StudyNurse

家族介護者への心理社会的支援

看護師国家試験 第113午前70

国試問題にチャレンジ

113午前70

Aさん(90歳、男性)は要介護3となり、長男(60歳)と同居することになった。長男は「親を介護することがこんなに大変だとは思わなかった。親が衰えてつらいと感じるのは自分だけだろうか」と訪問看護師に話した。 訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。

  1. 1.高齢者の介護方法について説明する。
  2. 2.訪問看護の時間中に長男に外出を促す。
  3. 3.Aさんの短期入所サービスの利用を勧める。
  4. 4.親の介護をしている介護者の了解を得て長男に紹介する。

対話形式の解説

博士博士
長男の発言から何が読み取れるかのう?
サクラサクラ
介護の大変さと、自分だけがつらいのではないかという孤立感が伝わってきます。
博士博士
そこが鍵じゃ。情緒的なニーズへの応答が最優先となる場面じゃ。
サクラサクラ
介護方法を教えるのは?
博士博士
技術だけでは気持ちの問題は解決せぬ。今必要なのは「自分だけではない」と感じてもらうことじゃ。
サクラサクラ
同じ立場の介護者を紹介するのが良いのですね。
博士博士
その通り。ピアサポートは孤立感を軽減する強力な手段じゃ。相手の了解を得るのも忘れずにな。
サクラサクラ
外出を促すのは気分転換になりそうですが?
博士博士
一時的でしかない。まず気持ちを受け止める段階を飛ばしてはいかんのじゃ。
サクラサクラ
ショートステイは?
博士博士
レスパイトとして有効じゃが、同居したばかりで段階が早い。長男の話を聞き整理してから検討する流れじゃ。
サクラサクラ
ピアサポート以外にどんな資源がありますか?
博士博士
家族会、認知症カフェ、地域包括支援センターの相談窓口、オンラインコミュニティなどいろいろじゃ。
サクラサクラ
介護負担評価も活用するといいですね。
博士博士
Zarit介護負担尺度や抑うつスクリーニングを使いながら、多職種で段階的に支援していくのがよい。
サクラサクラ
介護者ケアは患者ケアと同じくらい大事だと分かりました。

POINT

家族介護者の情緒的ニーズを把握し、ピアサポートを含む心理社会的支援を選択できるかを問う設問です。

解答・解説

正解は4です

問題文:Aさん(90歳、男性)は要介護3となり、長男(60歳)と同居することになった。長男は「親を介護することがこんなに大変だとは思わなかった。親が衰えてつらいと感じるのは自分だけだろうか」と訪問看護師に話した。 訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。

解説:正解は4の親の介護をしている介護者の了解を得て長男に紹介することです。長男の発言は情緒的負担と孤立感が中心であり、同じ体験を持つ介護者と気持ちを分かち合うピアサポートが最も有効な支援となります。相手の了解を得たうえでの紹介が倫理的にも適切です。

選択肢考察

  1. ×1.  高齢者の介護方法について説明する。

    介護技術の情報提供は有用な場合もありますが、長男が訴えているのは「つらい」「自分だけか」という感情面の問題です。技術指導だけでは孤立感を緩和できません。

  2. ×2.  訪問看護の時間中に長男に外出を促す。

    一時的な気分転換にはなり得ますが、根本的な情緒的支援や孤立の解消にはなりません。また本人の気持ちを受け止める前段階を飛ばす対応となります。

  3. ×3.  Aさんの短期入所サービスの利用を勧める。

    レスパイト目的のショートステイは介護負担が高い段階では有効ですが、同居直後で長男は気持ちを整理したい段階にあり、いきなり提案するのは早計で本人の意向と合致しません。

  4. 4.  親の介護をしている介護者の了解を得て長男に紹介する。

    同じ立場の介護者と交流することで「自分だけではない」と実感でき、情緒的負担や孤立感の軽減に直結します。相手の了解を得る配慮も加わった、倫理的・実際的に適切な対応です。

家族介護者支援ではピアサポートに加え、家族会・認知症カフェ・地域包括支援センターの相談窓口・オンラインコミュニティなど多様な資源があります。介護負担感を評価するZarit介護負担尺度や、抑うつスクリーニングも活用しつつ、レスパイトサービスの段階的導入や、多職種連携による継続支援を組み立てることが重要です。

家族介護者の情緒的ニーズを把握し、ピアサポートを含む心理社会的支援を選択できるかを問う設問です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。