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慢性心不全の生活指導 心臓への負担を減らす工夫

看護師国家試験 第108午前47

国試問題にチャレンジ

108午前47

慢性心不全患(chronic heart failure)者の生活指導で、心臓への負担を少なくするのはどれか。

  1. 1.肺炎球菌ワクチン接種の回避
  2. 2.蛋白質を制限した食事
  3. 3.食直後の散歩
  4. 4.排泄後の休息

対話形式の解説

博士博士
今日は第108回午前47問、慢性心不全患者の生活指導の問題じゃ。慢性心不全は高齢化社会でますます増加しており、セルフケア支援が長期予後を左右するのじゃ。
サクラサクラ
博士、心不全って心臓が弱っている病気ですよね。どんなことに気をつければいいんでしょう。
博士博士
よい質問じゃ。慢性心不全では心ポンプ機能が低下して全身に血液を送り出す力が弱い状態じゃ。じゃから『心臓に余計な仕事をさせない』ことが基本方針になるのじゃよ。
サクラサクラ
選択肢を見ると、ワクチン回避、蛋白制限、食直後の散歩、排泄後の休息とありますが…。
博士博士
どれを選ぶかね。
サクラサクラ
排泄後の休息が良さそうな気がします。4番でしょうか。
博士博士
正解じゃ!正解は4の排泄後の休息じゃ。排便時の努責、つまりいきみは一時的に胸腔内圧と腹腔内圧を急激に上昇させ、血圧と心拍数を変動させる。これが心臓にとって大きな負荷になるのじゃ。
サクラサクラ
排便がそんなに心臓に影響するんですね。
博士博士
そうじゃ。ときに排便中に心筋梗塞や脳卒中を起こす症例もあるほどじゃ。じゃから便秘予防に食物繊維や水分、必要なら緩下薬を使い、排泄後は休息で循環動態を整えるのが鉄則じゃよ。
サクラサクラ
ワクチン回避はなぜ間違いなんですか?
博士博士
むしろ逆じゃ。心不全患者にとって肺炎は心不全増悪の大きな誘因になる。じゃから肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンは積極的に接種を推奨するのじゃ。
サクラサクラ
蛋白質制限はどうですか?
博士博士
心不全で制限すべきは塩分じゃ。1日6g未満が目安じゃの。蛋白質を制限するのは腎不全の指導であって、心不全では低栄養が予後を悪化させるため適切な蛋白摂取が大切じゃよ。
サクラサクラ
食直後の散歩は?
博士博士
食直後は消化のため内臓血流が増加し、心拍出量の需要が上がる。そのまま運動すると心負荷がさらに増える。食後は30分〜1時間休んでから軽い有酸素運動を行うのがよいのじゃ。
サクラサクラ
他に生活指導のポイントはありますか?
博士博士
体重を毎日測定し、1週間で2kg以上の増加があれば水分貯留のサインじゃから受診を促す。塩分制限、水分指示量遵守、禁煙、節酒、感染予防、そして心不全手帳でのセルフモニタリングが柱じゃよ。
サクラサクラ
運動は全くしてはいけないんでしょうか。
博士博士
いや、適切な強度の有酸素運動はむしろ心機能を改善する。NYHA分類で運動処方を決め、心臓リハビリテーションを活用するのが現代の標準治療じゃ。

POINT

慢性心不全患者の生活指導において、日常活動での心負荷軽減策を正しく選択できるかを問う問題です。

解答・解説

正解は4です

問題文:慢性心不全患(chronic heart failure)者の生活指導で、心臓への負担を少なくするのはどれか。

解説:正解は 4 です。排泄時の努責は一時的に胸腔内圧と腹腔内圧を急激に上昇させ、血圧や心拍数を変動させるため、心不全患者では心臓への負荷が大きくなります。排便後に休息をとることで、変動した循環動態を整え、心筋酸素需要を抑えることができるため心臓への負担軽減につながります。慢性心不全の生活指導では塩分・水分制限、適切な運動、服薬遵守、感染予防、ストレス回避が柱となり、日常活動での循環負荷を最小限に抑える工夫が長期予後を改善します。

選択肢考察

  1. ×1.  肺炎球菌ワクチン接種の回避

    慢性心不全患者は肺炎が心不全増悪の大きな誘因となるため、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンは積極的に推奨されます。回避すべきではありません。

  2. ×2.  蛋白質を制限した食事

    心不全で重要なのは塩分制限(1日6g未満が目安)と過剰な水分制限であり、蛋白質制限は基本的に不要です。むしろ低栄養は予後を悪化させるため適切な蛋白摂取が推奨されます。

  3. ×3.  食直後の散歩

    食直後は消化のため内臓血流が増加し心拍出量需要が増えます。そのまま運動すると心負荷が増大するため、食後は30分〜1時間休んでから軽い運動を行うのが原則です。

  4. 4.  排泄後の休息

    排便時の努責は血圧・心拍数を急変させ心負荷を高めます。排泄後に休息をとることで循環動態を整え、心筋酸素需要を抑えられるため心臓への負担軽減につながります。

慢性心不全の生活指導は『塩分6g未満、水分指示量遵守、体重毎日測定(2kg/週の急増注意)、禁煙・節酒、感染予防のためのワクチン接種、便秘予防と緩下薬活用、適度な有酸素運動』が基本です。心不全手帳やNYHA分類に応じた運動処方、急性増悪の早期発見のためのセルフモニタリング指導も重要となります。

慢性心不全患者の生活指導において、日常活動での心負荷軽減策を正しく選択できるかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。