StudyNurse

吻合を持たない終動脈とはどれか

看護師国家試験 第105午前26

国試問題にチャレンジ

105午前26

血管に吻合がないのはどれか。

  1. 1.皮静脈
  2. 2.冠動脈
  3. 3.膝窩動脈
  4. 4.腸絨毛の毛細血管

対話形式の解説

博士博士
今日は血管の吻合、つまり血管同士のつながりについて学ぼう。
サクラサクラ
吻合とは具体的にどういうものですか?
博士博士
動脈同士、あるいは静脈同士が枝を出し合って互いに連絡することだ。吻合があると1本が詰まっても別ルートから血流が届く、つまり側副血行路になる。
サクラサクラ
では吻合がない血管とは?
博士博士
これを終動脈と呼ぶ。代表が冠動脈、網膜中心動脈、腎動脈、脾動脈、脳の穿通枝など。閉塞すると灌流域がそのまま壊死、つまり梗塞を起こす。
サクラサクラ
だから心筋梗塞は恐ろしいのですね。
博士博士
その通り。冠動脈の急性閉塞では数時間で心筋が壊死に向かう。治療は時間との勝負で、発症から90分以内のPCIが目標とされる。
サクラサクラ
選択肢1の皮静脈はどうですか?
博士博士
皮静脈は網目状に豊富な吻合を持つ。だから末梢静脈路確保のとき、上肢のどこかで血管を選べるし、1本が詰まっても循環は保たれる。
サクラサクラ
膝窩動脈にも吻合があるのですね。
博士博士
ある。膝関節周囲には膝動脈網という側副路があり、膝窩動脈が狭窄しても下腿への血流がある程度保たれる。
サクラサクラ
腸絨毛の毛細血管は?
博士博士
毛細血管はそもそも網状構造で相互に吻合している。腸絨毛では栄養吸収のため密な毛細血管ネットワークが絨毛中央のリンパ管を取り巻いている。
サクラサクラ
終動脈かどうかで臨床像が変わるのですね。
博士博士
そう。腎動脈閉塞は腎梗塞、脾動脈閉塞は脾梗塞、網膜中心動脈閉塞は突然の視力障害、穿通枝閉塞はラクナ梗塞というように。
サクラサクラ
逆に吻合が豊富な臓器はありますか?
博士博士
肝臓は肝動脈と門脈のデュアルサプライ、腸管は辺縁動脈弓、脳底部にはウィリス動脈輪があり、これらは側副路が豊富で虚血に強い。
サクラサクラ
慢性閉塞では側副路が育つと聞きます。
博士博士
冠動脈でもゆっくり狭窄が進むと側副血行が発達することがあるが、急性閉塞には間に合わない。だから予防と早期介入が重要なんだ。
サクラサクラ
終動脈と吻合の豊富な血管を対比して覚えるとよいですね。
博士博士
その通り。心・腎・脾・網膜・脳穿通枝=終動脈と押さえておけば、梗塞の病態理解が進むよ。

POINT

終動脈の概念と代表的な臓器(冠動脈)を理解し、吻合の有無が臨床症状に与える影響を問う問題です。

解答・解説

正解は2です

問題文:血管に吻合がないのはどれか。

解説:正解は2です。冠動脈は代表的な終動脈で、他の動脈との吻合(側副路)がほとんどなく、閉塞するとその灌流域の心筋は速やかに虚血・壊死に陥ります。これが心筋梗塞の病態です。終動脈は他に網膜中心動脈、腎動脈、脾動脈、脳の穿通枝などが知られ、これらの閉塞は梗塞(網膜動脈閉塞症、腎梗塞、脾梗塞、脳梗塞)として現れます。

選択肢考察

  1. ×1.  皮静脈

    皮静脈は網目状に広く吻合しており、末梢静脈路確保ができる多様性の源となります。1本詰まっても血流は保たれます。

  2. 2.  冠動脈

    冠動脈は機能的に他の動脈との吻合をほとんど持たない終動脈で、閉塞すると灌流域の心筋が壊死し心筋梗塞となります。

  3. ×3.  膝窩動脈

    膝窩動脈は膝関節周囲で上膝・中膝・下膝動脈などと豊富な動脈網(膝関節動脈網)を形成し、側副血行路が発達しています。

  4. ×4.  腸絨毛の毛細血管

    毛細血管網は動脈と静脈の間に網状に広がり互いに吻合しており、腸絨毛でも吸収面積を確保するため密な毛細血管ネットワークを形成しています。

終動脈は「閉塞=梗塞」に直結するため、臨床的に非常に重要です。代表的な終動脈臓器は心臓・腎臓・脾臓・網膜・脳(穿通枝レベル)などで、いずれも虚血に弱い臓器です。一方で、肝臓は肝動脈と門脈のデュアルサプライ、腸管は辺縁動脈弓、ウィリス動脈輪、肩甲骨周囲など豊富な吻合を持つ領域もあり、閉塞しても側副路で代償されやすいです。冠動脈の慢性閉塞では長期的に側副血行が発達することもありますが、急性閉塞では間に合わず梗塞となります。

終動脈の概念と代表的な臓器(冠動脈)を理解し、吻合の有無が臨床症状に与える影響を問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。