Wernicke野 vs Broca野 ― 「聞いて理解する脳」と「話す脳」を一発で見分けるコツ
看護師国家試験 第115回 午後 第13問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
感覚性言語中枢はどれか。
- 1.視覚野
- 2.体性感覚野
- 3.Broca〈ブローカ〉野
- 4.Wernicke〈ウェルニッケ〉野
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
言語中枢の機能局在を問う問題。「感覚性=聞いて理解する=Wernicke野(側頭葉)」「運動性=話す=Broca野(前頭葉)」の対比をしっかり区別できるかがカギ。
解答・解説
正解は4です
問題文:感覚性言語中枢はどれか。
解説:正解は 4 です。感覚性言語中枢はWernicke〈ウェルニッケ〉野と呼ばれ、優位半球(多くの場合は左半球)の側頭葉上側、上側頭回後部(ブロードマンの22野付近)に位置します。この領域は耳から入った言葉の音を「意味のある言語」として理解する役割を担い、相手の話した内容や文章を読んだ際の言語理解の中核を成します。Wernicke野が損傷されると、聞こえてはいるが意味が理解できない「感覚性失語(Wernicke失語)」が生じ、本人の発話は流暢でなめらかであっても、内容が意味不明で錯語(言い間違い)が混じる特徴を示します。
選択肢考察
- ×1. 視覚野
視覚野は後頭葉(ブロードマン17野など)に位置し、網膜から入力された光情報を像として処理する一次感覚野である。文字を「見る」段階には関わるが、言語そのものを理解する中枢ではない。
- ×2. 体性感覚野
体性感覚野は中心溝後方の頭頂葉(中心後回)に位置し、触覚・痛覚・温度覚・深部感覚など全身の体性感覚を処理する。言語の理解や産生には直接関与しない。
- ×3. Broca〈ブローカ〉野
Broca野は優位半球の前頭葉下部(下前頭回後部、ブロードマン44・45野)にあり、運動性言語中枢と呼ばれる。発話に必要な口や舌の運動プログラムを司り、損傷では「言いたいことはわかっているのに言葉が出にくい」非流暢な運動性失語をきたす。感覚性ではない。
- ○4. Wernicke〈ウェルニッケ〉野
Wernicke野は優位半球の側頭葉上側(上側頭回後部、ブロードマン22野付近)にある感覚性言語中枢で、聞いた音声や読んだ文字を意味のある言語として解釈する役割を担う。損傷時には流暢ではあるが内容が支離滅裂な感覚性失語が出現する。
Broca野とWernicke野は、優位半球(右利きの約95%、左利きでも約7割が左半球)に存在し、両者は弓状束(arcuate fasciculus)という神経線維束で連結されている。この経路が障害されると、聞いて理解もでき発話もできるが「復唱」だけが障害される伝導失語が生じる。臨床では失語のタイプを「流暢性」「理解」「復唱」の3軸で評価すると整理しやすく、Wernicke失語は流暢◯・理解×・復唱×、Broca失語は流暢×・理解◯・復唱×、伝導失語は流暢◯・理解◯・復唱×という鑑別になる。脳血管障害(特に中大脳動脈領域の梗塞)で頻繁にみられ、看護では患者の言葉が出ない・通じない原因をアセスメントし、絵カードやジェスチャー、yes/noで答えられる閉じた質問の活用など、失語タイプに応じたコミュニケーション支援が求められる。
言語中枢の機能局在を問う問題。「感覚性=聞いて理解する=Wernicke野(側頭葉)」「運動性=話す=Broca野(前頭葉)」の対比をしっかり区別できるかがカギ。
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