排卵を司る司令塔 下垂体摘出がもたらす無排卵のメカニズム
看護師国家試験 第109回 午前 第48問
国試問題にチャレンジ
手術後に無排卵になるのはどれか。
- 1.脳下垂体全摘出術
- 2.単純子宮摘出術
- 3.低位前方切除術
- 4.片側卵巣切除術
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
視床下部-下垂体-卵巣軸の理解から、排卵調節の中枢である下垂体摘出が無排卵を引き起こすことを押さえる。
解答・解説
正解は1です
問題文:手術後に無排卵になるのはどれか。
解説:正解は 1 です。排卵は視床下部から放出されるGnRHが下垂体前葉を刺激し、LH・FSHなどのゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)が分泌され、卵巣の卵胞発育と排卵を制御する。この視床下部-下垂体-卵巣軸のいずれかが破綻すると排卵が停止する。下垂体全摘出術では前葉から分泌されるLH・FSH・TSH・ACTH・GH・プロラクチン全てが欠乏するため、卵巣への刺激が完全に絶たれ無排卵・無月経となる。術後はホルモン補充療法(甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、性ホルモン、場合により成長ホルモン)が生涯必要となる。
選択肢考察
- ○1. 脳下垂体全摘出術
下垂体前葉の全ホルモンが欠乏し、LH・FSHが出なくなるため卵巣刺激が途絶え無排卵・無月経となる。他のホルモンも補充が必要となる重篤な汎下垂体機能低下症となる。
- ×2. 単純子宮摘出術
子宮体のみを摘出し両側卵巣を温存する術式。月経は消失するが、卵巣機能は保たれるため排卵は続き、ホルモン分泌も正常である。
- ×3. 低位前方切除術
直腸癌に対する肛門温存手術。骨盤神経叢損傷で排尿障害や性機能障害を起こすことがあるが、生殖内分泌系には影響せず無排卵の原因にはならない。
- ×4. 片側卵巣切除術
片側の卵巣を残せば反対側の卵巣が排卵を担うため、排卵は継続する。卵巣予備能はやや低下するが無排卵にはならない。
下垂体腫瘍(下垂体腺腫が最多)では経蝶形骨洞下垂体摘出術(Hardy法)が標準的。全摘または広範囲切除では汎下垂体機能低下症となり、ACTH欠乏による副腎不全、TSH欠乏による甲状腺機能低下、ゴナドトロピン欠乏による性腺機能低下、ADH欠乏による中枢性尿崩症などを起こす。特にACTH欠乏とADH欠乏は周術期の生命予後に直結するため、術後は電解質・尿量・血糖・血圧を厳密に観察し、ヒドロコルチゾンや酢酸デスモプレシンなどの補充を行う。
視床下部-下垂体-卵巣軸の理解から、排卵調節の中枢である下垂体摘出が無排卵を引き起こすことを押さえる。
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