StudyNurse

人生会議の意味を押さえよう

看護師国家試験 第110午後43

国試問題にチャレンジ

110午後43

現在の日本の終末期医療において、患者の将来の自己決定能力の低下に備えて、患者・家族と医療者が今後の治療・療養についての気がかりや価値観を定期的に話し合って共有し、患者の意向に沿った医療を提供することが望ましいとされている。 この内容を示すのはどれか。

  1. 1.グリーフケア
  2. 2.代理意思決定の支援
  3. 3.アドバンス・ケア・プランニング
  4. 4.アドバンスディレクティブ<事前指示>の支援

対話形式の解説

博士博士
今日は終末期医療の重要概念を整理するぞい。ACPという言葉は聞いたことがあるかの?
サクラサクラ
はい、アドバンス・ケア・プランニングですよね。人生会議とも呼ばれています。
博士博士
うむ、よく知っておるのう。ACPの特徴は何じゃ?
サクラサクラ
本人と家族、医療者が繰り返し話し合い、価値観や希望する医療を共有していくプロセスです。
博士博士
そこが大事じゃ。一度決めて終わりではなく、病状や心境の変化に応じて何度でも話し合うのじゃ。
サクラサクラ
事前指示(アドバンスディレクティブ)とはどう違うのですか?
博士博士
事前指示は判断能力があるうちに具体的な医療行為の希望や代理人を文書で残す行為じゃ。ACPの中で生まれる成果物の一つといえるのう。
サクラサクラ
代理意思決定支援との違いも気になります。
博士博士
代理意思決定支援は本人が意思表示できなくなったときに、家族などが最善の選択をできるよう支える行為じゃ。時期が異なるのじゃ。
サクラサクラ
グリーフケアは?
博士博士
グリーフケアは亡くなった後、遺された家族の悲嘆に寄り添うケアじゃ。
サクラサクラ
時期で整理すると、ACPと事前指示は意思決定能力があるうちから、代理意思決定支援は能力低下時、グリーフケアは死別後ですね。
博士博士
その整理が分かりやすいのう。国試ではこの4つをまとめて聞いてくることが多いぞい。
サクラサクラ
人生会議は繰り返しのプロセスであるという点が決め手ですね。

POINT

ACP・事前指示・代理意思決定・グリーフケアという関連用語を、対象時期と目的で区別して理解しているかが問われます。

解答・解説

正解は3です

問題文:現在の日本の終末期医療において、患者の将来の自己決定能力の低下に備えて、患者・家族と医療者が今後の治療・療養についての気がかりや価値観を定期的に話し合って共有し、患者の意向に沿った医療を提供することが望ましいとされている。 この内容を示すのはどれか。

解説:正解は 3 です。アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、将来の意思決定能力の低下に備えて患者本人・家族・医療介護者が繰り返し対話を重ね、価値観や希望する医療・ケアを共有し続けるプロセスです。わが国では「人生会議」の愛称で普及が図られており、厚生労働省のガイドラインでも中核的な概念として位置づけられています。

選択肢考察

  1. ×1.  グリーフケア

    グリーフケアは大切な人を失った遺族や身近な人の悲嘆反応に寄り添い、心理社会的回復を支援する取り組みです。本人の意思決定を事前に話し合う概念ではありません。

  2. ×2.  代理意思決定の支援

    代理意思決定支援は本人が意思表示できなくなった時点で、家族など代理人が本人にとって最善の選択を行えるよう支援する行為です。事前に繰り返し話し合うプロセス全体を指す概念ではありません。

  3. 3.  アドバンス・ケア・プランニング

    ACPは本人・家族・医療介護者が、将来の医療・ケアについての価値観や希望を定期的に話し合い、共有していくプロセスです。意思決定能力が保たれている段階から繰り返し行う点が重要な特徴です。

  4. ×4.  アドバンスディレクティブ<事前指示>の支援

    事前指示は判断能力があるうちに、自らが受けたい(または受けたくない)医療行為や代理人を文書などで明示する行為で、ACPの中で生まれる成果物の一つです。「定期的に話し合い共有するプロセス」という問い方にはACPがより適合します。

ACPは単発の書面作成ではなく、病状や価値観の変化に応じて繰り返す継続的対話であることがポイントです。リビングウィル(尊厳死宣言)やDNAR指示は事前指示の具体例で、ACPの過程で話し合われる要素となります。厚労省ガイドライン「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」も併せて押さえましょう。

ACP・事前指示・代理意思決定・グリーフケアという関連用語を、対象時期と目的で区別して理解しているかが問われます。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。