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高齢者の健康障害の特徴を押さえよう

看護師国家試験 第113午前89

国試問題にチャレンジ

113午前89

高齢者の健康障害の特徴はどれか。2つ選べ。

  1. 1.原因を特定しやすい。
  2. 2.症候が定型的である。
  3. 3.若年者と比較して個人差は少ない。
  4. 4.薬物による有害事象が出現しやすい。
  5. 5.原疾患とは関連のない老年症候群が発生しやすい。

対話形式の解説

博士博士
今日は高齢者ケアの基本じゃ。若年者との違いを学ぼう。
サクラサクラ
高齢者では原因を特定しやすいと思っていました。
博士博士
実は逆じゃ。複数疾患が絡み合い訴えも曖昧で、原因特定は難しいのじゃ。
サクラサクラ
症状は教科書通りに出るのでしょうか。
博士博士
非定型的なことが多い。肺炎でも発熱せず食欲低下だけ、ということもある。
サクラサクラ
個人差はどうなのですか。
博士博士
生活歴の蓄積で個人差が大きくなる。同じ80歳でも全く状態が違うのじゃ。
サクラサクラ
薬物有害事象が起こりやすい理由は何でしょう。
博士博士
腎肝機能の低下で代謝排泄が遅れ、多剤併用で相互作用も増えるのじゃ。
サクラサクラ
ポリファーマシーが問題になりますね。
博士博士
6剤以上で有害事象が急に増えると言われておる。定期的な処方見直しが肝心じゃ。
サクラサクラ
老年症候群とは具体的に何が含まれますか。
博士博士
転倒、尿失禁、せん妄、褥瘡、低栄養、フレイルなどじゃ。原疾患とは別に対応が必要になる。
サクラサクラ
看護ではどんな視点が大事でしょう。
博士博士
疾患だけでなく生活機能とQOLを見る包括的視点が欠かせぬ。
サクラサクラ
薬剤師との連携も重要ですね。
博士博士
その通り、STOPP/STARTクライテリアを活用して処方整理を進めるのじゃ。

POINT

高齢者ケアにおける基本的視点として、非定型症状・個別性・薬物有害事象・老年症候群という4つの特徴を理解できているかを問う問題です。

解答・解説

正解は4です

問題文:高齢者の健康障害の特徴はどれか。2つ選べ。

解説:正解は4と5です。高齢者は加齢に伴う薬物動態の変化や多剤併用により薬物有害事象を生じやすく、また原疾患と直接関係しない老年症候群が発現しやすいのが特徴です。

選択肢考察

  1. ×1.  原因を特定しやすい。

    高齢者は複数疾患の併存と非典型的症状のため、どの疾患が主因かを特定するのは難しい傾向にあります。認知機能低下で訴えが曖昧なことも鑑別を困難にします。

  2. ×2.  症候が定型的である。

    高齢者は感染症でも無熱で食欲低下だけ、心筋梗塞でも胸痛でなく呼吸困難や意識障害、のように教科書的な症候を呈さない非定型的表現が多いのが特徴です。

  3. ×3.  若年者と比較して個人差は少ない。

    個人の生活歴・遺伝・併存疾患・社会的環境の蓄積により、むしろ若年者以上に個人差が大きくなります。同じ年齢でもADLや認知機能に大きな違いが生じます。

  4. 4.  薬物による有害事象が出現しやすい。

    加齢により腎・肝機能が低下し薬物代謝・排泄が遅延、分布容積も変化します。さらに6剤以上服用するポリファーマシーでは薬物相互作用が増え、有害事象リスクが明確に上昇します。

  5. 5.  原疾患とは関連のない老年症候群が発生しやすい。

    転倒・尿失禁・せん妄・褥瘡・低栄養・フレイルなど、加齢に伴って複合的に出現する症候群を老年症候群と呼びます。原疾患の治療と並行して包括的ケアが必要になります。

高齢者の薬物療法ではSTOPP/STARTクライテリアや高齢者の安全な薬物療法ガイドラインを参考に、ベンゾジアゼピン系・抗コリン薬・NSAIDsなどの処方を慎重に検討します。定期的に残薬と服薬アドヒアランスを確認し、薬剤師と連携して処方整理を行うことが重要です。

高齢者ケアにおける基本的視点として、非定型症状・個別性・薬物有害事象・老年症候群という4つの特徴を理解できているかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。