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眼底にレーザー!?網膜光凝固療法の準備と看護を完全マスター

看護師国家試験 第115午後51

国試問題にチャレンジ

115午後51

成人の眼底光凝固療法において正しいのはどれか。

  1. 1.縮瞳させる。
  2. 2.静脈麻酔を行う。
  3. 3.眼球表面を消毒する。
  4. 4.レーザー用のコンタクトレンズを装着する。

対話形式の解説

博士博士
今日は眼科の治療である「眼底光凝固療法」について学ぶぞ。糖尿病網膜症の治療として国試頻出のテーマじゃ。
サクラサクラ
眼底にレーザーを当てるって、なんだか怖いですね…全身麻酔をかけたりするんですか?
博士博士
いやいや、実はこの治療は外来で日帰りでできるんじゃ。患者さんは細隙灯顕微鏡の前に座って、点眼麻酔だけで受けられるのじゃよ。
サクラサクラ
えっ、点眼麻酔だけ?切ったりしないんですか?
博士博士
そう、皮膚も眼球も切開しない非観血的処置なのじゃ。だから外科手術のような術野消毒もいらん。レーザー光を網膜の特定部位に当てて熱で凝固させて、病変の進行を止めるという仕組みじゃ。
サクラサクラ
なるほど…でも眼底ってまぶたの奥深くですよね。どうやってレーザーを当てるんですか?
博士博士
ここがポイントじゃ!専用の「レーザー用コンタクトレンズ」を角膜に装着するのじゃ。ゴールドマン三面鏡レンズやパンファンドゥスコープと呼ばれるもので、これを使うと眼底を広く鮮明に観察でき、目標の網膜部位に正確に焦点を合わせられる。
サクラサクラ
だから選択肢4の「レーザー用のコンタクトレンズを装着する」が正解なんですね!
博士博士
その通り。ちなみに事前準備として大事なのが「散瞳」じゃ。トロピカミドなどの散瞳薬を点眼して瞳孔を広げてから始める。縮瞳させると視野が狭まって、周辺部の網膜まで照射できなくなるからのう。
サクラサクラ
じゃあ選択肢1の「縮瞳させる」は真逆で間違いってことですね。眼科の検査ってだいたい散瞳しますもんね。
博士博士
うむ。そして選択肢2の静脈麻酔は不要、選択肢3の眼球表面の消毒も標準的には行わない。点眼麻酔と散瞳、レーザーレンズ装着、これが基本セットじゃ。
サクラサクラ
どんな病気のときにこの治療をするんですか?
博士博士
代表的なのは糖尿病網膜症の汎網膜光凝固じゃ。他にも網膜静脈閉塞症、網膜裂孔の予防、加齢黄斑変性などにも行う。糖尿病患者さんが増えている今、ますます重要な治療なのじゃよ。
サクラサクラ
看護師として何に注意すればいいですか?
博士博士
いくつかあるぞ。まず散瞳のため当日の自動車運転は禁止と説明する。レーザー照射中はまぶしさで一時的に見えにくくなることも事前に伝える。術後は眼痛・視力低下・飛蚊症がないか観察し、散瞳がしばらく続くからサングラスを用意してもらうのもよい。
サクラサクラ
非観血的とはいえ、ちゃんとした術前・術後ケアが必要なんですね。患者さんが安心して治療を受けられるよう、しっかり説明できるようになりたいです。
博士博士
その姿勢が大切じゃ。「日帰りの簡単な治療」と思われがちじゃが、視機能を守る重要な治療。患者さんの不安に寄り添いながら、的確な準備と観察ができる看護師を目指すのじゃぞ。

POINT

外来で行われる網膜光凝固術の標準的な手技(散瞳・点眼麻酔・レーザー用コンタクトレンズの使用)を理解しているかを問う問題。観血的手術との違いを押さえることがカギ。

解答・解説

正解は4です

問題文:成人の眼底光凝固療法において正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。眼底光凝固療法(網膜光凝固術)は、レーザー光を網膜に照射して局所的に熱凝固を起こし、病変部位の進行を抑える治療です。糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・網膜裂孔・加齢黄斑変性などに広く用いられます。施行時は患者を細隙灯顕微鏡(スリットランプ)の前に座らせ、点眼麻酔下で角膜にゲル状のカップリング剤を塗り、専用のレーザー用コンタクトレンズ(パンファンドゥスコープやゴールドマンレンズなど)を装着します。このレンズによって眼底を広く・鮮明に観察しながら、目標部位に正確にレーザーを照射できます。観血的な切開を伴わない外来処置であるため、術前の散瞳と点眼麻酔のみで実施されるのが標準です。

選択肢考察

  1. ×1.  縮瞳させる。

    眼底を広く観察してレーザー照射部位を正確に視認する必要があるため、術前にはトロピカミドなどの散瞳薬を点眼して瞳孔を十分に広げる。縮瞳させると視野が狭まり、周辺部網膜の凝固が困難になる。

  2. ×2.  静脈麻酔を行う。

    成人では通常、点眼麻酔(オキシブプロカインなど)のみで施行可能であり、静脈麻酔は不要である。痛みが強い汎網膜光凝固などでは球後麻酔やテノン嚢下麻酔を追加することはあるが、ルーチンに静脈麻酔は行わない。

  3. ×3.  眼球表面を消毒する。

    光凝固療法は皮膚や眼球を切開しない非観血的処置であり、外科手術のような術野消毒(ポビドンヨードによる結膜嚢洗浄など)は標準的には行わない。レーザーレンズ装着時にカップリング剤を塗布する程度の準備で実施される。

  4. 4.  レーザー用のコンタクトレンズを装着する。

    眼底を観察しながら正確にレーザー光を集束させるため、専用のコンタクトレンズ(ゴールドマン三面鏡レンズやパンファンドゥスコープなど)を角膜に装着して施行する。これにより角膜の屈折を補正し、目的とする網膜部位に焦点を合わせて熱凝固を起こせる。

眼底光凝固療法の代表的適応は、糖尿病網膜症(特に増殖前〜増殖網膜症に対する汎網膜光凝固)、網膜静脈閉塞症、網膜裂孔・網膜剥離予防、加齢黄斑変性(中心窩外の病変)などである。看護のポイントとしては、(1)術前は散瞳のため当日の自動車運転は禁止、(2)術中はレーザー光のまぶしさで一時的に視力低下が生じることを説明、(3)術後は眼痛・視力低下・飛蚊症などの異常がないか観察、(4)散瞳が数時間続くため眩しさ対策にサングラスを準備、といった点が挙げられる。汎網膜光凝固では数回に分けて1000発以上の照射を行うこともあり、視野欠損や夜間視力低下が副作用となりうる。

外来で行われる網膜光凝固術の標準的な手技(散瞳・点眼麻酔・レーザー用コンタクトレンズの使用)を理解しているかを問う問題。観血的手術との違いを押さえることがカギ。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。