IADLとBADLを区別しよう
看護師国家試験 第113回 午前 第69問
国試問題にチャレンジ
Aさん(82歳、女性、要介護1)は1人で暮らしている。認知症(dementia)と診断され、週1回の訪問看護を利用することになった。訪問看護師は、Aさんが調理できなくなったので、配食サービスを導入したと介護支援専門員から情報を得た。初回訪問時に、Aさんは季節外れの服を着ており、今日の日付を答えられなかった。トイレで排泄できている。 訪問看護師が収集した情報のうち、手段的日常生活動作<IADL>はどれか。
- 1.調理ができない。
- 2.季節外れの服を着ている。
- 3.トイレで排泄できている。
- 4.今日の日付を答えられない。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
IADLとBADL、認知機能評価情報を区別して整理できるかを問う設問です。
解答・解説
正解は1です
問題文:Aさん(82歳、女性、要介護1)は1人で暮らしている。認知症(dementia)と診断され、週1回の訪問看護を利用することになった。訪問看護師は、Aさんが調理できなくなったので、配食サービスを導入したと介護支援専門員から情報を得た。初回訪問時に、Aさんは季節外れの服を着ており、今日の日付を答えられなかった。トイレで排泄できている。 訪問看護師が収集した情報のうち、手段的日常生活動作<IADL>はどれか。
解説:正解は1の調理ができないです。手段的日常生活動作(IADL:Instrumental Activities of Daily Living)は、買い物・調理・洗濯・掃除・金銭管理・服薬管理・交通機関の利用・電話対応など、社会生活を営むためのやや複雑な活動を指します。Aさんの「調理ができない」状態は典型的なIADLの低下です。
選択肢考察
- ○1. 調理ができない。
調理はLawtonのIADL尺度にも含まれる代表的な手段的日常生活動作です。配食サービス導入のきっかけとなっており、IADL低下を示す情報として適切です。
- ×2. 季節外れの服を着ている。
季節に合った衣服選択ができないのは認知症の中核症状である見当識障害や判断力低下を示す情報で、IADLの特定項目ではなく認知機能の評価情報にあたります。
- ×3. トイレで排泄できている。
排泄動作は基本的日常生活動作(BADL)に含まれます。食事・更衣・移動・入浴などと並び、生命維持に直結する基本活動のためIADLではありません。
- ×4. 今日の日付を答えられない。
日時の見当識障害を示す情報であり、認知機能評価に属します。IADL評価項目には含まれず、MMSEやHDS-Rなどの認知機能検査で扱う領域です。
一般にIADLはBADLより早期に低下するため、軽度認知障害や早期認知症のスクリーニングとしてIADL評価が重要です。Lawton IADL尺度では電話・買い物・食事の支度・家事・洗濯・交通手段・服薬・金銭管理の8項目を用います。BADLはKatz指数やBarthel指数で評価します。
IADLとBADL、認知機能評価情報を区別して整理できるかを問う設問です。
「老年看護総論・その他」の関連問題
知恵か瞬発力か?結晶性知能と流動性知能を見分けよう
結晶性知能(経験・学習で蓄積された知識を活用する能力)と流動性知能(新規場面での処理・推論能力)の違いを理解し、具体例から判別できるかを問う問題である。
115回
MMSEとHDS-Rの違いを一発で見抜く!3段階命令はどっち?
認知機能スクリーニングテストの構成項目の違いを問う問題。MMSEに特徴的な「3段階命令」を識別できるかがポイント。
115回
ICFの「活動」を見抜く――ADL自立の意味を再確認
ICFの構成要素のうち、ADLや具体的動作の遂行は「活動」に分類されることを問う基本問題です。
115回
虐待を受けた高齢者を守る 措置入所先はどこ?
高齢者虐待防止法における措置入所先として法令上想定される社会福祉施設を識別できるかを問う問題。
114回
できないことより「できること」を見る、ストレングスモデルの神髄
ストレングスモデルの定義を、エンパワメント・自己効力感・健康生成論など類似概念と区別して理解できているかを問う問題。「強みを活かす」というキーワードが解答の鍵。
114回
