急性vs慢性―炎症の主役を見分ける病理学の基本
看護師国家試験 第106回 午後 第74問
国試問題にチャレンジ
急性炎症と比較して慢性炎症に特徴的な所見はどれか。2つ選べ。
- 1.好中球浸潤
- 2.CRPの上昇
- 3.リンパ球浸潤
- 4.形質細胞の浸潤
- 5.血管透過性の亢進
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
急性炎症と慢性炎症で浸潤細胞が違うことを理解しているかを問う問題。『急性=好中球+血管透過性亢進、慢性=リンパ球・形質細胞・マクロファージ+線維化』という対比を押さえる。
解答・解説
正解は3です
問題文:急性炎症と比較して慢性炎症に特徴的な所見はどれか。2つ選べ。
解説:正解は 3 と 4 です。炎症は有害刺激に対する生体防御反応で、経過により急性炎症(数時間〜数週間)と慢性炎症(数週間〜数年)に分けられます。急性炎症では血管透過性亢進による浸出、好中球浸潤、発赤・腫脹・熱感・疼痛・機能障害の五徴候が主体となります。一方、慢性炎症では組織への浸潤細胞が変化し、リンパ球・形質細胞・マクロファージが主役となり、肉芽組織の形成や線維化を伴うのが特徴です。形質細胞はB細胞が抗原刺激とヘルパーT細胞の補助で最終分化し抗体を産生する細胞で、長期の免疫応答=慢性炎症の場でよく見られます。
選択肢考察
- ×1. 好中球浸潤
好中球は血中最多の白血球で、感染・組織傷害に真っ先に反応する急性炎症の主役。数時間以内に炎症局所へ遊走し貪食を行う。慢性炎症では主役ではない。
- ×2. CRPの上昇
CRP(C反応性蛋白)は肝臓で産生される急性期蛋白で、急性炎症で著明に上昇するが慢性炎症でも軽度上昇する。急性・慢性を区別する特異的所見ではない。
- ○3. リンパ球浸潤
リンパ球(T細胞・B細胞)浸潤は慢性炎症の代表的組織像。抗原特異的な獲得免疫が長期に作用する際に集積する。
- ○4. 形質細胞の浸潤
形質細胞はB細胞が分化した抗体産生細胞で、長期の免疫応答により慢性炎症巣に集積する。自己免疫疾患や慢性感染でも顕著。
- ×5. 血管透過性の亢進
ヒスタミン・ブラジキニンなどの化学伝達物質による血管透過性亢進は急性炎症の典型所見で、浮腫や滲出液を生じる原因。慢性炎症の特徴ではない。
急性炎症の五徴候(発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害)は血管拡張と血管透過性亢進、好中球浸潤で説明できる。一方、慢性炎症は『単核球(リンパ球・形質細胞・マクロファージ)浸潤、組織破壊と修復(線維化・肉芽組織)の同時進行』が病理学的キーワード。肉芽腫性炎症(結核・サルコイドーシスなど)では類上皮細胞とラングハンス巨細胞が特徴的に出現する。CRPは両者で上昇し得るが、慢性炎症の評価には赤沈(ESR)や血清アルブミン低下なども参考になる。
急性炎症と慢性炎症で浸潤細胞が違うことを理解しているかを問う問題。『急性=好中球+血管透過性亢進、慢性=リンパ球・形質細胞・マクロファージ+線維化』という対比を押さえる。
「免疫・血液・感染」の関連問題
ABO式血液型のオモテ検査とウラ検査――凝集パターンからAB型を見抜く
ABO式血液型判定における『オモテ検査(赤血球抗原を抗A・抗B血清で調べる)』と『ウラ検査(血清中の規則抗体をA型・B型既知血球で調べる)』の凝集パターンを正しく読み取れるかを問う問題。AB型は『オモテ両方+/ウラ両方-』が特徴である。
115回
体液のコンパートメント整理 〜間質液・血漿・細胞内液を見分けよう〜
体液は体重の約60%を占め、細胞内液(約2/3)と細胞外液(約1/3)に分けられ、血漿・間質液・リンパ液はいずれも細胞外液に属します。
115回
膿の正体は何?急性炎症の主役・好中球を理解する
急性炎症と慢性炎症の中心細胞、および各白血球の機能を区別する問題。「化膿性=好中球」がキーワード。
114回
Ⅰ〜Ⅳ型アレルギー|代表疾患を一気に整理
アレルギーの分類と代表疾患の対応を問う頻出問題。Ⅱ型=細胞傷害型=ITP・AIHA・不適合輸血・バセドウ病、と整理して暗記。
114回
血を固める職人たち!凝固因子と紛らわしい仲間の見分け方
凝固因子(フィブリノゲン・トロンボプラスチン)と、それと混同しやすいエリスロポエチン(造血ホルモン)、ウロビリノゲン(胆汁色素代謝産物)、プラスミノゲン(線溶系)を識別する問題。
114回
