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間欠的自己導尿のセルフケア指導

看護師国家試験 第104午後115(状況設定問題)

国試問題にチャレンジ

104午後115

状況設定

Aさん(35歳、男性、建設業)は、両親と3人で暮らしている。3年前の仕事中に屋根から転落して、第12胸髄を損傷した。1か月前から車で作業所に通い、作業中はほとんど車椅子に座っている。週1回の訪問看護を利用している。

Aさんは繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を行っている。排尿のセルフケアの指導として最も適切なのはどれか。

  1. 1.24時間の蓄尿を勧める。
  2. 2.カテーテルの挿入は無菌操作で行う。
  3. 3.急に発熱した場合は医師に連絡する。
  4. 4.カテーテルを保管するケースの消毒薬は週1回交換する。

対話形式の解説

博士博士
Aさんは在宅で繰り返し使えるカテーテルで自己導尿しておるのじゃ。指導のポイントは何かのう?
サクラサクラ
病院では無菌操作なので、家でも同じですよね?
博士博士
いいや、在宅では清潔操作で行うのじゃ。手洗い、外尿道口の清拭、清潔なカテーテル使用で十分とされておる。
サクラサクラ
なぜ無菌でなくていいのですか?
博士博士
残尿を作らず短時間で排出すれば、菌が増殖する暇がないからじゃ。完全無菌は継続も困難でな。
サクラサクラ
24時間蓄尿はどうですか?
博士博士
それは間欠導尿の目的に反するぞ。膀胱内貯留時間が延びれば感染リスクが上がる。
サクラサクラ
カテーテル保管ケースの消毒液はどのくらいで交換ですか?
博士博士
毎日が原則じゃ。長くて2日に1回までで、週1回ではダメじゃ。
サクラサクラ
では発熱したらどうしますか?
博士博士
それが今回の核心じゃ。脊髄損傷者は感覚麻痺で残尿感や下腹部痛が分かりにくい。
サクラサクラ
発熱は客観的な感染サインなのですね。
博士博士
その通り。腎盂腎炎や敗血症に進む前に、早めに医師へ連絡するのじゃ。
サクラサクラ
自律神経過反射という合併症もあると聞きました。
博士博士
T6以上の損傷で見られる血圧上昇発作じゃ。今回はT12なので主な懸念は感染じゃのう。

POINT

在宅で間欠的自己導尿を行う脊髄損傷者の感染管理と異常時対応の理解を問う問題です。

解答・解説

正解は3です

問題文:Aさんは繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を行っている。排尿のセルフケアの指導として最も適切なのはどれか。

解説:正解は 3 の急な発熱があれば医師に連絡することです。脊髄損傷で間欠的自己導尿を行う在宅患者は尿路感染症のリスクが高く、感覚麻痺により残尿感や下腹部痛などの自覚症状を捉えにくい特徴があります。発熱は感染を客観的に示すサインとして最も信頼でき、早期受診を促す指導が最も適切です。

選択肢考察

  1. ×1.  24時間の蓄尿を勧める。

    間欠的自己導尿の目的は膀胱内に尿を長時間貯留させず感染と過伸展を防ぐことです。24時間蓄尿は持続留置と同じく感染リスクが高くなるため不要で、1回ごとの尿量管理で十分です。

  2. ×2.  カテーテルの挿入は無菌操作で行う。

    在宅自己導尿は無菌操作ではなく清潔操作で行うのが標準です。手洗いと外尿道口の清拭、清潔なカテーテル使用で十分とされ、過剰な無菌操作はコストや継続性の面でも非現実的です。

  3. 3.  急に発熱した場合は医師に連絡する。

    脊髄損傷者は感覚麻痺により尿路感染の自覚症状が乏しく、発熱は重要な早期サインです。腎盂腎炎や敗血症への移行を防ぐため、発熱時は速やかに医師に連絡し検査・治療を受けるよう指導します。

  4. ×4.  カテーテルを保管するケースの消毒薬は週1回交換する。

    カテーテル保管用の消毒液は毎日交換するのが基本で、長くても2日に1回までです。週1回では消毒効果が低下し、菌の温床となって尿路感染症のリスクを高めます。

間欠的自己導尿(CIC)は脊髄損傷者の標準的排尿管理法で、4〜6時間ごとに行い1回尿量400mL以下を目安とします。再使用カテーテルは洗浄後消毒液入りケースに保管しますが、消毒液は毎日交換します。尿混濁、悪臭、発熱、悪寒、悪寒戦慄、自律神経過反射(T6以上の損傷)などは感染や合併症のサインで早期受診が必要です。

在宅で間欠的自己導尿を行う脊髄損傷者の感染管理と異常時対応の理解を問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。