理解できているかを問う設問です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。