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災害救助法の目的と救助内容を整理しよう

看護師国家試験 第115午前72

国試問題にチャレンジ

115午前72

災害救助法について正しいのはどれか。

  1. 1.災害障害見舞金の支給がある。
  2. 2.救助の種類に助産は含まれない。
  3. 3.救助に要する費用は国が全額負担する。
  4. 4.目的は災害を受け又は受ける恐れのある者の保護と社会の秩序の保全である。

対話形式の解説

博士博士
今日は災害救助法について勉強しよう。115回午前72問で出題された問題だね。
サクラサクラ
博士、災害救助法って災害対策基本法とどう違うんですか?よく混同しちゃいます。
博士博士
いい質問だね。災害対策基本法は災害対策の基本理念や役割分担を定めた『大枠の法律』で、災害救助法は実際に災害が起きたときの『応急救助の実施法』なんだ。1947年に制定された歴史ある法律だよ。
サクラサクラ
なるほど、役割が違うんですね。第1条の目的はどう書かれているんですか?
博士博士
『災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ること』が目的だよ。個人の保護だけでなく、社会全体の混乱を防ぐ秩序保全の両輪が大事なんだ。
サクラサクラ
選択肢4がそのまま目的の文言なんですね。では救助の種類には何が含まれるんですか?
博士博士
法第4条に列挙されていて、避難所や応急仮設住宅の供与、食品・飲料水の給与、被服・寝具の給与、医療及び助産、被災者の救出、住宅の応急修理、学用品の給与、埋葬、死体の捜索・処理、障害物の除去などたくさんあるよ。
サクラサクラ
助産も含まれるんですね!選択肢2が誤りなのが分かりました。妊産婦さんも被災すると本当に大変ですものね。
博士博士
そうだね。災害時には医療救護班が救護所で医療と助産を担うことになる。看護師にとっても重要な活動領域だよ。
サクラサクラ
費用負担はどうなっているんですか?選択肢3に『国が全額負担』とありましたが。
博士博士
これは誤りだね。まず都道府県や救助実施市が費用を支弁して、その後に国が一定割合を負担する仕組みなんだ。負担割合は都道府県の税収見込額に対する救助費の割合で変動して、最大で国が10分の9、都道府県が10分の1まで。全額国負担ではないんだよ。
サクラサクラ
段階的に国の負担が増える仕組みなんですね。災害障害見舞金は災害救助法ではないんですか?
博士博士
そう、災害障害見舞金は『災害弔慰金の支給等に関する法律』に基づく別制度だよ。自然災害で重度障害を負った人に市町村が支給する制度で、世帯主なら250万円が上限。災害救助法は応急救助、災害弔慰金法は災害後の補償と覚えておこう。
サクラサクラ
法律ごとの役割分担が見えてきました。適用基準にも何かルールがあるんですか?
博士博士
あるよ。市町村の人口区分ごとに住家滅失世帯数の基準が決まっていて、それを超える被害が発生した場合などに都道府県知事が適用を決定するんだ。応急期、概ね1か月程度の救助を担うのがこの法律の特徴だね。
サクラサクラ
中長期の生活再建はまた別の法律なんですね。
博士博士
その通り。被災者生活再建支援法が中長期の生活再建を担い、復興は災害対策基本法の枠組みで進められる。看護師としては、災害時の医療救護班派遣の根拠が災害救助法の『医療及び助産』であることをしっかり押さえておこう。
サクラサクラ
法律の役割分担と目的、救助の種類、費用負担までしっかり整理できました!

POINT

災害救助法の目的は「被災者の保護と社会の秩序の保全」であり、応急的な救助を国・自治体が連携して行う法律であることを問うています。

解答・解説

正解は4です

問題文:災害救助法について正しいのはどれか。

解説:正解は4の「目的は災害を受け又は受ける恐れのある者の保護と社会の秩序の保全である。」です。災害救助法第1条には、この法律の目的として「災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ること」と明記されています。災害救助法は1947年(昭和22年)に制定された災害応急対策の根幹をなす法律で、大規模災害が発生した際に被災者の生命・身体・財産を緊急に保護し、社会の混乱を防ぐことを目的としています。適用には人口規模に応じた住家滅失世帯数などの基準があり、都道府県知事が救助を実施します(指定都市の市長への委任も可能)。救助の種類は法第4条に列挙されており、避難所・応急仮設住宅の供与、炊き出しその他による食品の給与・飲料水の供給、被服・寝具・生活必需品の給与または貸与、医療・助産、被災者の救出、住宅の応急修理、生業に必要な資金等の貸与、学用品の給与、埋葬、死体の捜索・処理、障害物の除去など多岐にわたります。

選択肢考察

  1. ×1.  災害障害見舞金の支給がある。

    災害障害見舞金は災害救助法ではなく、「災害弔慰金の支給等に関する法律」(1973年制定)に基づく制度です。自然災害により重度の障害を受けた人に対して市町村が支給するもので、世帯主の場合250万円、その他の家族の場合125万円が上限です。災害救助法の救助内容には含まれません。

  2. ×2.  救助の種類に助産は含まれない。

    災害救助法第4条には救助の種類として「医療及び助産」が明記されており、助産は含まれます。被災地で出産を控えた妊産婦が安全に出産できるよう、助産師・医師による分娩介助や産前産後の処置、新生児の処置などが救助の対象となります。

  3. ×3.  救助に要する費用は国が全額負担する。

    救助費用はまず都道府県(または救助実施市)が支弁し、その後国が一定割合を負担します。負担割合は都道府県の普通税収入見込額に対する救助費用の割合に応じて変動し、最大で国が9割、都道府県が1割となる仕組みで、全額国負担ではありません。

  4. 4.  目的は災害を受け又は受ける恐れのある者の保護と社会の秩序の保全である。

    災害救助法第1条に定められた目的そのものを表しており正解です。被災者個人の保護と、災害による社会全体の混乱を防ぐ「秩序の保全」の二本柱を掲げており、応急救助に重点を置いた法律であることを示しています。

災害救助法は応急期(発災直後から概ね1か月程度)の救助を担い、その後の中長期的な生活再建は被災者生活再建支援法、死亡・障害への補償は災害弔慰金法、復興事業は災害対策基本法など、複数の法律で役割分担しています。看護師として押さえたいのは、医療救護班の派遣や救護所での医療・助産活動は災害救助法に基づく「医療及び助産」として位置づけられるという点です。費用負担の仕組みも頻出で、「都道府県が支弁し国が一定割合を負担」「最大10分の9まで」を覚えておきましょう。

災害救助法の目的は「被災者の保護と社会の秩序の保全」であり、応急的な救助を国・自治体が連携して行う法律であることを問うています。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。