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食道癌の基本を整理しよう

看護師国家試験 第104午前86

国試問題にチャレンジ

104午前86

食道癌(esophageal cancer)について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.頸部食道に好発する。
  2. 2.放射線感受性は低い。
  3. 3.アルコール飲料は危険因子である。
  4. 4.日本では扁平上皮癌に比べて腺癌が多い。
  5. 5.ヨードを用いた内視鏡検査は早期診断に有用である。

対話形式の解説

博士博士
今日は食道癌じゃ。日本で多い組織型は何か知っとるかの?
サクラサクラ
扁平上皮癌ですよね、9割くらいと聞きました。
博士博士
その通りじゃ。欧米では腺癌が多いから対比して覚えるとよいぞ。
サクラサクラ
好発部位はどこですか?
博士博士
胸部中部食道、Mtが最多じゃ。頸部食道は少ないんじゃよ。
サクラサクラ
危険因子は何でしょうか?
博士博士
飲酒と喫煙じゃ。特にALDH2低活性で顔がすぐ赤くなるタイプはリスクが高い。
サクラサクラ
熱い飲み物もリスクですか?
博士博士
熱い飲食物の習慣的摂取もWHOで発がん性が指摘されておる。
サクラサクラ
ヨード染色の意味を教えてください。
博士博士
ルゴール液が正常粘膜のグリコーゲンと反応して茶色に染まるが、癌部は染まらず白く抜けるんじゃ。
サクラサクラ
だから早期診断に有用なんですね。
博士博士
そうじゃ。NBIなど画像強調内視鏡と組み合わせて精度が高まっておる。
サクラサクラ
放射線感受性はどうですか?
博士博士
扁平上皮癌は感受性が高く、化学放射線療法が標準治療の一つなんじゃ。
サクラサクラ
症状が出るのはいつ頃ですか?
博士博士
初期は無症状で、進行すると嚥下困難、体重減少、嗄声などが出てくるんじゃ。早期発見が極めて重要じゃぞ。

POINT

食道癌の好発部位、組織型、危険因子、放射線感受性、ヨード染色の意義を整理できているかを問う問題です。

解答・解説

正解は3です

問題文:食道癌(esophageal cancer)について正しいのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は3と5です。日本の食道癌の約9割は扁平上皮癌で、飲酒と喫煙が主な危険因子です。アセトアルデヒド分解酵素(ALDH2)の活性が低い体質では、フラッシング反応を起こしやすく食道癌のリスクが特に高いとされます。ヨード(ルゴール)染色では正常粘膜は茶褐色に染まり、癌部分は不染帯として浮かび上がるため早期診断に有用です。

選択肢考察

  1. ×1.  頸部食道に好発する。

    好発部位は胸部中部食道(Mt)で約半数を占め、次いで胸部下部食道(Lt)です。頸部食道(Ce)の癌は全体の数%にとどまります。

  2. ×2.  放射線感受性は低い。

    扁平上皮癌は放射線感受性が比較的高く、化学放射線療法(CRT)が標準治療の一つとなっています。低いという表現は誤りです。

  3. 3.  アルコール飲料は危険因子である。

    飲酒と喫煙は食道扁平上皮癌の二大危険因子です。特にALDH2低活性の人で飲酒によるリスクが顕著に上昇します。

  4. ×4.  日本では扁平上皮癌に比べて腺癌が多い。

    日本では扁平上皮癌が約90%以上を占めます。腺癌が多いのは欧米で、バレット食道を背景に下部食道に発生することが多いとされます。

  5. 5.  ヨードを用いた内視鏡検査は早期診断に有用である。

    ヨードはグリコーゲンを含む正常扁平上皮を茶色に染色しますが、癌部はグリコーゲンが減少しているため染まらず(ヨード不染帯)、微小病変の発見に有用です。

食道癌は初期症状が乏しく、進行すると嚥下時のつかえ感、体重減少、嗄声(反回神経浸潤)、胸背部痛などをきたします。治療は深達度に応じて内視鏡的切除、外科的切除(食道亜全摘+胃管再建)、化学放射線療法が選択されます。喫煙・多量飲酒・熱い飲食物・口腔咽頭癌の既往は危険因子として覚えておきましょう。

食道癌の好発部位、組織型、危険因子、放射線感受性、ヨード染色の意義を整理できているかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。