高齢者の性を語る:セクシュアリティとQOLの深いつながり
看護師国家試験 第109回 午前 第51問
国試問題にチャレンジ
高齢者の性について正しいのはどれか。
- 1.女性の性交痛は起こりにくくなる。
- 2.男性は性ホルモンの分泌量が保たれる。
- 3.高齢になると異性に対する羞恥心は減退する。
- 4.セクシュアリティの尊重はQOLの維持に影響する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
高齢者のセクシュアリティを「QOLに関わる人格的側面」として尊重する看護観が問われる一問。身体的変化の正しい理解とエイジズムの排除が鍵。
解答・解説
正解は4です
問題文:高齢者の性について正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。セクシュアリティとは、性別・性的指向・性自認・性的な役割や表現・身体的接触や親密さへの欲求など、人間の存在そのものに関わる広い概念である。年齢を重ねても個人のセクシュアリティは失われず、それを周囲が尊重し、羞恥心やプライバシーに配慮したケアを行うことはQOL(生活の質)の維持・向上に大きく寄与する。「高齢者に性的関心はない」という思い込み(エイジズム)を退け、本人の価値観や生き方を支えることが看護の基本姿勢となる。
選択肢考察
- ×1. 女性の性交痛は起こりにくくなる。
閉経に伴いエストロゲン分泌が低下すると、腟粘膜は萎縮し、分泌液も減少する。その結果、腟の乾燥・弾力性低下が起こり、むしろ性交痛(性交疼痛障害)は生じやすくなる。
- ×2. 男性は性ホルモンの分泌量が保たれる。
男性も加齢とともにテストステロンの分泌量は緩やかに低下する。女性ほど急激ではないが、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)として抑うつ・性欲低下・勃起機能低下などが生じうる。
- ×3. 高齢になると異性に対する羞恥心は減退する。
羞恥心は加齢により減退するとは限らず、むしろ身体の変化や機能低下を他者に見せることへの抵抗感が強まる場合もある。ケア場面では同性介助の配慮やプライバシー保護が重要である。
- ○4. セクシュアリティの尊重はQOLの維持に影響する。
セクシュアリティは人格の一部であり、年齢や健康状態にかかわらず尊重されるべきものである。尊重された関わりは自尊心・生きがい・QOLの向上につながる。
WHOはセクシュアリティを「人間の中心的側面をなすもので、性・ジェンダー・性的指向・エロティシズム・喜び・親密さ・生殖を含む」と定義している。介護・看護場面では、異性介助の回避、陰部洗浄時のプライバシー保護、パートナーとの面会時間の確保など具体的配慮が求められる。またLGBTQの高齢者への理解も、近年重視されているテーマである。
高齢者のセクシュアリティを「QOLに関わる人格的側面」として尊重する看護観が問われる一問。身体的変化の正しい理解とエイジズムの排除が鍵。
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