車中泊避難と静脈血栓塞栓症
看護師国家試験 第113回 午前 第73問
国試問題にチャレンジ
発災直後、自家用車に泊まり生活を始めた避難者に発生しやすいのはどれか。
- 1.生活不活発病(disuse syndrome)
- 2.静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism)
- 3.圧挫症候群<クラッシュ症候群>(crush syndrome)
- 4.心的外傷後ストレス障害<PTSD>(posttraumatic stress disorder)
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
車中泊避難で生じやすい身体合併症とその病態・予防策を理解しているかを問う設問です。
解答・解説
正解は2です
問題文:発災直後、自家用車に泊まり生活を始めた避難者に発生しやすいのはどれか。
解説:正解は2の静脈血栓塞栓症です。車中泊では座位姿勢のまま長時間動かず、水分摂取も不足しがちとなり下肢深部静脈に血栓が形成されやすくなります。形成された血栓が肺動脈に飛べば肺血栓塞栓症を起こし致死的となることから、災害時の早期予防教育が重要です。
選択肢考察
- ×1. 生活不活発病(disuse syndrome)
生活不活発病は長期間の活動性低下によって筋力・心肺機能・精神機能が衰える状態で、週〜月単位で顕在化します。発災直後の短期間で最も出やすいとはいえません。
- ○2. 静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism)
車中泊での長時間座位と水分摂取不足は深部静脈血栓を生じさせ、肺血栓塞栓症に進展し得ます。エコノミークラス症候群と呼ばれ、発災直後から発生するリスクとして特徴的です。
- ×3. 圧挫症候群<クラッシュ症候群>(crush syndrome)
クラッシュ症候群は四肢が長時間瓦礫等に圧迫された後、解放時に横紋筋融解産物が全身循環へ流入し高K血症や急性腎障害を引き起こす病態です。車中泊特有のリスクではありません。
- ×4. 心的外傷後ストレス障害<PTSD>(posttraumatic stress disorder)
PTSDは発災後1か月以上症状が持続して初めて診断される疾患で、発災直後の車中泊で特有に発生するものとはいえません。急性期はASD(急性ストレス障害)の概念で捉えます。
予防には2時間ごとの下肢運動、弾性ストッキング、十分な水分摂取、可能な限り横になれる環境の確保、禁煙などが推奨されます。新潟県中越地震で車中泊由来の肺血栓塞栓症が多発したことをきっかけに注意喚起が進みました。要配慮者のトリアージや避難所環境整備と合わせて、早期介入が命を守る鍵となります。
車中泊避難で生じやすい身体合併症とその病態・予防策を理解しているかを問う設問です。
「災害看護」の関連問題
避難所の89歳Aさん「眠れない・食べられない」 看護師がまずすべきことは?
災害時の避難所における高齢者の不眠・食欲不振に対し、廃用症候群予防の観点から最も優先される非薬物的・生活環境調整的介入を選ぶ問題。
115回
『自分だけ生き残って申し訳ない』に何と返す?災害後のサバイバーズ・ギルトと看護師の関わり方
災害後に出現するサバイバーズ・ギルトに対し、被災者の感情を否定せず『異常な体験への正常な反応』と伝える正常化の声かけが適切であることを問う問題。
115回
災害救助法の目的と救助内容を整理しよう
災害救助法の目的は「被災者の保護と社会の秩序の保全」であり、応急的な救助を国・自治体が連携して行う法律であることを問うています。
115回
災害亜急性期にこそ必要な『こころのケア』を理解しよう
災害看護の時期区分と、亜急性期に出現しやすいASDへの心理的ケアが看護師の中心的役割であることを理解できているかが問われています。
115回
震度6強!多職種が集結した救急病棟でリーダー看護師は何を指揮する?
災害発生直後に集まった多職種スタッフに対して、リーダー看護師がどのように指揮するかを問う問題。各職種の業務範囲を踏まえた役割分担と、災害時にも医療安全の原則(本人確認・指示系統の遵守)を維持する視点が問われている。
115回(状況設定)
