脊髄損傷者の褥瘡悪化予防
看護師国家試験 第104回 午後 第114問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
Aさん(35歳、男性、建設業)は、両親と3人で暮らしている。3年前の仕事中に屋根から転落して、第12胸髄を損傷した。1か月前から車で作業所に通い、作業中はほとんど車椅子に座っている。週1回の訪問看護を利用している。
訪問時、仙骨部に軽度の発赤を認めた。 褥瘡悪化予防のためにAさんに勧める内容で最も適切なのはどれか。
- 1.仙骨部のマッサージを行う。
- 2.リクライニング式の車椅子を利用する。
- 3.作業中にプッシュアップ動作を取り入れる。
- 4.座るときは膝関節と股関節を60度に曲げる。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
対麻痺で長時間車椅子生活の患者に対する褥瘡悪化予防の基本動作を問う問題です。除圧の概念とプッシュアップの理解が問われます。
解答・解説
正解は3です
問題文:訪問時、仙骨部に軽度の発赤を認めた。 褥瘡悪化予防のためにAさんに勧める内容で最も適切なのはどれか。
解説:正解は 3 のプッシュアップ動作の取り入れです。第12胸髄損傷で下肢感覚が麻痺し長時間車椅子座位を続けるAさんは、仙骨部に持続的圧迫がかかる典型的な褥瘡好発状態にあります。一定時間ごとに上肢で身体を持ち上げて臀部の除圧を行うプッシュアップ動作は、座位生活者の褥瘡悪化予防の基本かつ最も実践的な方法です。
選択肢考察
- ×1. 仙骨部のマッサージを行う。
発赤部位へのマッサージはかつて推奨されていましたが、現在は禁忌です。脆弱化した毛細血管や皮下組織を機械的に損傷し、皮膚剥離や深部組織損傷を悪化させる危険があるため行いません。
- ×2. リクライニング式の車椅子を利用する。
リクライニングだけでは仙骨部の圧迫は十分軽減されず、ずれ力が増して逆に悪化する可能性もあります。Aさんは座位保持能力があり、自立度や筋力を低下させる懸念もあるため第一選択にはなりません。
- ○3. 作業中にプッシュアップ動作を取り入れる。
肘掛けに両手をついて臀部を浮かせるプッシュアップは、仙骨・坐骨部の圧を確実に解放し血流を再開させます。下肢感覚が乏しいAさんでは時間を決めて15〜30分毎など定期的に行うことが推奨されます。
- ×4. 座るときは膝関節と股関節を60度に曲げる。
車椅子での適切な座位姿勢は膝関節・股関節とも90度です。60度では仙骨座りに近づき仙骨部圧迫とずれが増し、褥瘡を悪化させる姿勢となります。
褥瘡予防の基本は除圧、ずれ予防、皮膚観察、栄養管理、湿潤管理です。脊髄損傷者では感覚麻痺により痛みのサインを自覚できないため、時間を決めた除圧行動が必須です。プッシュアップが困難な場合は、前傾やサイドリーンによる体重移動も有効です。クッションは体圧分散効果のあるエアセルやゲル素材を選択し、円座は局所圧迫を生むため避けます。
対麻痺で長時間車椅子生活の患者に対する褥瘡悪化予防の基本動作を問う問題です。除圧の概念とプッシュアップの理解が問われます。
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