冷たい川に飛び込むとなぜ急に冷える?熱放散4機序の決定版
看護師国家試験 第112回 午前 第77問
国試問題にチャレンジ
冷たい川に飛び込んだときに急激に体温が低下する原因で正しいのはどれか。
- 1.対流による体熱の放散
- 2.放射による体熱の放散
- 3.熱伝導による体熱の放散
- 4.代謝による熱エネルギー産生の低下
- 5.骨格筋における熱エネルギー産生の低下
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
熱放散の4機序(放射・伝導・対流・蒸発)の違いを理解し、冷水浸漬という具体的場面で主たる機序を判断できるかを問う問題。
解答・解説
正解は3です
問題文:冷たい川に飛び込んだときに急激に体温が低下する原因で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。体熱の放散経路は放射、伝導、対流、蒸発(気化)の4つに分類されます。水は空気の約25倍の熱伝導率を持つため、冷水と直接接触すると体表面から周囲の水へ熱が急速に移動し、体温が急激に低下します。これが熱伝導による体熱放散で、冷水浸漬や入水事故で低体温症が急速に進行する主因です。
選択肢考察
- ×1. 対流による体熱の放散
対流は気体や液体の移動によって熱が運ばれる現象で、扇風機の風や流れのある水によって冷却が促進される例。静止した水に飛び込んだ瞬間の急激な熱損失は伝導が主であり、対流は副次的要因。
- ×2. 放射による体熱の放散
放射は赤外線として熱が空間を伝わる現象で、周囲の壁や物体との温度差で起こる。水中では放射による熱移動は小さく、冷水浸漬時の急激な体温低下の主因ではない。
- ○3. 熱伝導による体熱の放散
伝導は接触した物質間で高温側から低温側へ熱が直接移動する現象。水の熱伝導率は空気の約25倍あり、冷水と皮膚が直接接触すると体熱が奪われる速度は空気中の比ではない。これが冷水浸漬時の急激な体温低下の主な機序である。
- ×4. 代謝による熱エネルギー産生の低下
冷刺激を受けると、むしろ体はシバリング(ふるえ)や非ふるえ熱産生により代謝を亢進させて熱を産生する。代謝低下は体温低下の原因ではなく、低体温症に伴って二次的に起こる現象である。
- ×5. 骨格筋における熱エネルギー産生の低下
寒冷刺激では骨格筋は不随意の収縮(シバリング)により熱産生を増加させる。筋熱産生の低下は長時間の低体温状態で二次的に生じる変化であり、飛び込み直後の体温低下原因ではない。
熱放散の4機序を整理すると、放射(周囲物体との赤外線による熱移動・安静時熱放散の約60%)、伝導(接触物への熱移動)、対流(流体の流れによる熱運搬)、蒸発(水分の気化に伴う気化熱)となる。水中での熱損失速度は同温の空気中の約25倍に達するとされ、水温10℃以下では数十分で低体温症に至る危険がある。低体温症の治療は濡れた衣服を除去し、毛布・温水ブランケット・加温輸液などで受動的・能動的復温を行う。深部体温30℃以下では不整脈(心室細動)のリスクが高まるため、愛護的操作が求められる。
熱放散の4機序(放射・伝導・対流・蒸発)の違いを理解し、冷水浸漬という具体的場面で主たる機序を判断できるかを問う問題。
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