感染力最強クラス!麻疹の国試ポイントを総ざらい
看護師国家試験 第106回 午前 第86問
国試問題にチャレンジ
麻疹( measles )に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.合併症として脳炎がある。
- 2.感染力は発疹期が最も強い。
- 3.効果的な抗ウイルス薬がある。
- 4.2回のワクチン定期接種が行われている。
- 5.エンテロウイルスの感染によって発症する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
麻疹の病原体、感染力のピーク、合併症、ワクチン制度を総合的に問う問題。公衆衛生上重要な疾患として頻出。
解答・解説
正解は1です
問題文:麻疹( measles )に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 1 と 4 です。麻疹は麻疹ウイルス(パラミクソウイルス科)による急性熱性発疹性ウイルス感染症で、空気感染・飛沫感染・接触感染のすべてで伝播する極めて感染力の強い疾患である(基本再生産数R0は12〜18)。合併症として肺炎、中耳炎に加えて脳炎を1000例に0.5〜1例の頻度で合併し、さらに数年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症することもある重篤な疾患である。日本では2006年から麻疹含有ワクチン(MRワクチン)の2回定期接種制度が導入され、1期は1歳、2期は小学校就学前の1年間(5〜7歳未満)に接種されている。
選択肢考察
- ○1. 合併症として脳炎がある。
麻疹の合併症として肺炎、中耳炎、クループに加え、1000例に0.5〜1例の頻度で急性脳炎を合併する。さらに数年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症することもある。
- ×2. 感染力は発疹期が最も強い。
感染力が最も強いのは発疹出現前のカタル期(発熱・咳・鼻汁・結膜炎などのカタル症状がある時期)。発疹期に入ってからよりも、この時期の曝露で周囲への伝播が起こる。
- ×3. 効果的な抗ウイルス薬がある。
麻疹ウイルスに対する特異的な抗ウイルス薬は存在しない。治療は対症療法が中心で、ワクチンによる予防が最大の対策である。曝露後72時間以内のワクチン接種で発症予防が期待できる。
- ○4. 2回のワクチン定期接種が行われている。
日本では2006年から麻疹風疹混合(MR)ワクチンの2回定期接種制度が開始されている。1期は1歳、2期は小学校就学前の1年間に接種する。
- ×5. エンテロウイルスの感染によって発症する。
麻疹の原因病原体は麻疹ウイルス(パラミクソウイルス科モルビリウイルス属)。エンテロウイルスは手足口病・ヘルパンギーナ・急性出血性結膜炎などの原因ウイルスで別物である。
麻疹の臨床経過は①潜伏期(10〜12日)→②カタル期(発熱・咳・鼻汁・結膜炎、口腔内にコプリック斑)→③発疹期(一旦解熱した後に再発熱しながら耳後部から発疹が出現し全身へ広がる)→④回復期、の4期に分かれる。コプリック斑(頬粘膜の白色小斑点)は麻疹の早期診断に有用な特徴的所見。2015年にWHOは日本を麻疹排除国と認定したが、海外からの輸入例による散発的流行は続いている。感染対策は空気感染予防策(N95マスク、陰圧室)が必要。
麻疹の病原体、感染力のピーク、合併症、ワクチン制度を総合的に問う問題。公衆衛生上重要な疾患として頻出。
「感染症対策と予防」の関連問題
土から忍び寄る破傷風菌、その正体に迫る
細菌の生息環境と感染経路を結びつける問題であり、土壌中に芽胞として分布し創傷から感染する破傷風菌を選び出せるかが問われている。
115回
注射針はどこへ行く?看護師が知っておくべき医療廃棄物の分類ルール
医療廃棄物・産業廃棄物・一般廃棄物の処理責任者と分類の原則を問う問題。とくに「排出事業者責任」「鋭利物は特別管理産業廃棄物」「在宅医療の廃棄物も医療廃棄物として扱う」の3点が要となる。
115回
ダニが関与する感染症はどれ?疥癬とツツガムシ病をマスター(115回午前84)
ダニが直接寄生して発症する疾患(疥癬)と、ダニが病原体を媒介して発症する疾患(ツツガムシ病など)を区別して整理しているかを問う問題。
115回
N95マスクが守る命—空気感染対策の最前線を理解する
空気感染予防の標準的な防護策を問う問題。N95マスクと陰圧管理がキーワード。
114回
全身に広がる淡紅色の発疹、薔薇疹の正体は?梅毒の臨床像を読み解く
梅毒の病原体・臨床経過・予防の基本知識を問う問題。第2期に出現する薔薇疹の特徴と、細菌感染症であることを正確に押さえることがポイント。
114回
