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嘔吐で体はアルカリに傾く?酸塩基平衡を制する者が国試を制す

看護師国家試験 第107午前12 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

107午前12

頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。

  1. 1.血尿
  2. 2.低体温
  3. 3.体重増加
  4. 4.アルカローシス

対話形式の解説

博士博士
今日は嘔吐と体内のpHの関係を学ぶぞ。胃液のpHは1〜2、かなり強い酸性じゃ。
サクラサクラ
レモン汁よりずっと酸っぱいんですね。
博士博士
そうじゃ。その胃酸を体外へ大量に吐き出すとどうなる?
サクラサクラ
えっと…酸が減るから、血液はアルカリに傾く?
博士博士
正解じゃ!これを代謝性アルカローシスという。血液pHが7.45を超え、重炭酸イオンが相対的に増えるんじゃ。
サクラサクラ
じゃあ反対に下痢だとどうなるんですか?
博士博士
鋭い質問じゃ。下痢では腸液に含まれる重炭酸が失われるから、逆に代謝性アシドーシスになる。嘔吐と下痢で真逆になる、と覚えるんじゃ。
サクラサクラ
なるほど!対比で覚えやすいです。
博士博士
嘔吐ではさらに水分やNa・K・Clも失われるから、低カリウム血症や脱水も伴う。そこで輸液では生理食塩液+カリウムを入れるんじゃ。
サクラサクラ
他の選択肢、血尿・低体温・体重増加は?
博士博士
血尿は尿路系の病気の症状、低体温は寒冷や代謝低下で起こる。嘔吐で体重増加はありえんの。むしろ脱水で減るのじゃ。
サクラサクラ
確かに消去法でもアルカローシスが残りますね。
博士博士
血液ガス検査でpH上昇、HCO3-上昇なら代謝性アルカローシス。PaCO2が上昇していれば呼吸性代償がかかっている状態じゃ。
サクラサクラ
酸塩基平衡の問題、怖くなくなってきました。
博士博士
原因臓器と失う物質を考えれば一発じゃ。嘔吐=胃酸喪失=アルカローシス、下痢=HCO3喪失=アシドーシス、過換気=CO2減少=呼吸性アルカローシス、と3点セットで覚えるんじゃ。

POINT

頻回嘔吐で生じる酸塩基平衡異常を問う問題。胃酸喪失 → 代謝性アルカローシスの流れを理解しているかが核心。

解答・解説

正解は4です

問題文:頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。

解説:正解は 4 です。胃液には塩酸(HCl)が多く含まれており、pHは1〜2という強酸性。頻回に嘔吐すると、この酸性の胃液が大量に体外へ失われ、血中の水素イオン(H+)と塩化物イオン(Cl-)が減少する。相対的に重炭酸イオン(HCO3-)が過剰となり、血液pHが7.45を超えるアルカリ側に傾く代謝性アルカローシスが生じる。さらに脱水による循環血液量減少で二次的にアルドステロンが分泌され、腎でのH+排泄が進むことも代謝性アルカローシスを助長する。

選択肢考察

  1. ×1.  血尿

    血尿は尿路結石、膀胱炎、糸球体腎炎、腫瘍など腎・尿路系の異常で起こる症状で、嘔吐そのものとは直接関係しない。

  2. ×2.  低体温

    低体温は寒冷曝露や代謝低下、重症感染などで生じる。頻回嘔吐で脱水は起こるが、体温は発熱傾向または不変のことが多く、低体温が典型的に生じるわけではない。

  3. ×3.  体重増加

    嘔吐が続けば水分・電解質・栄養が失われ、むしろ体重は減少する。脱水と低栄養が問題となる。

  4. 4.  アルカローシス

    正解。胃酸(HCl)の喪失により代謝性アルカローシスが起こる。血液ガスでは pH上昇、HCO3-上昇、代償性のPaCO2上昇(呼吸性代償)がみられる。

酸塩基平衡の4分類:代謝性アシドーシス(下痢・腎不全・DKA)/代謝性アルカローシス(嘔吐・利尿薬)/呼吸性アシドーシス(COPD・呼吸抑制)/呼吸性アルカローシス(過換気)。嘔吐時はK+やCl-も失われ、低カリウム血症・低クロール血症を伴うことが多く、輸液では生理食塩液+KCl補正が基本となる。

頻回嘔吐で生じる酸塩基平衡異常を問う問題。胃酸喪失 → 代謝性アルカローシスの流れを理解しているかが核心。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。