下血はどこからのサイン?消化管出血を見抜く
看護師国家試験 第112回 午前 第13問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
下血がみられる疾患はどれか。
- 1.肝囊胞(liver cyst)
- 2.大腸癌(colon cancer)
- 3.子宮体癌(uterine corpus cancer)
- 4.腎細胞癌(renal cell carcinoma)
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
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サクラPOINT
『下血=消化管由来の肛門からの出血』という定義を押さえ、選択肢の臓器が消化管かどうかを判別する問題。
解答・解説
正解は2です
問題文:下血がみられる疾患はどれか。
解説:正解は 2 の大腸癌である。下血とは消化管(口から肛門までの一本の管)からの出血が肛門から排出される現象の総称で、鮮紅色・暗赤色・黒色(タール便)まで色調は出血部位に依存する。大腸癌では腫瘍表面の脆弱な血管からの持続的な出血で血便・下血をきたし、進行すると便通異常(便秘・下痢の交代)、便の狭小化、腹痛、体重減少、貧血などを伴う。子宮体癌・腎細胞癌は消化管以外からの出血(性器出血・血尿)であり下血には該当しない。
選択肢考察
- ×1. 肝囊胞(liver cyst)
肝嚢胞は肝内に液体を貯留する袋状病変で、多くは無症状・経過観察で良い。消化管と連続しないため下血の原因にはならない。
- ○2. 大腸癌(colon cancer)
大腸癌の主な症状は下血・血便、便通異常、便の狭小化、腹痛、腹部腫瘤、貧血による倦怠感である。便潜血検査陽性は大腸癌検診の重要なスクリーニング所見。
- ×3. 子宮体癌(uterine corpus cancer)
子宮体癌の代表的症状は閉経後の不正性器出血である。出血経路は膣であり消化管由来ではないため、下血には分類されない。
- ×4. 腎細胞癌(renal cell carcinoma)
腎細胞癌は血尿・側腹部痛・腫瘤触知の三徴が古典的。出血は尿路系に出るため血尿として現れ、下血ではない。
消化管出血は上部(Treitz靭帯より口側:食道・胃・十二指腸)と下部(小腸・大腸・直腸・肛門)に分けられる。上部消化管出血では吐血(コーヒー残渣様)と下血(黒色・タール便)の両方が起こり得るが、下部消化管出血では吐血は生じず、鮮紅色〜暗赤色の血便・下血が主となる。大腸癌の好発部位はS状結腸・直腸で、右側結腸癌では貧血が前面に出て血便に気づきにくいこともある。40歳以上では便潜血検査が検診で推奨され、陽性なら大腸内視鏡での精査が標準である。
『下血=消化管由来の肛門からの出血』という定義を押さえ、選択肢の臓器が消化管かどうかを判別する問題。
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