痛風はなぜ「尿酸」を見るのか?プリン体から関節炎まで一気に整理
看護師国家試験 第115回 午後 第17問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
痛風の診断に用いる血液検査データはどれか。
- 1.尿酸
- 2.尿素窒素
- 3.血清ビリルビン
- 4.グリコヘモグロビン
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
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サクラPOINT
痛風の基礎病態である高尿酸血症を診断・管理するために必要な血液検査項目を問う問題。「痛風 = 尿酸」というキーワードと、他選択肢の検査項目がそれぞれ何の評価に用いられるかを整理できているかが鍵となる。
解答・解説
正解は1です
問題文:痛風の診断に用いる血液検査データはどれか。
解説:正解は 1 の「尿酸」です。 痛風は、体内で生じた尿酸が過剰となり血液中に蓄積する「高尿酸血症」を基礎病態として、関節内に析出した尿酸塩(尿酸ナトリウム)結晶が急性関節炎発作を引き起こす疾患である。 血清尿酸値が 7.0mg/dL を超えた状態が高尿酸血症と定義され、性別や年齢にかかわらずこの基準値が用いられる(日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン)。 尿酸はプリン体(核酸塩基であるアデニン・グアニンなど)が肝臓で代謝されて生じる最終産物で、通常は腎臓から尿中へ排泄される。プリン体の過剰摂取(レバー・干物・ビール等)、産生亢進(細胞崩壊、悪性腫瘍の化学療法後の腫瘍崩壊症候群)、排泄低下(腎機能低下、利尿薬使用)などにより血中濃度が上昇する。 診断上、痛風発作を疑う場合にはまず血清尿酸値を測定するため、血液検査データとして最も重要なのは「尿酸」である。
選択肢考察
- ○1. 尿酸
痛風の本態は高尿酸血症であり、血清尿酸値が 7.0mg/dL を超える状態で発症リスクが高まる。痛風診断ではまず血清尿酸値の測定が行われ、治療効果の判定にも継続的に用いられる、最も中核的な検査項目である。
- ×2. 尿素窒素
尿素窒素(BUN)は蛋白質代謝の最終産物で、主に腎機能や脱水・消化管出血の評価に用いられる指標。痛風患者では腎機能評価の一環として測定することはあるが、痛風そのものの診断指標ではない。
- ×3. 血清ビリルビン
ビリルビンはヘモグロビン由来の代謝産物で、肝機能障害・胆道閉塞・溶血性貧血などの評価に用いられる。痛風の病態とは関連がなく、診断には使用しない。
- ×4. グリコヘモグロビン
グリコヘモグロビン(HbA1c)は過去 1〜2か月の血糖コントロール状態を反映する指標で、糖尿病の診断・管理に用いられる。痛風と糖尿病はメタボリックシンドロームを背景に併存することは多いが、HbA1c は痛風の診断項目ではない。
痛風発作は深夜から早朝にかけて第1中足趾節(MTP)関節(足の親指の付け根)に好発し、激しい疼痛・発赤・腫脹・熱感を伴うのが典型像である。関節穿刺液を偏光顕微鏡で観察すると、針状で負の複屈折性を示す尿酸ナトリウム結晶が確認できるのが確定診断となる。 治療は急性発作期と慢性期で分けて考える。急性期にはNSAIDs、コルヒチン、ステロイドで炎症を抑え、発作中は新たな尿酸変動を避けるため尿酸降下薬の開始・変更は行わない。発作沈静化後の慢性期には、尿酸産生抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット)や尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、プロベネシド)を用いて血清尿酸値 6.0mg/dL 以下を目標に管理する。 生活指導としては、プリン体の多い食品(レバー、白子、干物、煮干し)の制限、アルコール(特にビール)の制限、十分な水分摂取(1日 2L 程度)による尿酸排泄促進、適度な運動、肥満の是正が重要。アルコールは飲料中のプリン体だけでなく、エタノール代謝そのものが尿酸産生を増やし排泄を阻害するため、種類を問わず注意が必要である。 また、痛風は高血圧・脂質異常症・糖尿病・慢性腎臓病(CKD)・心血管疾患と高頻度に合併するため、全身の生活習慣病管理が欠かせない。
痛風の基礎病態である高尿酸血症を診断・管理するために必要な血液検査項目を問う問題。「痛風 = 尿酸」というキーワードと、他選択肢の検査項目がそれぞれ何の評価に用いられるかを整理できているかが鍵となる。
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