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浮腫のメカニズムを4つの原因で整理する

看護師国家試験 第108午後14 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

108午後14

浮腫の原因となるのはどれか。

  1. 1.膠質浸透圧の上昇
  2. 2.リンパ還流の不全
  3. 3.毛細血管内圧の低下
  4. 4.毛細血管透過性の低下

対話形式の解説

博士博士
今日は浮腫が起こる仕組みについて勉強するぞ。メカニズムを理解すれば、選択肢の罠に引っかからずに済むんじゃ。
サクラサクラ
浮腫って、組織の間質に水分がたまることですよね。
博士博士
その通り。スターリングの法則で血管内と間質の水分移動が決まる。成因は大きく4つ、毛細血管内圧の上昇、膠質浸透圧の低下、透過性亢進、リンパ還流障害じゃ。
サクラサクラ
選択肢を見ると、1は膠質浸透圧の上昇、3は毛細血管内圧の低下、4は透過性の低下と、どれも浮腫を起こす方向と逆ですね。
博士博士
よく気づいた。正解は2のリンパ還流の不全じゃ。リンパ管は間質にしみ出た水分と蛋白を回収する排水路。そこが詰まると上流が氾濫する。
サクラサクラ
乳がんの腋窩リンパ節郭清後に腕がむくむのがリンパ浮腫ですね。
博士博士
その通り。子宮がんや前立腺がんの骨盤内郭清後に下肢がむくむこともある。リンパ浮腫は蛋白を多く含むので圧痕を残しにくいのが特徴じゃ。
サクラサクラ
1の膠質浸透圧はどう働くのでしたっけ?
博士博士
アルブミンなど血漿蛋白が水を血管内に引き込む力じゃ。上昇すればむしろ水が血管に戻り浮腫は改善、低下すると漏出して浮腫になる。ネフローゼや肝硬変で典型的じゃな。
サクラサクラ
3の毛細血管内圧も、上昇すれば血管から押し出す力が強まって浮腫になるわけですね。心不全の下腿浮腫がそれですか。
博士博士
その通り、うっ血性心不全では右心系のうっ滞で末梢静脈圧が上がる。逆に内圧低下は浮腫を起こさない。
サクラサクラ
4の毛細血管透過性は、亢進すると血漿成分が漏れ出て浮腫になる。炎症やアレルギーの腫れがそうですね。
博士博士
蜂窩織炎やアナフィラキシーはその代表例じゃ。低下では起こらない。
サクラサクラ
整理すると、浮腫の原因は「内圧上昇、膠質浸透圧低下、透過性亢進、リンパ還流障害」の4つ。選択肢の方向が合っているかチェックするのがコツですね。
博士博士
加えてナトリウム貯留も腎性浮腫の重要因子じゃ。左右差や圧痕の有無、朝夕変動もフィジカルアセスメントで確認するぞ。
サクラサクラ
リンパ浮腫は圧痕が残りにくい、心性は夕方に下腿、腎性は朝に顔面、というのも押さえておきます。

POINT

浮腫の4大成因を理解し、選択肢から正しい方向の変化を選べるかを問う必修問題です。

解答・解説

正解は2です

問題文:浮腫の原因となるのはどれか。

解説:正解は 2 です。浮腫とは組織間質に水分が過剰に貯留した状態を指します。スターリングの法則に基づき、毛細血管内圧の上昇、血漿膠質浸透圧の低下、毛細血管透過性の亢進、リンパ還流障害、ナトリウム貯留などが主な成因です。リンパ管は間質に漏出した水分や蛋白を回収する役割を担うため、その還流が障害されると蛋白を豊富に含んだ間質液が貯留し、リンパ浮腫が生じます。

選択肢考察

  1. ×1.  膠質浸透圧の上昇

    血漿膠質浸透圧が上昇すると、血管内に水分を引き込む力が強まるため浮腫はむしろ改善します。浮腫をきたすのは「低下」した場合です。

  2. 2.  リンパ還流の不全

    リンパ管の閉塞や郭清術後などでリンパ液の還流が障害されると、間質の水分と蛋白が回収されず貯留し、リンパ浮腫を生じます。

  3. ×3.  毛細血管内圧の低下

    毛細血管内圧が下がれば水分は血管内に引き戻されるため浮腫にはなりません。浮腫をきたすのは「上昇」した場合です。

  4. ×4.  毛細血管透過性の低下

    透過性が低下すれば血管内から間質への漏出は減り、浮腫はむしろ生じにくくなります。炎症時の透過性「亢進」が浮腫の原因となります。

浮腫の代表的疾患としては、心不全(毛細血管内圧上昇)、ネフローゼ症候群・肝硬変(低アルブミン血症による膠質浸透圧低下)、蜂窩織炎やアナフィラキシー(透過性亢進)、乳がん腋窩郭清後や子宮がん骨盤内郭清後(リンパ還流障害)などがあります。全身性浮腫と局所性浮腫を区別し、左右差や圧痕の有無、朝夕の変動を観察することが重要です。リンパ浮腫は圧痕を残しにくいのが特徴です。

浮腫の4大成因を理解し、選択肢から正しい方向の変化を選べるかを問う必修問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。