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電解質異常で命に関わるのはどれ?高K血症と心室細動の関係を完全マスター

看護師国家試験 第115午前53

国試問題にチャレンジ

115午前53

電解質異常と症候の組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.高カリウム血症 ───── 心室細動
  2. 2.低カリウム血症 ───── QT時間の短縮
  3. 3.高ナトリウム血症 ───── 水中毒
  4. 4.低ナトリウム血症 ───── 口渇

対話形式の解説

博士博士
今日は電解質異常と症候の組合せを学ぶぞ。看護師国試の定番テーマで、臨床でも超重要じゃ。
サクラサクラ
電解質って、ナトリウムとかカリウムとかですよね。値が異常になると何が困るんですか?
博士博士
一番怖いのは『不整脈』と『意識障害』じゃ。特にカリウム異常は心臓に直撃するから命に関わる。今回の問題、選択肢1の『高K血症と心室細動』が正解じゃ。
サクラサクラ
どうしてカリウムが高いと心室細動になるんですか?
博士博士
心筋細胞の膜電位はカリウム濃度に強く依存しておる。血中Kが上がると静止膜電位が脱分極側にずれ、Naチャネルが不活性化して興奮伝導が乱れる。心電図ではまず『テント状T波』、次にPR延長、QRSの幅広化と進み、最終的にサインカーブ状の波形から心室細動・心停止に至るのじゃ。
サクラサクラ
段階的に進むんですね…。基準値はどのくらいですか?
博士博士
血清Kの正常値は3.5〜5.0mEq/L。5.5を超えると高K血症、6.5以上や心電図変化があれば緊急対応じゃ。グルコース・インスリン療法(GI療法)、カルシウム製剤の静注、陽イオン交換樹脂(ケイキサレートなど)、最終手段は血液透析じゃな。
サクラサクラ
選択肢2の『低K血症でQT短縮』は違うんですよね?
博士博士
逆じゃ。低K血症ではむしろQTが『延長』し、U波が出現する。心電図ではT波の平低化、ST低下、U波増高が典型。torsades de pointesという多形性心室頻拍を起こすリスクがある。利尿薬を使っている患者でよくみる病態じゃ。
サクラサクラ
じゃあ選択肢3の『高Na血症と水中毒』は?
博士博士
これは完全に逆じゃ。水中毒は水分の過剰摂取で血漿浸透圧が下がる『低Na血症』のこと。統合失調症で多飲水傾向のある患者やマラソン中の水分過剰補給などで起こる。脳細胞が浮腫を起こして頭痛・意識障害・痙攣に至る。
サクラサクラ
選択肢4の『低Na血症と口渇』は?
博士博士
口渇は体液量が減ったり血漿浸透圧が上がったりしたときに視床下部の口渇中枢が刺激されて起こる症状じゃ。つまり『高Na血症』や脱水のサイン。低Na血症では逆に悪心・頭痛・倦怠感・意識障害が中心になる。
サクラサクラ
整理すると、Kは心臓、Naは脳に影響しやすいって覚えるとよさそうですね。
博士博士
その通り!『高K=不整脈、低K=QT延長とU波、高Na=脱水と口渇、低Na=水中毒と神経症状』とセットで覚えるのじゃ。臨床ではACE阻害薬・ARB・スピロノラクトンを使っている患者や慢性腎不全・透析患者で高K血症が起こりやすいから、採血結果と心電図モニターを必ずセットで確認するのじゃぞ。
サクラサクラ
低Na血症の補正にも注意点があるって聞いたことがあります。
博士博士
鋭いの。急速にNaを補正すると『浸透圧性脱髄症候群(中心性橋脱髄症)』という重篤な神経障害を起こす。補正は10mEq/L/日以下にゆっくり、が鉄則じゃ。看護師は補液速度の確認とNa値の経時的モニタリングが大切じゃな。

POINT

代表的な電解質異常(K・Na)と臨床症候・心電図変化の組合せを正確に結びつけられるかを問う問題。特に高K血症の心室細動リスクは救急・透析看護で必須知識である。

解答・解説

正解は1です

問題文:電解質異常と症候の組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。高カリウム血症(血清K>5.0mEq/L)は心筋細胞の静止膜電位を脱分極側にシフトさせ、Na+チャネルの不活性化と再分極の遅延を引き起こすため、致死的不整脈(テント状T波、QRS幅広化、サインカーブ波形、最終的には心室細動や心停止)を生じる代表的な電解質異常である。血清K値が6.5mEq/L以上、あるいは心電図変化を伴う場合は緊急処置(グルコース・インスリン療法、カルシウム製剤投与、陽イオン交換樹脂、血液透析など)が必要となる。

選択肢考察

  1. 1.  高カリウム血症 ───── 心室細動

    高K血症では心筋の興奮伝導が障害され、テント状T波→PR延長→QRS幅広化→心室細動・心停止へと進行する。電解質異常の中で最も急速に致死的になりうる組合せで、透析患者や腎不全患者では特に注意が必要である。

  2. ×2.  低カリウム血症 ───── QT時間の短縮

    低K血症では再分極が遅延するため、QT時間は『延長』する。心電図ではU波の出現、T波の平低化・陰転、ST低下が典型的で、torsades de pointes(多形性心室頻拍)のリスクが高まる。『短縮』は誤り。

  3. ×3.  高ナトリウム血症 ───── 水中毒

    水中毒は水分の過剰摂取により血漿浸透圧が低下して起こる『低Na血症』の病態である。高Na血症は脱水・口渇・意識障害などをきたすため、組合せが逆になっている。

  4. ×4.  低ナトリウム血症 ───── 口渇

    口渇は体液量低下や血漿浸透圧上昇(=高Na血症や脱水)で生じる症状である。低Na血症ではむしろ悪心・頭痛・倦怠感・意識障害・痙攣など中枢神経症状が主体となる。

電解質異常の覚え方は『高K=心臓(不整脈)、低K=筋・心電図変化(U波・QT延長)、高Na=脱水・口渇・神経症状、低Na=水中毒・脳浮腫・神経症状』と整理すると混乱しにくい。特に高K血症は腎不全患者・ACE阻害薬やARB・K保持性利尿薬・スピロノラクトン使用例で頻発し、看護師は採血結果と心電図モニターを必ずセットで確認する。低Na血症では急速補正による浸透圧性脱髄症候群(中心性橋脱髄症)を避けるため、補正速度を10mEq/L/日以下に抑えることが重要である。

代表的な電解質異常(K・Na)と臨床症候・心電図変化の組合せを正確に結びつけられるかを問う問題。特に高K血症の心室細動リスクは救急・透析看護で必須知識である。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。