大震災2日後、避難所での心のケアは?
看護師国家試験 第107回 午前 第57問
国試問題にチャレンジ
大震災の2日後、避難所にいる成人への心理的援助で適切なのはどれか。
- 1.宗教の多様性への配慮は後で行う。
- 2.会話が途切れないように話しかける。
- 3.確証がなくても安全であると保証する。
- 4.ストレス反応に関する情報提供を行う。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
災害急性期の心理的援助で推奨される心理教育と、避けるべき過干渉・根拠なき保証・文化軽視とを区別する問題です。
解答・解説
正解は4です
問題文:大震災の2日後、避難所にいる成人への心理的援助で適切なのはどれか。
解説:正解は4の『ストレス反応に関する情報提供を行う』です。災害急性期(発災後〜1週間程度)の心理的援助の基本は『サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)』の考え方に沿うものです。不眠・食欲不振・動悸・イライラ・涙もろさ・フラッシュバック・麻痺感などは『異常な事態に対する正常な反応』であり、時間とともに軽減する可能性が高いことを伝えることで、被災者の不必要な自責感や病的視を防ぎ、自己理解と自助能力を支えます。心理教育(psychoeducation)として情報提供することは、発災早期から行える有効で害の少ない介入です。一方で確証のない安全保証、過干渉な会話、文化・宗教への軽視は害を招くため避けるべきです。
選択肢考察
- ×1. 宗教の多様性への配慮は後で行う。
災害時こそ信仰や価値観は被災者の大きな支えとなります。食事制限、祈りの時間、服装、異性との接触など、急性期から配慮する必要があり『後回し』にすべきではありません。
- ×2. 会話が途切れないように話しかける。
被災者は極度の疲労と情報過多の中にあり、過干渉はかえって負担になります。沈黙を共有する姿勢や傾聴、本人のペースの尊重が重要です。
- ×3. 確証がなくても安全であると保証する。
根拠のない安心保証はその後の余震・二次災害で裏切られた際、援助者への信頼を決定的に損ないます。『わからないことはわからない』と伝え、確かな情報のみ提供するのが原則です。
- ○4. ストレス反応に関する情報提供を行う。
急性ストレス反応は『異常な状況への正常な反応』であること、時間経過で軽快することが多いことを伝える心理教育は、PFAの中核的介入で、早期に行うべき有効な援助です。
WHOのサイコロジカル・ファーストエイド(PFA)の基本は『Look(見る)・Listen(聴く)・Link(つなぐ)』。発災後1か月以内に強い症状が続けば急性ストレス障害(ASD)、1か月以上続けば心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。災害時に積極的に感情を吐き出させる『デブリーフィング』はかえってPTSDを悪化させる可能性があり、現在は推奨されていません。高齢者・子ども・障害者・妊産婦・外国人など要配慮者への個別対応も急性期から必要です。
災害急性期の心理的援助で推奨される心理教育と、避けるべき過干渉・根拠なき保証・文化軽視とを区別する問題です。
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