StudyNurse

膀胱留置カテーテル、成人女性の挿入長

看護師国家試験 第105午前70

国試問題にチャレンジ

105午前70

膀胱留置カテーテルの写真を以下に示す。 成人女性に膀胱留置カテーテルが挿入されている場合、体内に留置されている長さで最も適切なのはどれか。

問題画像
  1. 1.
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.
  5. 5.

対話形式の解説

博士博士
今日は膀胱留置カテーテルの実技基礎じゃ。成人男性と成人女性で尿道の長さが大きく違うから、挿入長も異なる。
サクラサクラ
博士、本問では成人女性の体内留置長として③の9cmが正解ですね。
博士博士
そのとおり。女性の尿道は約4〜5cmと短い。尿道口から挿入して尿流出を確認したあと、さらに2〜4cm進めてバルーンを膀胱内に位置させるから、体内留置長はおおむね6〜9cm、選択肢の③あたりが妥当じゃ。
サクラサクラ
なぜ尿流出を確認してからさらに進めるんですか?
博士博士
尿が流出した時点では、カテーテル先端は膀胱内に入ったがバルーン部はまだ尿道内にあることが多い。その状態でバルーンを膨らませると尿道内で膨張し、激しい疼痛と尿道損傷を招く。必ず2〜4cm進めてバルーンが完全に膀胱内に入ったことを確認してから膨らませる必要がある。
サクラサクラ
バルーンは何で膨らませるんですか?
博士博士
滅菌蒸留水10〜15mLじゃ。生理食塩水は結晶析出の原因となるため使わない。水の量はカテーテルに表示された規定量を守り、過剰注入しないこと。
サクラサクラ
成人男性の場合はどうですか?
博士博士
男性の尿道長は約16〜20cmと女性の4倍ほど長い。陰茎を頭側(臍側)に軽く牽引して尿道の生理的屈曲を伸ばしながらゆっくり挿入し、尿流出後さらに2〜4cm進める。体内留置長は20〜22cmが目安じゃ。
サクラサクラ
挿入が短すぎるとどうなりますか?
博士博士
バルーンが尿道内で膨らむと激痛、尿道損傷、血尿、将来の尿道狭窄につながる。男性では特に外尿道括約筋付近で膨らませるとダメージが大きい。
サクラサクラ
長すぎるのも問題ですか?
博士博士
そうじゃ。膀胱壁に接触すると刺激・損傷の原因になるし、尿管口を塞いで尿流出不良になることもある。膀胱壁に当たってカテーテルが折れ曲がり、ドレナージ不良になるケースもある。
サクラサクラ
挿入時の注意点は?
博士博士
無菌操作が基本じゃ。滅菌ガウン、滅菌手袋、滅菌覆布、消毒液で外尿道口周囲を清潔にし、潤滑ゼリーをたっぷり使う。痛みや抵抗が強い場合は無理に押し込まず、角度を変えたり医師に相談する。
サクラサクラ
カテーテル留置後の合併症は?
博士博士
代表的なのがCAUTI(カテーテル関連尿路感染)じゃ。細菌が上行してカテーテル留置の3日目以降に急激に発症リスクが上がる。不要な留置は避け、早期抜去が最大の予防策じゃ。
サクラサクラ
CAUTI予防バンドルには何が含まれますか?
博士博士
(1)適応の厳格な判断、(2)無菌挿入手技、(3)閉鎖式尿路系の維持、(4)採尿バッグを膀胱より低く保つ、(5)不要時の速やかな抜去、(6)毎日の必要性再評価、などじゃ。
サクラサクラ
採尿バッグを膀胱より低く保つ理由は?
博士博士
逆流を防ぐためじゃ。バッグが膀胱より高い位置にあると、尿がカテーテルを逆流して感染のリスクが高まる。移動時も必ずバッグの高さに注意する。
サクラサクラ
カテーテルはどのくらい留置できるんですか?
博士博士
シリコン製は4週間程度、ラテックス製は2週間程度が交換目安じゃ。ただし定期交換が必ずしもCAUTI予防に寄与するわけではなく、不要になれば期間に関わらず速やかに抜去する方針が重要じゃ。
サクラサクラ
解剖学的知識と感染対策をセットで学べました。
博士博士
膀胱留置カテーテルは日常的な手技じゃが、尿道損傷や感染など合併症は重大じゃ。解剖を理解して、挿入長・バルーン固定・閉鎖式尿路系・早期抜去の原則を守ることが肝じゃよ。

