術前に休薬すべき薬を見分けよう
看護師国家試験 第107回 午後 第15問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
出血傾向を考慮し手術前に投与の中止を検討するのはどれか。
- 1.アドレナリン
- 2.テオフィリン
- 3.ワルファリン
- 4.バンコマイシン
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
ワルファリンはビタミンK拮抗抗凝固薬で術前休薬の代表。PT-INRでモニタリングし必要に応じヘパリンへ置換する。
解答・解説
正解は3です
問題文:出血傾向を考慮し手術前に投与の中止を検討するのはどれか。
解説:正解は 3 です。ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子(II・VII・IX・X)の産生を阻害する経口抗凝固薬で、常用者では出血傾向が生じます。侵襲の大きな手術ではPT-INRが正常化するまで数日かかるため、通常術前3〜5日前に中止し、必要に応じてヘパリンへのブリッジングを行います。
選択肢考察
- ×1. アドレナリン
交感神経α・β刺激作用をもつカテコラミンで、アナフィラキシーショックや心停止時に使用します。血管収縮・心収縮力増強が主作用で出血傾向とは関連しないため、術前中止対象ではありません。
- ×2. テオフィリン
気管支拡張作用をもつキサンチン系薬剤で、気管支喘息やCOPDに用いられます。血液凝固能には影響しないため、出血傾向を理由に術前中止する薬ではありません。
- ○3. ワルファリン
ビタミンK拮抗薬で肝臓における凝固因子II・VII・IX・Xの生成を阻害します。心房細動や人工弁患者などに長期処方され、手術前は出血予防のため通常3〜5日前から中止し、必要時ヘパリンへ置換します。
- ×4. バンコマイシン
グリコペプチド系抗菌薬で、MRSAなどグラム陽性菌感染症に使用されます。副作用に腎障害やレッドマン症候群がありますが、凝固系への直接作用はなく術前中止対象ではありません。
抗血栓薬は出血リスクと血栓リスクの両方を天秤にかけて休薬を判断します。ワルファリンはPT-INRでモニタリングし、DOAC(ダビガトラン、リバーロキサバン等)は半減期が短く通常24〜48時間の休薬で済むなど薬剤ごとに管理法が異なります。アスピリンも内視鏡や大手術では原則中止されます。
ワルファリンはビタミンK拮抗抗凝固薬で術前休薬の代表。PT-INRでモニタリングし必要に応じヘパリンへ置換する。
「循環器系」の関連問題
心房細動はなぜ怖い?左心耳の血栓が脳に飛ぶメカニズムを徹底解説
心房細動の病態生理(無秩序な心房興奮・P波消失・不規則RR間隔)と、それに伴う左心房内血栓形成リスクを理解しているかを問う問題。塞栓症予防としての抗凝固療法の必要性につながる基礎知識である。
115回
動かないと血が固まる?深部静脈血栓症(DVT)とウィルヒョウの三徴を完全マスター
深部静脈血栓症の危険因子を問う問題。Virchowの三徴(血流停滞・血管内皮障害・凝固能亢進)の枠組みで考え、選択肢のうち血流停滞をもたらす因子を選ぶことがポイント。
115回
肺血栓塞栓症の手がかりはDダイマー!血栓マーカーの読み方を完全マスター
肺血栓塞栓症(PTE)を疑った際に上昇し、補助診断・除外診断として最も用いられる血液検査項目はどれかを問う問題。血栓の形成と分解の過程で生じる「Dダイマー」がキーワードである。
115回
硝酸薬の使い方と退院指導のポイント
不安定狭心症患者に対する硝酸薬(舌下錠・スプレー)の退院指導における、保管方法・発現時間・服用方法・副作用予防の正しい知識を問う問題です。
115回
MRIとペースメーカーの危険な関係 ─ 検査前確認が命を守る
電磁波・磁場を利用する検査がペースメーカーに与える影響を理解しているかを問う問題。強磁場を発生させるMRIが代表的な要確認検査である。
115回
