緑内障の本質を知る ― 眼圧と視神経のつながり
看護師国家試験 第112回 午前 第86問
国試問題にチャレンジ
緑内障(glaucoma)について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.眼球が突出する。
- 2.視神経が萎縮する。
- 3.硝子体が混濁する。
- 4.眼底に出血がみられる。
- 5.眼圧の上昇が原因となる。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
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博士
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博士POINT
緑内障の病態(眼圧上昇→視神経萎縮→視野欠損)を理解しているかを問う。白内障との鑑別、眼底出血を伴う他疾患との違いが鍵。
解答・解説
正解は2です
問題文:緑内障(glaucoma)について正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 2 と 5 です。緑内障は、眼圧の上昇や視神経の脆弱性などにより視神経乳頭が障害され、視神経線維が脱落・萎縮することで視野が進行性に欠損する疾患。日本における中途失明原因の第1位で、40歳以上の約20人に1人が罹患する。
選択肢考察
- ×1. 眼球が突出する。
眼球突出はバセドウ病など甲状腺眼症で見られる所見で、緑内障の症状ではない。急性閉塞隅角緑内障では眼痛・頭痛・嘔気を伴うが、眼球突出は起こらない。
- ○2. 視神経が萎縮する。
眼圧上昇などで網膜神経節細胞とその軸索(視神経線維)が障害され、視神経乳頭陥凹が拡大(C/D比増大)、視神経が萎縮する。これに対応して視野欠損が進む。
- ×3. 硝子体が混濁する。
硝子体混濁はぶどう膜炎、硝子体出血、加齢性硝子体混濁などで生じるが、緑内障の主要所見ではない。
- ×4. 眼底に出血がみられる。
眼底出血は糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性、高血圧性網膜症などで見られる。緑内障でも乳頭線状出血(splinter hemorrhage)が軽微に見られることはあるが、特徴的所見ではない。
- ○5. 眼圧の上昇が原因となる。
眼圧上昇は最も重要な危険因子。正常眼圧(10〜21mmHg)でも発症する正常眼圧緑内障も存在するが、いずれにせよ眼圧下降が治療の中心。
緑内障は病型分類として、開放隅角緑内障(隅角は開いているが房水流出が障害)と閉塞隅角緑内障(隅角が狭小化・閉塞)に大別される。日本人成人で最多なのは正常眼圧緑内障(NTG)で、開放隅角型の一種。急性閉塞隅角緑内障は『眼痛・頭痛・嘔気・視力低下・充血・角膜浮腫』を呈し眼科的救急疾患で、縮瞳薬と眼圧下降薬、レーザー虹彩切開術で対応する。治療薬はPG関連薬、β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、ROCK阻害薬、α2作動薬などの点眼が中心。抗コリン薬・抗ヒスタミン薬は閉塞隅角緑内障で禁忌となる点は看護の必須知識。
緑内障の病態(眼圧上昇→視神経萎縮→視野欠損)を理解しているかを問う。白内障との鑑別、眼底出血を伴う他疾患との違いが鍵。
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