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蚊が運ぶ感染症はどれ?ズーノーシスを媒介生物で整理

看護師国家試験 第106午前76

国試問題にチャレンジ

106午前76

人獣共通感染症で蚊が媒介するのはどれか。

  1. 1.Q熱( Q fever )
  2. 2.黄熱( yellow fever )
  3. 3.狂犬病( rabies )
  4. 4.オウム病( psittacosis )
  5. 5.重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉( severe fever with thrombocytopenia syndrome )

対話形式の解説

博士博士
今日は人獣共通感染症、通称ズーノーシスじゃ。人と動物の間で自然に感染する病気のことじゃ。
サクラサクラ
ズーノーシス…聞いたことあります。何種類くらいあるんですか?
博士博士
世界で約200種類と言われておる。WHOも重要課題と位置づけておるぞ。
サクラサクラ
問題を見ると、蚊が媒介するのはどれかって聞かれてます。えーと、Q熱、黄熱、狂犬病、オウム病、SFTS…
博士博士
よし、一つずつ媒介生物を整理していこう。
サクラサクラ
Q熱は…動物の糞とかじゃないですか?
博士博士
その通り。Coxiella burnetiiという細菌が感染した家畜(ヤギ・ヒツジ・ウシ)の尿・糞・胎盤から乾燥して空気中に舞う。それを吸って感染する。蚊じゃないのう。
サクラサクラ
黄熱は熱帯地域の病気ですよね?
博士博士
うむ。黄熱ウイルスがネッタイシマカなどの蚊で媒介される。アフリカ・中南米の熱帯で流行し、致死率は重症型で30〜60%にもなる。
サクラサクラ
それで黄疸が出るから黄熱なんですか?
博士博士
正解!肝障害による黄疸じゃ。頭痛・発熱・筋痛・出血傾向も出る。
サクラサクラ
予防法はありますか?
博士博士
あるぞ!黄熱ワクチンじゃ。流行地への渡航時にはイエローカードと呼ばれる接種証明が求められる。
サクラサクラ
狂犬病は?
博士博士
狂犬病ウイルスで、イヌ・コウモリ・ネコなどに咬まれることで感染。発症すればほぼ100%死亡する恐ろしい病気じゃ。ワクチンで予防できるから、流行地では咬まれたら速やかにワクチン接種じゃ。
サクラサクラ
オウム病は鳥類ですよね。
博士博士
その通り。オウム病クラミジアじゃな。インコ・オウム・ハトの糞便の乾燥エアロゾルや口移しで感染する。
サクラサクラ
最後のSFTSは?
博士博士
重症熱性血小板減少症候群じゃ。マダニが媒介する。日本でも西日本を中心に死亡例が出ておる。
サクラサクラ
じゃあ正解は2の黄熱ですね!
博士博士
その通り!覚え方としては、媒介生物で分類すると良い。蚊媒介は黄熱・デング熱・ジカ熱・日本脳炎・マラリア・ウエストナイル熱。
サクラサクラ
マダニは?
博士博士
SFTS・日本紅斑熱・ライム病・ツツガムシ病じゃ。ノミはペスト・発疹熱。咬傷は狂犬病。鳥糞はオウム病・鳥インフル。家畜分泌物・乳はQ熱・ブルセラ症・炭疽。
サクラサクラ
整理するとすっきりしますね!海外渡航時にはどんなワクチンが必要ですか?
博士博士
黄熱・A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病・日本脳炎・麻疹風疹などじゃ。看護師は渡航者外来でも活躍するからぜひ知っておくのじゃ。

POINT

人獣共通感染症(ズーノーシス)の中で『蚊が媒介するもの』を選ぶ問題。病原体・媒介生物・主な宿主をセットで覚えることが国試対策の鍵。

解答・解説

正解は2です

問題文:人獣共通感染症で蚊が媒介するのはどれか。

解説:正解は 2 の黄熱です。人獣共通感染症(zoonosis)とは、ヒトと脊椎動物の間で自然に感染が伝播する疾病の総称で、現在約200種類が知られています。そのうち蚊が媒介するものとしては、黄熱、デング熱、ジカ熱、ウエストナイル熱、日本脳炎、マラリア、チクングニア熱などがあります。黄熱は黄熱ウイルス(フラビウイルス属)によって起こり、アフリカ・中南米の熱帯地域で流行。サル(森林型)やヒト(都市型)を宿主とし、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)などが媒介します。発熱・頭痛・筋痛・黄疸(肝障害による)・出血傾向が主症状で、致死率は重症型で30〜60%に達することもあります。有効な治療薬はないがワクチンで予防可能であり、流行地への渡航時には接種証明(イエローカード)が求められます。

選択肢考察

  1. ×1.  Q熱( Q fever )

    誤り。Coxiella burnetii(コクシエラ・バーネッティ)という細菌(リケッチア類縁)による疾患。感染動物(ヤギ・ヒツジ・ウシなど)の尿・糞・胎盤からの菌が乾燥・エアロゾル化したものを吸入して感染する。蚊は媒介しない。

  2. 2.  黄熱( yellow fever )

    正しい。黄熱ウイルスによる蚊媒介性の人獣共通感染症。サル・ヒトを宿主とし、ネッタイシマカなどが媒介する。ワクチンによる予防が可能。

  3. ×3.  狂犬病( rabies )

    誤り。狂犬病ウイルスによる疾患で、感染動物(イヌ・コウモリ・ネコなど)の咬傷・唾液により感染する。発症すればほぼ100%死亡する恐ろしい疾患。蚊は媒介しない。

  4. ×4.  オウム病( psittacosis )

    誤り。Chlamydia psittaci(オウム病クラミジア)による感染症。インコ・オウム・ハトなどの鳥類が保菌し、糞便の乾燥エアロゾル吸入や口移しで感染する。蚊は媒介しない。

  5. ×5.  重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉( severe fever with thrombocytopenia syndrome )

    誤り。SFTSウイルスによるダニ媒介感染症。主にフタトゲチマダニなどのマダニが媒介する。蚊ではない。

媒介生物で分類して覚えると整理しやすい。【蚊媒介】黄熱・デング熱・ジカ熱・日本脳炎・マラリア・ウエストナイル熱・チクングニア熱。【マダニ媒介】SFTS・日本紅斑熱・ライム病・ツツガムシ病(ツツガムシ)。【ノミ媒介】ペスト・発疹熱。【動物の咬傷・接触】狂犬病・Bウイルス感染症・ブルセラ症。【鳥類糞由来】オウム病・鳥インフルエンザ。【家畜分泌物・乳】Q熱・ブルセラ症・炭疽。ワクチンで予防できる渡航関連疾患として、黄熱・破傷風・A型肝炎・B型肝炎・狂犬病・日本脳炎・麻疹風疹などを押さえておきたい。

人獣共通感染症(ズーノーシス)の中で『蚊が媒介するもの』を選ぶ問題。病原体・媒介生物・主な宿主をセットで覚えることが国試対策の鍵。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。