HIV感染症の基礎知識を整理しよう
看護師国家試験 第104回 午後 第31問
国試問題にチャレンジ
ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症(human immunodeficiency virus infection)で正しいのはどれか。
- 1.経皮感染する。
- 2.無症候期がある。
- 3.DNAウイルスによる。
- 4.血液中のB細胞に感染する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
HIV感染症の自然経過、感染経路、ウイルス分類、標的細胞という基本知識を正確に区別できるかを問う問題です。
解答・解説
正解は2です
問題文:ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症(human immunodeficiency virus infection)で正しいのはどれか。
解説:正解は 2 です。HIV感染後はおよそ数年から十年程度にわたる無症候期(臨床的潜伏期)があり、自覚症状がないままウイルスがCD4陽性T細胞を中心に増殖していきます。この期間に発見し抗レトロウイルス療法(ART)を導入することが、AIDS発症を防ぐうえで決定的に重要です。
選択肢考察
- ×1. 経皮感染する。
HIVの主な感染経路は性的接触、血液(針刺しや輸血、注射器の共用)、母子感染(経胎盤・産道・母乳)の三つで、健常な皮膚を介しての感染は成立しません。経皮感染するのは疥癬や白癬などの皮膚寄生虫・真菌が代表で、HIVには当てはまりません。
- ○2. 無症候期がある。
急性感染期に伴うインフルエンザ様症状が消失したあと、無症候期に移行し平均で約8〜10年続きます。この間もウイルスは持続的に複製されCD4数は徐々に低下するため、定期的なフォローと早期治療が予後を左右します。
- ×3. DNAウイルスによる。
HIVはレトロウイルス科に属する一本鎖RNAウイルスです。逆転写酵素により自己のRNAをDNAに変換し宿主ゲノムへ組み込む点が特徴で、この性質を標的とした逆転写酵素阻害薬がARTの基本薬として用いられます。
- ×4. 血液中のB細胞に感染する。
HIVが結合する受容体はCD4分子と補助受容体CCR5またはCXCR4で、主な標的細胞はヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)、マクロファージ、樹状細胞です。B細胞は抗体産生を担う細胞でHIVの主標的ではありません。
AIDS指標疾患はニューモシスチス肺炎、カポジ肉腫、サイトメガロウイルス感染症など23疾患が定められています。CD4数200/μL未満は日和見感染リスクが高まる目安で、ART開始の重要な指標になります。針刺し事故時はCDC指針に沿って2時間以内のPEP(曝露後予防内服)開始が推奨されます。
HIV感染症の自然経過、感染経路、ウイルス分類、標的細胞という基本知識を正確に区別できるかを問う問題です。
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