ホメオスタシスの番人は誰だ?―内部環境を守る受容器を見抜く
看護師国家試験 第106回 午後 第71問
国試問題にチャレンジ
ホメオスタシスに関与するのはどれか。2つ選べ。
- 1.味蕾
- 2.筋紡錘
- 3.痛覚受容器
- 4.浸透圧受容器
- 5.中枢化学受容体
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
「ホメオスタシス=内部環境の恒常性維持」という定義から、外部刺激を伝える感覚受容器(味蕾・痛覚・筋紡錘)と、内部環境を感知する受容器(浸透圧・化学受容体)を区別できるかを問う問題。
解答・解説
正解は4です
問題文:ホメオスタシスに関与するのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 4 と 5 です。ホメオスタシス(恒常性)とは、外部環境がどのように変化しても、体温・血漿浸透圧・血液ガス・血糖・pHといった内部環境を一定範囲内に保とうとする生体の働きで、自律神経系と内分泌系を介した負のフィードバック機構によって維持されています。浸透圧受容器は視床下部に存在し、血漿浸透圧の上昇を感知すると下垂体後葉からバソプレシン(ADH)を分泌させて腎臓での水再吸収を高め、血漿浸透圧を一定に保ちます。中枢化学受容体は延髄腹側にあり、脳脊髄液のpH低下(=PaCO2上昇)を感知して換気量を増やし、動脈血二酸化炭素分圧を一定範囲に保ちます。どちらも内部環境を一定に保つ代表的なセンサーであるためホメオスタシスに関与します。
選択肢考察
- ×1. 味蕾
味蕾は舌に存在する味覚の化学受容器。甘味・塩味・酸味・苦味・うま味を感知し大脳皮質の味覚野に伝えるが、内部環境の恒常性維持には直接関与しない。
- ×2. 筋紡錘
筋紡錘は骨格筋内にある伸張受容器で、筋長の変化を検知して伸張反射などを起こす。運動調節や姿勢保持には関わるが内部環境の恒常性には関与しない。
- ×3. 痛覚受容器
痛覚受容器(侵害受容器)は組織損傷を伝える自由神経終末。危険を知らせる感覚であり、血漿浸透圧や血液ガスなどの内部環境調節には関与しない。
- ○4. 浸透圧受容器
視床下部の浸透圧受容器は血漿浸透圧の変化を感知し、バソプレシン分泌と口渇感を介して体液量・浸透圧を一定に保つ。ホメオスタシスの代表的な受容器。
- ○5. 中枢化学受容体
延髄の中枢化学受容体は脳脊髄液のpH(=PaCO2)を感知し、呼吸中枢を介して換気量を調節する。血液ガスとpHの恒常性維持に不可欠である。
ホメオスタシスのセンサーとして押さえておきたいのは、①視床下部の浸透圧受容器(水・Na調節)、②延髄の中枢化学受容体(CO2・pH調節)、③頸動脈小体・大動脈小体の末梢化学受容器(O2・CO2・pH)、④大動脈弓・頸動脈洞の圧受容器(血圧調節)、⑤視床下部の温度受容器(体温調節)。出力系としては自律神経系と内分泌系(特に視床下部‐下垂体系)が働き、ほとんどが負のフィードバックで制御されている点が重要。
「ホメオスタシス=内部環境の恒常性維持」という定義から、外部刺激を伝える感覚受容器(味蕾・痛覚・筋紡錘)と、内部環境を感知する受容器(浸透圧・化学受容体)を区別できるかを問う問題。
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