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在宅ストーマ患者の腹痛アセスメント

看護師国家試験 第107午後62

国試問題にチャレンジ

107午後62

Aさん( 80歳、男性 )は、20年前に大腸癌( colorectal cancer )でストーマを造設し、現在週1回の訪問看護を利用している。訪問看護師は、訪問時にAさんから「2日前から腹痛がある」と相談を受けた。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数24/分、脈拍84/分、血圧138/60mmHgである。 訪問看護師がAさんの腹痛をアセスメントするための情報で最も優先度が高いのはどれか。

  1. 1.排便の有無
  2. 2.身体活動量
  3. 3.食物の摂取状況
  4. 4.ストーマ周囲の皮膚の状態

対話形式の解説

博士博士
Aさんはストーマを20年使っている80歳男性じゃ。2日前から腹痛とのことだが、何を一番に聞くべきかのう。
サクラサクラ
腹痛となると食事や活動量も気になりますが、最優先は何でしょうか。
博士博士
腹部手術後の既往がある患者で腹痛といえば、まず疑うのは癒着性腸閉塞じゃ。
サクラサクラ
なるほど。それでストーマからの排便・排ガスの有無が重要になるんですね。
博士博士
その通り。腸管の通過が止まっていれば便もガスも出なくなるからの。
サクラサクラ
呼吸数24/分というのも気になります。
博士博士
よく気づいたのう。疼痛や脱水、代謝性アシドーシスの代償で頻呼吸になることがあるのじゃ。
サクラサクラ
腹部膨満や嘔吐、金属音なども合わせて観察するとよいですね。
博士博士
そうじゃ。そして普段の排便パターンとの差を確認するのが在宅では肝要じゃ。
サクラサクラ
絞扼性イレウスだと緊急性がさらに高まりますか。
博士博士
冷汗や血圧低下、強い持続痛があれば絞扼を疑い、すぐ主治医へ連絡じゃ。
サクラサクラ
皮膚や食事内容の情報は二次的ということですね、勉強になりました。

POINT

ストーマ造設者の腹痛では、まず排便・排ガスの有無を確認してイレウスを除外するのが基本です。

解答・解説

正解は1です

問題文:Aさん( 80歳、男性 )は、20年前に大腸癌( colorectal cancer )でストーマを造設し、現在週1回の訪問看護を利用している。訪問看護師は、訪問時にAさんから「2日前から腹痛がある」と相談を受けた。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数24/分、脈拍84/分、血圧138/60mmHgである。 訪問看護師がAさんの腹痛をアセスメントするための情報で最も優先度が高いのはどれか。

解説:正解は1です。ストーマ造設後の高齢者で腹痛を訴えている場合、最も懸念されるのは腸閉塞(イレウス)であり、排便・排ガスの有無を真っ先に確認する必要があります。Aさんは腹部手術の既往があり、癒着性イレウスは術後何年経っても起こりうる合併症です。呼吸数24/分とやや頻呼吸であることも重症化の兆候を示唆しており、排便状況を把握して腸管の通過障害がないかを判断することが優先されます。

選択肢考察

  1. 1.  排便の有無

    ストーマからの便やガスの排出が止まっている場合、癒着性腸閉塞を強く疑う所見となります。腹痛の原因評価において最初に押さえるべき最優先情報です。

  2. ×2.  身体活動量

    活動量低下は便秘の背景要因として参考になりますが、急性腹痛の原因特定には間接的です。排便状況の確認より優先度は低くなります。

  3. ×3.  食物の摂取状況

    食事内容は食中毒や食事性イレウスの評価材料になりますが、まずは腸管通過状況を示す排便の有無を優先して確認する必要があります。

  4. ×4.  ストーマ周囲の皮膚の状態

    皮膚トラブルでは表在性の痛みが主となり、今回の持続する腹痛の原因として優先度は低いです。日常観察項目としては重要ですが本問の焦点ではありません。

癒着性腸閉塞のサインは、排便・排ガスの停止、腹部膨満、嘔吐、金属音様腸音などです。ストーマ保有者では普段の排便パターンを本人・家族から聞き取り、変化を素早く察知することが在宅看護の鍵になります。呼吸数増加や冷汗、脈拍上昇を伴う場合は絞扼性イレウスの可能性もあり、速やかに主治医へ連絡します。

ストーマ造設者の腹痛では、まず排便・排ガスの有無を確認してイレウスを除外するのが基本です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。