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MRIとペースメーカー 強力磁場がもたらすリスクと確認の重要性

看護師国家試験 第109午前43

国試問題にチャレンジ

109午前43

ペースメーカー植込みの有無を事前に確認すべき検査はどれか。

  1. 1.超音波検査
  2. 2.エックス線撮影
  3. 3.骨シンチグラフィ
  4. 4.磁気共鳴画像〈 MRI 〉

対話形式の解説

博士博士
今日はペースメーカーを植え込んでいる患者さんが検査を受けるときに、看護師が特に注意すべき検査について話そう。
サクラサクラ
ペースメーカーって、電気で心臓を動かす医療機器ですよね。どんな検査で問題になるんですか?
博士博士
鍵は『強い磁場』じゃ。選択肢のなかでそれを使う検査はどれだかわかるかの?
サクラサクラ
磁気共鳴画像、MRIですね。テスラっていう単位の磁石を使うって習いました。
博士博士
その通り。臨床用MRIは1.5テスラや3.0テスラという非常に強い静磁場を使い、さらに高周波電磁波も照射する。従来型ペースメーカーは金属と電子回路の塊じゃから、磁場で電子回路が誤作動したり、リードが発熱して心筋を損傷したり、装置が移動することもある。
サクラサクラ
それは危険ですね…。超音波やX線、骨シンチグラフィは大丈夫なんですか?
博士博士
うむ。超音波は音波、X線は放射線、シンチは核種からのγ線を使うから、磁場は関係ない。むしろ植込み後のリード位置確認には胸部X線が欠かせないし、心エコーで心機能やペーシング状態を評価するのは日常的じゃ。
サクラサクラ
最近は条件付きMRI対応ペースメーカーもあると聞きました。
博士博士
その通り、MR-conditionalという機種が増えておる。ただし全機種が対応しているわけではなく、磁場強度や撮像部位、撮像時間に条件があり、検査前にMRIモードへの切替、検査中のモニタリング、検査後の設定戻しといった特別な手順が必要じゃ。
サクラサクラ
つまり『ペースメーカーが入っていますか?』と確認するだけでは足りないんですね。
博士博士
まさに。機種名とメーカー、植込み日、条件付きMRI対応かどうかをペースメーカー手帳やカードで確認し、循環器医や臨床工学技士と連携する必要がある。
サクラサクラ
他にMRIで注意すべき持込物はありますか?
博士博士
ICD、人工内耳、古いタイプの脳動脈瘤クリップ、体内残存の金属片、金属含有義歯、ヘアピン、磁気カード、酸素ボンベ、刺青の一部顔料など多岐にわたる。妊娠の有無も必ず確認するのじゃ。
サクラサクラ
検査室に入る前に徹底的に確認する文化が必要ですね。
博士博士
そうじゃ。MRI事故は一度起これば致命的じゃからの。チェックリストと複数人での確認、自動ドアに近づく前のメタルディテクタ通過などが広く行われておる。
サクラサクラ
看護師としては問診が最前線の安全弁ということですね。
博士博士
うむ。『体内に金属や電子機器が入っていませんか』という質問を、手術歴・既往歴を掘り下げながら具体的に尋ねる習慣が大切じゃ。

POINT

強い磁場を用いるMRIでは体内の金属・電子機器が禁忌となることを理解する。ペースメーカーを含む体内デバイスの事前確認は看護の必須事項である。

解答・解説

正解は4です

問題文:ペースメーカー植込みの有無を事前に確認すべき検査はどれか。

解説:正解は 4 です。磁気共鳴画像(MRI)は1.5〜3.0テスラという強力な静磁場と高周波電磁波を用いて画像を得る検査で、従来のペースメーカーは金属部品や電子回路が磁場により誤作動・発熱・電極移動を起こす可能性があり、原則禁忌とされていた。近年はMRI条件付きペースメーカー(MR-conditional)が普及し、特定の磁場強度・撮像条件下であれば検査可能となっているが、機種・リード・埋込年数・使用部位の制約があり、事前に機種確認・設定変更(MRIモード)・循環器医との連携が必須である。したがってペースメーカー植込みの有無を必ず事前確認すべき検査はMRIである。

選択肢考察

  1. ×1.  超音波検査

    体表から超音波(音波)を当てて画像化する検査で、磁場や放射線を用いないためペースメーカーに影響しない。むしろ心エコーはペースメーカー機能や心機能評価に日常的に用いられる。

  2. ×2.  エックス線撮影

    X線を透過させて画像化する検査で、電磁場の影響はない。ペースメーカー植込み後はむしろリード位置確認に胸部X線が必須の検査となる。

  3. ×3.  骨シンチグラフィ

    放射性同位元素を静注しγ線を検出する核医学検査で、磁場は使用しないためペースメーカーに影響しない。

  4. 4.  磁気共鳴画像〈 MRI 〉

    強力な静磁場と高周波パルスを用いるため、従来型ペースメーカーは原則禁忌。条件付きMRI対応機種でも専用プロトコルでの撮像が必要なため、事前確認が絶対に必要である。

MRI検査前にはペースメーカーのほか、ICD(植込み型除細動器)、人工内耳、脳動脈瘤クリップ(旧式)、体内残存金属片、刺青(一部顔料)、妊娠なども確認すべき重要事項である。金属製の義歯・ヘアピン・磁気カード・酸素ボンベは持ち込まず、患者の既往歴、手術歴、使用中の医療機器を漏れなく聴取する。条件付きMRI対応ペースメーカーではカード等で機種を確認し、撮像前にMRIモードへ変更、撮像中はモニタリング、検査後に元設定に戻す手順が必要となる。

強い磁場を用いるMRIでは体内の金属・電子機器が禁忌となることを理解する。ペースメーカーを含む体内デバイスの事前確認は看護の必須事項である。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。