循環式浴槽とレジオネラ肺炎—エアロゾル感染のメカニズム
看護師国家試験 第112回 午後 第3問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
循環式浴槽の水質汚染で発症するのはどれか。
- 1.コレラ(cholera)
- 2.A型肝炎(hepatitis A)
- 3.レジオネラ肺炎(legionella pneumonia)
- 4.後天性免疫不全症候群<AIDS>(acquired immunodeficiency syndrome)
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
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サクラ
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博士
サクラ
博士POINT
循環式浴槽という感染源から、エアロゾル感染で肺炎を起こすレジオネラ症を選ばせる典型問題。感染経路(経口/血液/接触/飛沫/空気)の整理が鍵。
解答・解説
正解は3です
問題文:循環式浴槽の水質汚染で発症するのはどれか。
解説:正解は 3 のレジオネラ肺炎です。レジオネラ属菌(Legionella pneumophila)は土壌や淡水に広く分布するグラム陰性桿菌で、20〜50℃の水温、特に36℃前後で増殖が活発になります。循環式浴槽、温泉、加湿器、冷却塔、シャワーなどで発生したエアロゾル(微細な水滴)を吸入することで経気道感染し、肺炎を引き起こします。人から人への感染はしません。1996年の過去の厚生省通知や温泉法改正などを経て、循環水の塩素管理と定期的な配管洗浄が義務付けられています。
選択肢考察
- ×1. コレラ(cholera)
コレラはコレラ菌(Vibrio cholerae)による経口感染症で、汚染された飲食物から感染して激しい水様下痢を起こす。感染症法5類感染症。循環式浴槽とは関連しない。
- ×2. A型肝炎(hepatitis A)
A型肝炎ウイルスは糞口感染で伝播し、汚染された水や生カキなどから感染する。循環式浴槽が主な感染源となることはない。
- ○3. レジオネラ肺炎(legionella pneumonia)
循環式浴槽や温泉、加湿器、噴水などで増殖したレジオネラ属菌がエアロゾルとして吸入され肺炎を発症する。高齢者や免疫不全者で重症化しやすく、感染症法4類感染症として全数届出対象である。
- ×4. 後天性免疫不全症候群<AIDS>(acquired immunodeficiency syndrome)
HIV感染により免疫不全に至る疾患。感染経路は性行為、血液、母子感染であり、入浴や飲食では感染しない。
レジオネラ肺炎は高熱・咳・呼吸困難に加え、消化器症状や意識障害、比較的徐脈を伴うことがある点が特徴。潜伏期は2〜10日。診断には尿中抗原検査が簡便かつ迅速で、ポンティアック熱と呼ばれる軽症型も存在する。治療はニューキノロン系やマクロライド系抗菌薬を用い、βラクタム系は無効(細胞内寄生菌のため)。予防の基本は水温管理(50℃以上もしくは20℃以下)と塩素消毒、バイオフィルム除去である。国試では感染経路と感染源(エアロゾル、循環式浴槽)の組み合わせが鉄板で問われる。
循環式浴槽という感染源から、エアロゾル感染で肺炎を起こすレジオネラ症を選ばせる典型問題。感染経路(経口/血液/接触/飛沫/空気)の整理が鍵。
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