POINT

成人女性の膀胱留置カテーテルは尿流出確認後さらに2〜4cm進めてバルーンを固定し、体内留置長は約6〜9cmとする。

解答・解説

正解は3です

問題文:膀胱留置カテーテルの写真を以下に示す。 成人女性に膀胱留置カテーテルが挿入されている場合、体内に留置されている長さで最も適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。成人女性の尿道の長さは約4〜5cmと男性(約16〜20cm)に比べて短いのが特徴です。膀胱留置カテーテルを挿入する際は、尿道口からカテーテルを進め、尿の流出を確認したあと、さらに2〜4cm進めてバルーン(固定用風船)を膀胱内に位置させ、滅菌蒸留水10mL程度で膨らませて固定します。したがって女性の場合、体内に留置される長さは尿道長4〜5cmに追加挿入の2〜4cmを加えたおおむね6〜9cm程度となります。選択肢の中で最も適切なのは③の9cm前後が該当します。短すぎるとバルーンが尿道内で膨らんでしまい尿道損傷や疼痛を招き、長すぎると膀胱壁に接触して刺激・損傷を起こす恐れがあるため、解剖学的に適切な深さに留置することが重要です。

選択肢考察

  1. ×1.  

    誤りです。①は短すぎる位置で、バルーンが尿道内で膨らむ可能性があります。尿道内でバルーンを膨らませると激しい疼痛と尿道損傷(尿道下裂、尿失禁、尿道狭窄)を招きます。

  2. ×2.  

    誤りです。②も尿道から膀胱頸部付近に留まる長さで、成人女性の安全なバルーン固定位置には十分な深さが足りません。尿流出確認後さらに2〜4cm進める必要があります。

  3. 3.  

    正しい選択肢です。成人女性の尿道長4〜5cmに加え、尿流出確認後にさらに2〜4cm進めてバルーンを膀胱内に位置させるため、体内留置長はおおむね6〜9cmとなります。③の9cm前後が解剖学的に最も適切です。

  4. ×4.  

    誤りです。④は成人女性にとって深すぎる位置で、カテーテル先端やバルーンが膀胱壁を刺激したり、尿管口を塞いで尿流出を妨げる恐れがあります。成人男性向けの挿入長に近い深さです。

  5. ×5.  

    誤りです。⑤はさらに深すぎる位置で、成人男性(尿道長16〜20cm、留置長20〜22cm)の挿入長に相当します。女性では過剰挿入となり膀胱壁損傷や尿流出不良のリスクがあります。

膀胱留置カテーテル挿入の要点を整理します。【成人女性】尿道長4〜5cm、尿流出確認後さらに2〜4cm進めて留置、体内長6〜9cm。【成人男性】尿道長16〜20cm、陰茎を頭側に牽引しながらゆっくり挿入、尿流出確認後さらに2〜4cm進めて留置、体内長20〜22cm。【手技共通】無菌操作、バルーンは10〜15mLの滅菌蒸留水で固定(生理食塩水は結晶析出の原因となるため不可)、閉鎖式尿路系を維持、採尿バッグは膀胱より低い位置に保つ。合併症としてはCAUTI(カテーテル関連尿路感染)、尿道損傷、膀胱結石、尿道皮膚瘻などがあります。不要になったら速やかに抜去し、CAUTI予防バンドルを遵守します。

成人女性の膀胱留置カテーテルは尿流出確認後さらに2〜4cm進めてバルーンを固定し、体内留置長は約6〜9cmとする。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。