大動脈瘤破裂後のショック症状を見極める
看護師国家試験 第111回 午前 第43問
国試問題にチャレンジ
解離性大動脈瘤(dissecting aortic aneurysm)の破裂直後に出血性ショック(hemorrhagic shock)となった患者の症状として正しいのはどれか。
- 1.黄疸
- 2.浮腫
- 3.顔面紅潮
- 4.呼吸不全
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
出血性ショック時に生じる身体所見を、生理学的メカニズム(組織低酸素・代謝性アシドーシスの代償)から理解できているかを問う問題です。
解答・解説
正解は4です
問題文:解離性大動脈瘤(dissecting aortic aneurysm)の破裂直後に出血性ショック(hemorrhagic shock)となった患者の症状として正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。出血性ショックは大量出血により循環血液量が減少し、組織への酸素供給が不足する循環血液量減少性ショックの代表です。末梢組織が嫌気性代謝に傾き乳酸アシドーシスを来すため、代償性に呼吸数が増加して頻呼吸・呼吸不全が出現します。また心拍出量低下を補うための頻脈、末梢血管収縮による皮膚冷感・蒼白、冷汗、尿量減少、意識障害もみられ、最終的に血圧が低下します。
選択肢考察
- ×1. 黄疸
黄疸はビリルビン代謝の障害で、肝疾患や胆道閉塞、溶血などで出現します。急性出血性ショックの直後に短時間で生じる所見ではありません。
- ×2. 浮腫
浮腫は心不全や腎不全、低アルブミン血症などで慢性的に生じます。急性出血では逆に血管内容量が減少するため、ショック直後には現れません。
- ×3. 顔面紅潮
出血性ショックでは末梢血管が収縮し、皮膚は蒼白・冷感・冷汗を呈します。顔面紅潮はアナフィラキシーや発熱・更年期症状などでみられる所見で逆の変化です。
- ○4. 呼吸不全
循環血液量減少による組織低酸素と代謝性アシドーシスを代償するため頻呼吸となり、呼吸不全を来します。出血性ショックに特徴的な初期徴候であり正解です。
ショックの5Pは『Pallor(蒼白)、Prostration(虚脱)、Perspiration(冷汗)、Pulselessness(脈拍微弱)、Pulmonary insufficiency(呼吸不全)』です。解離性大動脈瘤破裂では短時間で大量出血に至るため、緊急手術の適応となります。看護師は気道確保、大口径静脈路確保、輸液・輸血準備、バイタルと尿量の厳重モニタリングを行います。
出血性ショック時に生じる身体所見を、生理学的メカニズム(組織低酸素・代謝性アシドーシスの代償)から理解できているかを問う問題です。
「循環器系」の関連問題
心房細動はなぜ怖い?左心耳の血栓が脳に飛ぶメカニズムを徹底解説
心房細動の病態生理(無秩序な心房興奮・P波消失・不規則RR間隔)と、それに伴う左心房内血栓形成リスクを理解しているかを問う問題。塞栓症予防としての抗凝固療法の必要性につながる基礎知識である。
115回
動かないと血が固まる?深部静脈血栓症(DVT)とウィルヒョウの三徴を完全マスター
深部静脈血栓症の危険因子を問う問題。Virchowの三徴(血流停滞・血管内皮障害・凝固能亢進)の枠組みで考え、選択肢のうち血流停滞をもたらす因子を選ぶことがポイント。
115回
肺血栓塞栓症の手がかりはDダイマー!血栓マーカーの読み方を完全マスター
肺血栓塞栓症(PTE)を疑った際に上昇し、補助診断・除外診断として最も用いられる血液検査項目はどれかを問う問題。血栓の形成と分解の過程で生じる「Dダイマー」がキーワードである。
115回
硝酸薬の使い方と退院指導のポイント
不安定狭心症患者に対する硝酸薬(舌下錠・スプレー)の退院指導における、保管方法・発現時間・服用方法・副作用予防の正しい知識を問う問題です。
115回
MRIとペースメーカーの危険な関係 ─ 検査前確認が命を守る
電磁波・磁場を利用する検査がペースメーカーに与える影響を理解しているかを問う問題。強磁場を発生させるMRIが代表的な要確認検査である。
115回
