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内臓はどんなときに痛むのか

看護師国家試験 第104午後26

国試問題にチャレンジ

104午後26

内臓痛が生じるのはどれか。

  1. 1.臓器の切開
  2. 2.管腔臓器の受動的な過伸展
  3. 3.細胞内カリウムイオン濃度の上昇
  4. 4.細胞外ナトリウムイオン濃度の上昇

対話形式の解説

博士博士
今日は内臓痛が生じるしくみを学ぶぞい。
サクラサクラ
内臓って切られても痛みを感じないんですか?
博士博士
そうなんじゃ。胃や腸のような管腔臓器は鋭い痛みの感覚を持ちにくく、メスで切っても直接の痛みはほとんどないんじゃ。
サクラサクラ
では何で痛みが出るんでしょう。
博士博士
主には受動的な過伸展、過収縮、虚血、炎症じゃ。腸閉塞でガスや内容物が溜まり腸管が引き伸ばされると、強い疝痛が出るのが代表例じゃな。
サクラサクラ
胆石や尿管結石もそうですね。
博士博士
その通り。結石で胆管や尿管が詰まり、内圧が高まると壁が伸ばされて痛むんじゃ。月経時の子宮収縮も同じ機序じゃよ。
サクラサクラ
痛みの場所がはっきりしないことがあるのはなぜですか?
博士博士
内臓は脊髄に入る神経が体性神経と同じ高さに合流するため、脳が皮膚痛と勘違いするんじゃ。これを関連痛というのう。
サクラサクラ
心筋梗塞で左肩が痛くなるのもそれですか?
博士博士
その通り。胆石なら右肩、虫垂炎の初期は臍周囲に感じるなど、関連痛のパターンを覚えておくと役立つぞい。
サクラサクラ
イオン濃度の上昇は痛みと関係ないんですか?
博士博士
選択肢にあるカリウム細胞内上昇やナトリウム細胞外上昇は生理的な状態に近く、それ自体が直接内臓痛を起こすわけではないんじゃ。
サクラサクラ
切るより伸ばすほうが痛いというのは意外でした。

POINT

内臓痛が機械的切開ではなく管腔臓器の伸展や収縮で生じるという発生機序を理解しているかを問う問題です。

解答・解説

正解は2です

問題文:内臓痛が生じるのはどれか。

解説:正解は 2 です。管腔臓器は切開や穿刺といった機械的損傷では痛みを生じにくく、受動的な過伸展や平滑筋の過収縮、虚血、炎症性化学物質によって自由神経終末が刺激されると内臓痛として知覚されます。

選択肢考察

  1. ×1.  臓器の切開

    胃や腸などの管腔臓器そのものを切る・刺すといった刺激では内臓痛はほとんど発生しません。手術で感じる痛みは主に皮膚や筋膜・腹膜など体性組織由来です。

  2. 2.  管腔臓器の受動的な過伸展

    腸閉塞や胆石発作、尿管結石、子宮収縮など、管腔が異常に伸展されると壁内の自由神経終末が刺激され、典型的な疝痛・鈍痛として内臓痛が生じます。

  3. ×3.  細胞内カリウムイオン濃度の上昇

    細胞内のカリウム濃度が高いのは生理的な状態であり、これ自体が内臓痛の発生機序ではありません。

  4. ×4.  細胞外ナトリウムイオン濃度の上昇

    細胞外液中のナトリウム濃度上昇は通常の電解質状態に近く、これによって直接内臓痛が発生するわけではありません。

痛みは大きく体性痛・内臓痛・神経障害性痛に分類されます。内臓痛は局在が不明瞭でしばしば関連痛として離れた皮膚に投射されるのが特徴です。例えば心筋梗塞での左肩や下顎への放散痛、胆石発作での右肩への放散痛などが知られています。

内臓痛が機械的切開ではなく管腔臓器の伸展や収縮で生じるという発生機序を理解しているかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。