尿ケトン陽性のサイン—糖が使えない体の悲鳴を読み解く
看護師国家試験 第114回 午前 第17問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
尿中ケトン体が陽性になる疾患はどれか。
- 1.痛風(gout)
- 2.肝硬変(cirrhosis)
- 3.糖尿病(diabetes mellitus)
- 4.ネフローゼ症候群(nephrotic syndrome)
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
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サクラ
博士POINT
ケトン体が産生される代謝学的背景を理解し、糖尿病における脂質代謝異常を判断できるかを問う問題。
解答・解説
正解は3です
問題文:尿中ケトン体が陽性になる疾患はどれか。
解説:正解は 3 の糖尿病(diabetes mellitus)です。ケトン体(アセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸・アセトン)は、糖の利用が障害されたときに脂肪酸が肝臓で分解されて生成される代替エネルギー源です。糖尿病ではインスリン作用不足によりブドウ糖を細胞内に取り込めず、相対的な飢餓状態となるため脂肪分解が亢進し、ケトン体が血中・尿中で増加します。重症ではケトアシドーシス(DKA)となり、生命に関わる代謝性アシドーシスを呈します。
選択肢考察
- ×1. 痛風(gout)
痛風はプリン体代謝異常により尿酸が蓄積する疾患で、血清尿酸値高値が特徴。尿中ケトン体は陽性化しない。
- ×2. 肝硬変(cirrhosis)
肝硬変では肝機能低下に伴い間接ビリルビン上昇や尿中ウロビリノーゲンの変動などがみられるが、ケトン体産生は逆に低下傾向。
- ○3. 糖尿病(diabetes mellitus)
インスリン作用不足で糖が利用できず、脂肪分解が亢進してケトン体が増加。尿中ケトン体陽性となる代表疾患。
- ×4. ネフローゼ症候群(nephrotic syndrome)
ネフローゼ症候群では1日3.5g以上の高度蛋白尿が特徴で、尿蛋白が陽性化する。ケトン体は通常陰性。
尿中ケトン体は糖尿病以外でも、長時間の絶食、激しい嘔吐や下痢、過度なダイエット、アルコール性ケトアシドーシス、新生児・小児の感染症(周期性嘔吐症)でも陽性化する。糖尿病ケトアシドーシス(DKA)は1型糖尿病の急性合併症として有名で、口渇・多飲・多尿・倦怠感・腹痛・Kussmaul呼吸(深く速い呼吸でCO2を排出しアシドーシスを代償)・アセトン臭(フルーツ様の口臭)が特徴的。インスリン投与・輸液・電解質補正が緊急治療となる。看護師は意識レベル・呼吸パターン・尿量を厳密に観察する。
ケトン体が産生される代謝学的背景を理解し、糖尿病における脂質代謝異常を判断できるかを問う問題。
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