母乳育児のお母さんに伝えたい食事と嗜好品のキホン
看護師国家試験 第115回 午前 第66問
国試問題にチャレンジ
母乳栄養を希望している母親への説明で適切なのはどれか。
- 1.「お母さんは飲酒しても大丈夫です」
- 2.「赤ちゃんは日焼けした方が良いです」
- 3.「お母さんは納豆を多く摂取しましょう」
- 4.「お母さんはコーヒーを1日6杯以上飲んでも大丈夫です」
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
母乳栄養を希望する母親への保健指導として、栄養・嗜好品・乳児ケアのうち適切なものを選ばせる問題。授乳婦の食事は『制限』より『バランス』、嗜好品(アルコール・カフェイン)は『過量回避』が原則であることを押さえる。
解答・解説
正解は3です
問題文:母乳栄養を希望している母親への説明で適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。授乳期の母親には、特定の食品を避けるよう厳しく制限するよりも、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を勧めることが基本となります。納豆は良質な植物性タンパク質、ビタミンK、鉄、葉酸、大豆イソフラボンなどを含み、母乳産生のための栄養確保に適した発酵食品の一例です。授乳婦は妊娠前に比べてエネルギー必要量が+350kcal/日上乗せされ、タンパク質も+20g/日付加されるため、納豆のような栄養価の高い食品をふだんの食事に取り入れることは合理的な助言といえます。なお「納豆を多く」とは“極端な大量摂取”ではなく、毎日の食事の一部として取り入れる程度の意味で理解します。
選択肢考察
- ×1. 「お母さんは飲酒しても大丈夫です」
アルコールは分子量が小さく水溶性が高いため、母体血中濃度とほぼ等しい濃度で母乳中に移行する。乳児は肝臓のアルコール代謝能が未熟で、傾眠・哺乳力低下・発育への影響などのリスクがあるため、WHOや日本産科婦人科学会も授乳期間中の飲酒は原則として避けるよう推奨している。
- ×2. 「赤ちゃんは日焼けした方が良いです」
乳児の皮膚は角質層が薄くバリア機能が未熟で、メラニン色素も少ないため紫外線の影響を受けやすい。過度な日焼けは将来の皮膚がんリスクを高めるほか、脱水や熱中症の原因にもなる。日本小児科学会も生後6か月未満は直射日光を避け、外出時は帽子や衣服、日陰の利用を勧めている。
- ○3. 「お母さんは納豆を多く摂取しましょう」
納豆はタンパク質、ビタミンK、葉酸、鉄、食物繊維、大豆イソフラボンなどを豊富に含み、授乳婦の栄養補給に適している。授乳婦は付加エネルギーやタンパク質の必要量が増えるため、和食を中心としたバランスのよい食事の一例として納豆を取り入れることは適切な指導である。
- ×4. 「お母さんはコーヒーを1日6杯以上飲んでも大丈夫です」
カフェインは母乳中に移行し、乳児はカフェインの代謝能力(主にCYP1A2)が未熟で半減期が長いため、興奮・不眠・哺乳量低下を起こすことがある。WHOや欧州食品安全機関(EFSA)は授乳婦のカフェイン摂取量を1日200〜300mg(コーヒー2〜3杯相当)以下に抑えることを推奨しており、6杯以上は明らかな過剰摂取である。
授乳期は妊娠前よりエネルギー+350kcal/日、タンパク質+20g/日、鉄+2.5mg/日などの付加量が設定されている(日本人の食事摂取基準2025年版)。母乳には乳児を感染から守る分泌型免疫グロブリンA(sIgA)やラクトフェリン、リゾチームが含まれ、消化吸収もよく、母子の愛着形成(ボンディング)にも寄与する。一方で母体から児へ移行しやすい物質として、アルコール、カフェイン、ニコチン、一部の薬剤、放射性ヨウ素などがあり、これらは制限・回避が必要。食事については極端な制限よりも、和食を中心に主食・主菜・副菜をそろえ、水分(1日2〜3L)と鉄・カルシウム・葉酸を意識した内容が望ましい。
母乳栄養を希望する母親への保健指導として、栄養・嗜好品・乳児ケアのうち適切なものを選ばせる問題。授乳婦の食事は『制限』より『バランス』、嗜好品(アルコール・カフェイン)は『過量回避』が原則であることを押さえる。
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