患者情報の取扱いはここまで守る!個人情報保護法と保助看法の基本
看護師国家試験 第106回 午後 第32問
国試問題にチャレンジ
患者の情報の取扱いについて正しいのはどれか。
- 1.看護師の守秘義務は医療法で規定されている。
- 2.統計的に処理された情報から患者個人を特定できる。
- 3.利用目的が明確であっても患者の情報の活用は制限される。
- 4.転院先の病院と患者の情報を共有する場合は患者の同意が必要である。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
個人情報保護法と保健師助産師看護師法における患者情報の取扱い原則を問う問題。『利用目的の範囲内でしか使えない』という制限原則と、看護師の守秘義務の根拠法が保助看法である点を押さえたい。
解答・解説
正解は3です
問題文:患者の情報の取扱いについて正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。個人情報保護法では、個人情報取扱事業者はあらかじめ本人の同意を得ずに、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならないと定められている(第18条)。医療機関における患者情報も例外ではなく、利用目的が明確であっても、その目的の範囲内でしか活用できず、目的外の利用には原則として本人の同意が必要となる。つまり「利用目的が明確だから自由に使ってよい」という意味ではなく、むしろ「利用目的の範囲内に限って使える」という制限がかかることが本問のポイントである。厚生労働省の『医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス』でも、院内掲示による利用目的の公表と、目的外利用時の同意取得が求められている。
選択肢考察
- ×1. 看護師の守秘義務は医療法で規定されている。
誤り。看護師の守秘義務の根拠法は『保健師助産師看護師法』第42条の2であり、医療法ではない。同条では正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと規定され、違反した場合は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金(告訴罪)が科される。なお医師・助産師の守秘義務は刑法第134条で規定されており、職種ごとに根拠法が異なる点に注意。
- ×2. 統計的に処理された情報から患者個人を特定できる。
誤り。統計的に処理され集団として集計された情報は、個人を識別できる記述が取り除かれているため、そこから特定の個人を割り出すことはできない。そのため統計情報は個人情報保護法上の『個人情報』には該当せず、本人同意なく学術発表や公衆衛生統計に利用できる。
- ○3. 利用目的が明確であっても患者の情報の活用は制限される。
正しい。個人情報保護法では、あらかじめ特定・公表した利用目的の範囲内でしか個人情報を取り扱ってはならず、目的外利用には原則として本人の同意が必要とされている。したがって利用目的が明確であっても、その範囲を超える活用は制限される。医療現場では院内掲示で利用目的を公表していても、研究利用やマーケティング目的など範囲外の利用には追加の同意が必要となる。
- ×4. 転院先の病院と患者の情報を共有する場合は患者の同意が必要である。
誤り(本問の公式正解との関係では不適当)。転院時に診療情報提供書などで患者情報を共有する行為は、『診療の継続のため』の目的であり、厚労省ガイダンスでは院内掲示等で利用目的を公表しておくことで、患者の黙示の同意があるものと扱える。もちろん患者が拒否している場合には共有できないが、『一律に個別の明示的同意が必須』と断定するのは誤りであり、選択肢3のほうがより正確な記述となる。
医療情報の取扱いに関する法律・ガイドラインを整理しておこう。 ・個人情報保護法:利用目的の特定・公表、目的内利用の原則、第三者提供時の同意(例外あり)を定める。 ・保健師助産師看護師法第42条の2:看護師等の守秘義務。離職後も継続する。 ・刑法第134条:医師・薬剤師・助産師等の守秘義務(看護師は対象外)。 ・医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(厚労省):院内掲示による利用目的の公表、他医療機関との情報共有の考え方などを具体的に示す。 転院・紹介に伴う診療情報提供は『診療の継続』に該当し、院内掲示で目的を公表していれば黙示の同意として扱える点は頻出論点である。
個人情報保護法と保健師助産師看護師法における患者情報の取扱い原則を問う問題。『利用目的の範囲内でしか使えない』という制限原則と、看護師の守秘義務の根拠法が保助看法である点を押さえたい。
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