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新生児の「こぶ」を見抜こう!産瘤・頭血腫・帽状腱膜下血腫の決定的な違い

看護師国家試験 第114午後66

国試問題にチャレンジ

114午後66

頭位で出生した直後の児の頭部に腫脹を認めた。腫脹は骨縫合を越え、波動を触れず、数日後に消失した。 出生直後に認められた児頭の腫脹で考えられるのはどれか。

  1. 1.産瘤
  2. 2.骨重積
  3. 3.頭血腫
  4. 4.帽状腱膜下血腫

対話形式の解説

博士博士
新生児の頭部腫脹は国家試験頻出の鑑別問題じゃ。今回は4つを徹底比較するぞ。
サクラサクラ
生まれたばかりの赤ちゃんの頭にこぶがあると、ドキッとしますよね…。
博士博士
その通り。ただ、種類によって緊急性も対応もまったく違うから、看護師として鑑別ポイントを持っておくのが重要なのじゃ。
サクラサクラ
鑑別の軸は何ですか?
博士博士
4つの軸じゃ。①出現時期、②骨縫合を越えるか、③波動を触れるか、④消失までの期間。これだけで多くは見分けられるぞ。
サクラサクラ
問題文を見ると「出生直後・骨縫合を越える・波動なし・数日で消失」とありますね。
博士博士
これはすべて産瘤の特徴じゃ。産瘤は産道で圧迫された先進部の皮下にリンパ液や血漿成分が浮腫として貯留したもの。血液貯留ではないから波動を触れない。皮下組織に広がるから骨縫合も平気で越える。そして浮腫だから数日で吸収されて消えるのじゃ。
サクラサクラ
頭血腫はどう違うんですか?
博士博士
頭血腫は頭蓋骨と骨膜の間の出血じゃ。血液貯留だから波動を触れる。骨膜は骨の縫合に強く付着しているため、出血は骨1枚の範囲に限局し、骨縫合を越えない。出現は生後数時間〜数日でじわじわ目立つようになり、吸収には数週間〜数か月かかる。
サクラサクラ
帽状腱膜下血腫は重そうな名前ですね…。
博士博士
これが最も危険じゃ。骨膜より外側、頭皮直下の帽状腱膜とその下の組織の間に血液が貯留する。広い空間なので大量出血が可能で、頭部全体から額・瞼・耳の後ろまで広がる。波動を触れ、骨縫合も越える。吸引・鉗子分娩で発生しやすく、出血性ショックや播種性血管内凝固に至ることもあるから、循環動態の観察が必須じゃぞ。
サクラサクラ
骨重積はどんなものですか?
博士博士
骨重積は腫脹ではなく、頭蓋骨同士が重なり合って頭が一時的に小さくなる現象じゃ。狭い産道を通り抜けるための応形機能の一つで、出生後数日で自然に元に戻る。
サクラサクラ
整理するとこんな感じですね。産瘤=直後・縫合越える・波動なし・数日で消える、頭血腫=後から目立つ・縫合越えない・波動あり・数週間〜数か月、帽状腱膜下血腫=広範囲・縫合越える・波動あり・大量出血リスク、骨重積=骨の重なりで腫脹ではない。
博士博士
お見事じゃ。では頭血腫の経過で気をつけることは?
サクラサクラ
血液が吸収される過程でビリルビンが増えて、新生児黄疸が長引くと聞きました。
博士博士
その通り。経皮ビリルビン値の経時的測定や光線療法の検討が必要になる。観察項目に黄疸を入れておくことが大切じゃ。
サクラサクラ
看護師として最初に何を見ますか?
博士博士
腫脹の出現時期、広がりの範囲、波動、頭囲の変化、活気、哺乳力、皮膚色、循環動態、特に帽状腱膜下血腫を疑うときはバイタルとHb・血小板の推移をしっかり追うのじゃ。

POINT

新生児頭部の腫脹(産瘤・頭血腫・帽状腱膜下血腫)と骨重積を、出現時期・縫合越境の有無・波動の有無・消失時期で鑑別できるかを問う頻出問題である。

解答・解説

正解は1です

問題文:頭位で出生した直後の児の頭部に腫脹を認めた。腫脹は骨縫合を越え、波動を触れず、数日後に消失した。 出生直後に認められた児頭の腫脹で考えられるのはどれか。

解説:正解は 1 です。産瘤は産道通過時の機械的圧迫により、頭蓋骨の最も先進する部位の皮下組織にリンパ液や血漿成分が貯留して生じる浮腫である。骨膜に限局しないため骨縫合を越えて広がり、浮腫であるため波動を触れず、生後2〜3日でほぼ自然に消失する。問題文の「出生直後・骨縫合を越える・波動なし・数日で消失」はすべて産瘤の特徴に合致する。

選択肢考察

  1. 1.  産瘤

    皮下のリンパ液・血漿による浮腫であり、骨縫合を越えて広がり、波動を触れず、数日で自然に消失する。出生直後から認められる点も典型的である。

  2. ×2.  骨重積

    産道通過時に頭蓋骨同士が重なり合う現象で、腫脹ではなく骨の変形である。応形機能の一部で、生後数日で自然に整復される。

  3. ×3.  頭血腫

    頭蓋骨と骨膜の間に出血が貯留する病態で、骨縫合を越えず、波動を触れる。出現は生後数時間〜数日後で、吸収には数週間〜数か月を要する。

  4. ×4.  帽状腱膜下血腫

    帽状腱膜と骨膜の間に出血が広がる病態で、骨縫合を越えて広範に進展し波動を触れる。出血量が多く出血性ショックに至ることがあり、吸引・鉗子分娩での発生が多い。

新生児頭部腫脹の鑑別ポイントは「出現時期・骨縫合越境の有無・波動の有無・消失までの期間」の4点である。産瘤=出生直後・越える・波動なし・数日で消失。頭血腫=生後数時間〜数日で出現・越えない・波動あり・数週間〜数か月で吸収。帽状腱膜下血腫=出生後すぐ〜数時間で出現・越える・波動あり・大量出血の可能性。骨重積は腫脹ではなく骨の重なりで、応形機能の一部である。頭血腫の吸収過程では間接ビリルビンが上昇し、新生児黄疸が遷延することがあるため光線療法が必要となる場合がある。

新生児頭部の腫脹(産瘤・頭血腫・帽状腱膜下血腫)と骨重積を、出現時期・縫合越境の有無・波動の有無・消失時期で鑑別できるかを問う頻出問題である。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。